#15 ママライターが二刀流するなら「校正者」がいい4つの理由
☑仕事や子育てに追われ、まとまった執筆時間が取れない
☑採用されるライター案件がどれも安価で疲弊している
☑ライターだけでなく、将来は編集全体に携わる仕事がしたい
いま「二刀流」といえば、打者と投手の両方で活躍する大谷翔平選手が注目されていますね。
またWebライター界でも、多くの著名Webライターさんやブロガーさんが「Webライター」と「ブロガー」の二刀流を勧めておられます。
ですが、わたしはママライターの方には「校正者」との二刀流もオススメできると思っています。
その理由は以下の4つ。
①短い作業時間で稼げる
②需要が高く仕事を取りやすい
③自分のライティングの質が上がる
④仕事のキャリアが広がる
そんなわたしこと、ながれのほとり(@nagare0712)は、
・印刷会社の編集部門に8年勤務
・大手通信教育ライティング講座 Web添削講師
・大手転人材派遣会社 Web校正者
などの実績を持ち、現在はライティングと校正との二刀流で仕事をする1児のママライターです。
「校正者」とは
校正者とは、誤字脱字や、日本語の誤りや表現をチェックする人のこと。
要件によっては、
・記事内容の事実確認
・マニュアルやレギュレーションどおりになっているかの確認
なども行います。一見、地味な作業のようですが、一連の編集工程でなくてはならない重要な仕事です。
では、なぜママライターには「校正者」との二刀流がオススメなのか。
順番にみていきましょう。
1-1|短い作業時間で稼げる
もしもあなたがクライアントの立場にあり、ライターを1人採用するとしたら、どちらの人に依頼したいですか?
ア)月に3記事書ける人
イ)月に10記事書ける人
当然、採用されやすいのは、イ)の月に10本書ける人ですよね。
しかし、子育て中の主婦はなかなかまとまった作業時間が取りにくく、仕事量での勝負になると、正直いって勝ちめがありません。
もちろん、会社務めをしつつ、通勤時間帯や休み時間などを使ってコツコツとブログを書き続けて成功された方もおられます。
しかし、子育て中の主婦が日夜相手にしているのは、24時間待ったなし、忖度一切なし、ちょっと目を放すと何をやらかすか分からない、おそるべき存在です。
会社員の皆さん、あなたのクライアントは自分の要望が通らなかったからと言って、地面に寝っ転がって泣きさけびますか?
どんなに厳しい上司だって、トイレまで追いかけてきたり、真夜中に突然「お茶」とかいってあなたをたたき起こしたりはしませんよね?
しかし、子どもはそれをママに向かって平気でやります。
何が言いたいかといえば、小さな子を育てておられるママには、原則「スキマ時間」なんてものは存在しません。
「きょうは静かだなあ」なんて思って作業をしていたら、部屋中にカレー粉をぶちまけていたりしますから!(実話)
とはいえ、決して睡眠時間を大幅にけずってまで仕事をしようなんて無茶はしないでください。御自身の体が第一ですから。
話がそれましたが、1つの記事を書こうと思うと、テーマ選定、リサーチ、構成案づくり、画像選定、入稿なども含めるとかなり時間がかかります。
一方、校正という仕事は、ライティングに比べると短い時間で作業が完結できます。
お子さんが幼稚園に行っておられる時間帯のような、ピンポイントタイムで従事するにはうってつけのお仕事なんです。
2|需要が高く仕事を取りやすい
次に、2つめの理由についてみていきましょう。
2-1|ライター数>校正者数の現状
ここ数年、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングにおけるライティングの依頼件数は、かなりの増加傾向にあります。
これらのクラウドソーシング上では、ライティングの案件を「構成案づくり」「リサーチ」「リライト」などと、作業を徹底的に細分化。それを各タスクに切り分けて割りふることで、ライティング初心者であってもある程度は対応できるようになったのです。その結果、大量発注が可能になり、同時にWebライターの数も大幅に増加しました。
しかし、そうして書かれた大量の記事をチェックするWeb校正者の数はさほど増えていない。つまり、Webライターの数に比べて、ライターが書きあげた文章をチェックできるWeb校正者の数が現状では圧倒的に不足しているのです。
しかも、単純な文字のまちがい探し程度ならデジタル校正ツール等でもなんとかなるかもしれませんが、文章の表現や構造の問題などになってくると、もうデジタルではお手上げです。
企業のほうでも、これまではライティングは外部に委託し、校正は社内でてがけるところが多くありました。しかし、テレワークの広まりやセキュリティ対策の充実などにより、フルリモートでの編集者や校正者を外部から募集するところも増えてきているようです。
2-2|専門的なWeb校正を学べる場が少ない
近年、Webライティングを勉強できる講座やオンラインサロンはどんどん増えてきています。
一方で、Web校正に特化した講座や(通信講座はあるが主に書籍校正用)、学習ができるオンラインサロンはまだまだ少ないのが現状です。
先日も、わたしが所属させていただいているオンラインサロン「校正部」の勉強会にて、代表者の佐々木ゴウさん(@goh_ssk)が、
「Web校正を学べるオンラインサロンってなかなかないよね。というか、なかったからこの『校正部』を作ったんだけど」
と言っておられました。
このように、いまWeb校正者は絶対数が不足している上に、学習できる場も限られている。
となると、初心者からWeb校正者を目指そうと思ったら、現場で校正の仕事をしながらぶっつけ本番で覚えるしかありません。いわゆるオン・ザ・ジョブ・トレーニングですね。
しかし企業の本音は、「こっちはその育成の手間を省きたいから外注しているんだよ」であって、両者の間に大きなミスマッチが生じているのが現状です。
ということで、育成する手間がなく即戦力で働けるWeb校正者は、どこでも引く手あまたなのです。
3|自分のライティングの質が上がる
Webライターが校正を兼務することで、ライティング力の向上においてもよい効果が期待できます。
3-1|たくさんのすぐれた文章に触れられる
校正作業をする際、校正者は1つの文章を何回も読み、じっくりと向き合います。そして、誤った字句や分かりにくい表現はないか、もっと作者の想いが伝わる言い方はないかなど、辞書やマニュアルで確認しながら、いくつもの観点からチェックします。
その一連の作業を通して、「こんな表現があるのか」とか「こうやって言えば伝わりやすいのか」など、文章表現だけでなくSEO的視点からも、他人の書いた文章から学べることが数多くあるんです。
そのように、日々そうしたすぐれた文章に触れ続けることでライティングの勉強ができ、いつか自分もこんな文章を書きたいというモチベーションアップにもつながりますよ。
3-2 文章のセルフチェック力がつく
ネットワークの発展と同時に増え続けるテキストコミュニケーション。しかし悲しいことに、世界は誤字と脱字に満ちています。
先日も、「なだれのほとり」宛てにお仕事の打診がありました…。(「ながれのほとり」です!)
こんなとき、校正作業によって培ったスキルがあれば、自分が書いた文章を厳しくチェックでき、クライアントにほぼ誤字のない文章を提出することができます。
誤字のない文章が提出できる。それは、クライアントに余計な確認・修正時間を使わせないことにもつながります。
結果として、クライアントから信頼され、継続依頼を勝ち取れる可能性が高くなるでしょう。
4|仕事のキャリアが広がる
Web校正者が持っているスキルを生かすことで、さらに別の仕事へのキャリアを広げることができます。
クラウドソーシングでは、大手企業からの案件においては、クライアントと作業者の間をとりまとめるオンラインディレクターを置くことが多いです。オンラインディレクターは複数の案件をかけ持ちしているため、仕事をきちんとやっている校正者には、さらに別の仕事を紹介してくれることがあります。
さらに、ライターが急に原稿を書けなくなったときには、「誰でもいいから書ける人!」という感じで、レギュレーションを熟知している校正者にライティングの依頼がくることもあるんですよ。
また、校正者として、ただ誤字脱字や表記の統一を指摘するだけでなく、
・文章全体の論理的な流れをチェックする。
・「ここをこうしたら、もっと伝わりやすくなるのでは」とSEO的知見からの提案を行う。
・違和感のある箇所を大幅にリライトする。
このように、ライターや編集者の仕事を積極的に巻き取っていくうちに、次第に編集者やディレクターへの道が開けることもあります。
加えて校正者には、細やかな気づかいができる人が多いため、
「参考サイトとして挙げられたこの記述ですが、データが少し古いのでは」
「ここのリンク先が切れていました」
といった感じで、気がついたことを積極的にクライアントさんなどへ教えてあげると、大変喜んでいただけます。
校正者の中には、このように相手をアシストすることに自らの才能を見出し、オンライン秘書の道に進む人もおられるんですよ。
まとめ
ここまで、ママライターが二刀流するなら「校正者」がオススメな4つの理由について紹介してきました。
①短い作業時間で稼げる
②需要が高く仕事を取りやすい
③自分のライティングの質が上がる
④仕事のキャリアが広がる
現在、ママライターとして活動中の方は、ぜひ校正者との二刀流も視野に入れてみてくださいね。
・未経験からWeb校正者になるにはどうしたらいいの?
・どうやって仕事を見つけるの?
といったことついては、また次の機会にご紹介したいと思います。
ここまでお読みくださって、本当にありがとうございました。
さらに、読むだけで校正者としてのスキルが養える「ほとりのライティング講座」をはじめ、ここだけで伝えきれない情報はTwitter(@nagare0712)にて。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?