#33「U Boj!」
※下書きなしに思いつくままに書いています。多少の不備はお見逃しください。
高校時代、コーラス部への入部当初、先輩たちと顧問の先生がある曲を歌ってくださいました。
それは「U Boj」(ウボイ)。軽快なリズム感と力強いメロディーがとても印象的だったことを覚えています。(動画は関西学院グリークラブ様のもの)
進めわが同胞(はらから)よ
共に力合わせ
うるわしきこの国土を
誰(たれ)の手に渡すべきや
津川主一作詞
※元の曲を訳したものではなく、日本語オリジナル版
こちらは、どうやら元々はクロアチアの合唱曲らしいです。
関西学院グリークラブ様のホームページによると、1919年に日本軍に保護されたチェコの軍隊が神戸にやってきた。そして、当時関西学院の学生に英語の通訳ができる人材がいたことで、同学とチェコ軍との交流が始まった。さらにその縁で曲の楽譜を譲ってもらい、それが関西学院グリークラブの愛唱歌のひとつになった。
まあ、こんな感じらしいです。
では、どうしてチェコの軍隊がクロアチアの曲を歌っていたのか。それはかつて、戦火を逃れたクロアチアの住民たちがチェコに定住したという歴史があったから。彼らはチェコの国内での同化政策を迫られ、公にはクロアチア語を話すことも禁じられていたのだとか。
しかし、クロアチア人の勇ましさをうたい上げたこの曲は彼らの間でひそかに歌い継がれて、不思議な縁で日本にまで伝わったということなんですね。
大国に挟まれ、苦難の歴史を刻んできた小国・クロアチアの歩み。そして時を経てもずっと歌い継がれてきた、祖国への想い。
今、私がこうして自由に好きな文章が書け、好きな歌が歌えるのも、すべては日本が平和であるからこそです。
そして、この地図を見ているまさにこのとき、私たちの歴史と心にはまた一つ、新たな苦悩と悲しみが刻まれようとしています。
この曲は讃美歌21、90番の第3節。
ドイツがまだ東西に分断されていた頃、祖国の統一を願って歌われた祝福、派遣の讃美歌です。ドイツの教会の牧師先生が作られたのだとか。
地に平和 われら望まん
主の平和 いまだならず
なみだもて 種まくもの
ときいたらば むくいられん
時が経ち、ドイツは統一されましたが、まだ世界には争いが絶えません。