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#47 君の呼び名は。
先日、Twitter上のスペースにて、ライターさん同士の対談がありました。
その中で、先輩ライター(30代独身)が、後輩ライター(20代既婚)のパートナーさんのことを「お妻さん」って呼んでおられたんですね。
これを聞いたとき、わたしは一瞬何を言っているのか分かりませんでした。でも、そこから続く二人の会話を聞いているうちに、これはまさしく、
「日本語には結婚相手を呼ぶためのふさわしい敬称がない問題」
であることに気がつきました。
日本人男性がパートナーを指して呼ぶ名称としては、
「妻」「奥さん」「家内」
などが、逆に女性の方からは
「夫」「旦那」「主人」
などが一般的ではないでしょうか。
でも、手元の辞書で調べてみると、こんな感じなんですね。
・妻=つま:刺身のそばに添えられる海藻や野菜。転じてほかを引き立てるだけでそれ自身には価値の乏しい物の例えにも用いられる
・奥さん:めったに他人に会ったりしない、身分ある人の妻
・家内:その家で生活する人たち。狭義では主人の妻の謙称
・旦那:①施主 ②一家の主人 ③自分の夫を話題にするときに用いられることがある
・主人:①一家の長として家族を扶養する立場にあるとされる人 ②妻が他人に対して自分の夫を指す称
(新明解国語辞典 第7版より)
つまり「夫」以外は、今の時代には、ちょっと合っていないんじゃない?という表現ばかりなのです。
さすが、先輩ライターさん(30代独身)は、こういう女性たちの感情をも敏感に感じ取ってくださっているんですね。
これに対し、後輩ライターさんは
「『〇〇(下の名前)ちゃん』でいいんじゃないですか?」
とご提案。これは、御本人たちや、あるいは女性の友人たちが呼ぶのはそんなに抵抗はないと思います。あと、もともとパートナーさんを知っておられる間柄であれば。
しかし、男性の知人が全然知らない他人のパートナーさんに向かって「〇〇ちゃん」と呼ぶのは、ちょっと抵抗があるのではないでしょうか?
一方、英語圏では、こうした配偶者、あるいは恋人の呼び方として、
・Darling(ダーリン)
・Honey(ハニー)
・Baby(ベイビー)
・Sweetheart(スイートハート)
といった呼び方があるようです。
一方、我が家でも子供が生まれてからは完全に「パパ&ママ」になっております。このように、日本の家庭では、
「その集団の中で一番年が若い者の視点から見た呼び方でみんなを呼ぶ」
というのが一般的です。(「お姉ちゃん」とか「おじいちゃん」など)
でも、外国の方からすると、老いた男性が自分のパートナーのことを「おばあちゃん」と呼ぶのを聞くと、
「彼女はあなたのグランマではないですよね?」
と非常に混乱されるそうです。
わが家も、子どもが独立したら、もう一度互いの呼び名について考えてみるべきかなと思います。でも、もしも孫が生まれたりしたら、瞬殺で「じいじ&ばあば」になってしまう気もしますが……。