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#59 悩める母の日
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「母の日」というと、あなたは何を思い浮かべるでしょうか?
おそらく、小さな子どもが書いたママの似顔絵や、お小遣いを貯めて買ったカーネーション、手作りプレゼントといったほほえましい情景ですよね。
しかし、そのような子を持つ母には、たいてい自らの「母」がいます。さらには夫の「義理母」もいるし、なんなら「母の母」や「父の母」、「義理母の母」や、「母のような伯母」、なんなら「契約上の母」(ベビーシッターさん)なんかもいたりして、もうなにがなんだか分からない。
つまり、たいていの母にとって母の日とは
「ママ、いつもありがとう」
「まー、●●ちゃん、ママうれしいよ」
とだけ言って感動していればいい日ではないんですね。
わが家も例外ではなく、わが実家においてはじいじ&ばあばにくわえて「おおばあば」も元気に生活中。つまり、私の母である「ばあば」に何か贈るのであれば、それはばあばにとっては姑である「おおばあば」の視線も意識しなくてはならないんです。
で、母にとってみれば、この姑は自分が何かを贈るよりも、孫やひ孫たちから何かを贈らせたほうが喜ぶということは既に見こし済み。
よって、母の日は
「おおばあばが喜ぶ『何か』を贈ってね」
という無言の圧における難易度が高いミッションが託されるわけです。
ところが、このセレクトが結構難しいんです。
お菓子だと
「おおばあばがこっそり全部食べちゃって、あとでお医者さんに怒られてしまう」
し、洋服だと
「おおばあばは年の割にハデ好きだけど、趣味の悪い服を着せていると私のセンスが疑われる」
らしい。かばんや小物も、もうそんなにたくさんはいらないし。
このような紆余曲折の末、毎年母の日には「花」を贈ることにしました。しかも花束ではなく、鉢植えの花で、なるべく生命力が強そうなもの。
これだと部屋のなかにしばらく置いておけるので、物忘れのあるおおばあばにも認識してもらいやすい。さらに、花の時期が終われば園芸が趣味のばあちゃんがこっそり庭に植えて楽しむことができる。
かくして、今年もネットで鉢植えの花を吟味するのでした。