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#72 どん底に大地あり

先日、永井隆博士の「どん底に大地あり」という言葉を耳にしました。

永井隆博士は、長崎の原爆で奥様を失い、自身も大けがを負い、小さなお子さん二人を残して、近い将来この世を去らなくてはならない。そんな状況のなかでも、同じように被ばくした人々の治療に携わりつづけられた方です。

そんな永井博士に向かってある人が「この世に本当に神はいるのか」と問いかけます。それに対する永井博士の答えは次のようであったそうです。

『なぜ?』『どうして?』と、自分の身を振り返っているうちは、希望は持てません。どん底まで落ちて、大地を踏みしめ、共に頑張れる仲間がいて、はじめて真の希望は生まれるのです」

これは本当のどん底を味わった人にしか言えない言葉だと思います。愛する人を失い、自分の命も明日をもしれない。目の前には原爆の焼け野原が広がり、被災者がどんどん自分を尋ねてくる。まさに「神も仏もあるものか」という状況だと思うのです。

話は変わりますが、先日、部屋を整理していたら、小さな薬の瓶を数個見つけました。お医者さんから処方されたものの、全部を使い切る前に症状が改善したので、現在は使用せずに放置されていたものでした。

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