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【Skeb】一番好きなイラストレーターの方に、一番好きなキャラの絵を有償依頼した話

【2023/04/08 追記】
記事内ラストで述べた「進行形の事柄」が完了したので続編もアップしました。お読み頂けたら嬉しいです。


はじめに

引きを作ってもしょうがないので、まずは作品を。

オリジナルは解像度4000ピクセル超の凄まじい作品ですが、記事内ではskebのサンプルサイズ&透かし入りでの掲載とします。同担拒否だし
無断転載とかアイコンに使ったりとかするなよ!

このnoteを読んでる大半が該当するであろう "twitterのフォロワーさん" や "メモだま勢" なんかの身内にはほぼ説明不要かと思いますが、今回依頼したキャラは鏡魅羅さんです。
キャラへの愛着をこじらせすぎて二次創作そのものにすら全く興味がなかったくせに、ここにきて突然の有償依頼をかましました。

("二次創作に興味がない" ってのはどこの誰が描いたのかも分からないうえに作風も好みでない作品には関心が向かないって話であって、ある程度親しく交流してる人や尊敬してる人の作品に関しては全く別ですし、時には「このイラストいいな…」と "TLに流れてきた知らない人の作品" に対して思った事も決してゼロではないです。念のため…)


今回、こちらの素敵なイラストを描いてくださったのは福岡在住のイラストレーター、万年喪服 様。
フリーランスで活躍されており、直近では博多阪急で行われたZ世代向けイベントのメインビジュアルを担当された、第一線のプロの方です。

福岡在住、等身大乙女イラストレーター。
フラミンゴとピンク色が好きです。
乙女の繊細で複雑な日々の事象と感情を、ロマンティックで優雅に昇華する”名画”を目指しています。ILLUSTRATION2023掲載/ネオイラストレーション掲載/元ゲーム会社デザイナー /専門学校講師

株式会社R11Rさんのご本人のページからの引用

過去に手掛けられた作品はぜひinstagramから。
どの作品も衣装や背景の描き込みがハンパなく、女の子もみんな綺麗で、かわいらしさもありつつどこか蠱惑的で最高なので…!


製作過程の配信をされてたのを覗いた際は、まだ恐らく下書きやラフと言われるようなレイヤーを描き終えるかどうかの段階だったんですが、その時点でもう一目見た瞬間からあまりの良さと「俺が!見たかったのは!!コレ!!!」という満足感から動悸がヤバくて一時的に体調を崩しました。
マジで。

配信観た時点で誇張抜きでコレ。ちょうどスーツ着てたし (?)

以下、このイラストを描いて頂くまでの経緯や背景。
美術や絵画に関しては全くのド素人なので何かおかしな記述があるかもしれませんが、そこはどうか温かい目で何卒…

長いんで、絵だけ見たかった人はもう帰っても大丈夫です


(最初は全編通して万年喪服 "様" と表記してたんですが、書きあがってから読み直して「リスペクト通り越して崇拝みてえでやべぇな…」と思ったので、これ以降は万年喪服 "さん" と表記させて頂きます)



万年喪服さんの事を知るまでの話と有償依頼への経緯

知ったキッカケは22年の7月頃に パイ インターナショナル社 発刊の「ネオレトロ イラストレーション」を読んで。
現状、自分が特に何か創作活動をする予定があるわけではなくともゲーム、音楽、イラスト等々に対して、古めの作品が好きなのをこじらせて感性まで古くなる事への嫌悪感があるのと適度にアップデートしたい気持ちから情報収集はするようにしてて、そこでたまたま手に取った本に万年喪服さんの作品が掲載されてて一発で引き込まれました。インスタも秒でフォローした。

NAKAKI PANTZさんの表紙絵も最高

他の方の作品も素敵なものばかりなので気になった方はぜひご購入を。
アフィじゃないよ


フォローからそれほど日も経ってない頃に発表された作品
「あたしのこといつまでも気高くいさせてね」
が好みのど真ん中をぶち抜いてきて「薄々感じてたけどこの人の描く絵、過去に見たどのイラストレーターの作品よりも好きかもしれない…」と思わされて完全に夢中になりました。

アップされて数日は何度も何度も見返しましたし、日が空いても (当時は万年喪服さんがアイコンに使われてたのもあって) 見かける度に引き込まれて目が離せませんでした。なんならこれ書いてる今もヤバい

他の作品も含め、そうして何度も見ているうちに
「もしかしたら、この人なら "自分の中にいる完璧な状態の鏡さん" を取り出してくれるんじゃないか…?」
という思いが湧いてきた反面「"ご依頼はメールよりお願いします" って書いてあるけど、さすがにいろんなラインを越えてるよな…」「仮にOKだったとして、"乙女" って点では大丈夫だとしても、ご本人が関心のない可能性のあるジャンルのキャラを描いてもらうのは申し訳なさすぎる…」と思う気持ちもあって悶々と過ごしていました。


その後、有償依頼の受付を検討してる旨が突然ストーリーズに投稿されて「…マジで?  マジで!??」と歓喜しつつ、それ以降はチャンスを逃さないためにも投稿をよりマメにチェックするようになりました。
(通知入れてたのもあって投稿直後に足跡やいいねを付けた事もあったので、もしご不快に感じられてましたらその節は本当に申し訳ございません…)

絶対に出遅れたくないうえ、もし不備や失礼があったら最悪なので "状況次第で近日中に開始出来るかも" 的なアナウンスがあった1月頃には依頼文の作成・添削、参考資料の厳選をしました。 
(キャラの魅力や作画に重要な部分、"作画と服装等に関して公式が過去にやったテイスト" が伝わるようにしたい気持ちはありつつも、あんまり大量に送って困らせるのは絶対に嫌なのでココが一番キツかった。キャプチャのための再プレーも…)

そうして "コピペしてフォームから送るだけ" の状態に仕上げた依頼文をいつでも送れる態勢にして待ち構えてた所、前触れもなく2月24日に開始の通知が届いて大慌てで依頼しました。その日は友人とのスノボ旅行中で、なんとなくスマホを見たところに通知が届いてたので誇張抜きで "大慌て" でしたし、出遅れたと思って超焦りました。

顔や髪等の重要な部分や性格の気質、おおまかな服装の系統が押さえられるように厳選した資料。
今思うと10枚でも充分迷惑だったかもしれない…


作品の理念や製作への向き合い方、人柄に共感してる話

ファンになって作品やツイートを見ていくうちに
「この人になら安心して任せられるし、自分が見たいものを間違いなく仕上げてくれるだろうな…」
と思わされた出来事がいくつかありました。逆に言うと、今まで誰にも頼まず興味もなかった理由のひとつはその辺だったり…

1.
万年喪服さんのプロフィールに記載されてる「等身大乙女イラストレーター」の言葉の意味について。

もしかしたらここまで読んでくれた画面の前のあなたも気になってたかもしれませんが、ファンになり始めた頃に自分も気になってました。
それに対してのご本人の回答がこちら。

どの作品からも感じてた "どこかロマンチックな空気感" の理由がこの説明で分かりましたし「じゃあ、もし自分が依頼して描いて頂いた場合は "自分と鏡さんだけの世界" における鏡さんが描き出されるのかな…」なんて思ってドキドキしました。(ただ "好きな人" が作品の中にいる場合が想定されてるかは分からないので、この辺もし解釈違いを起こしてたら本当にごめんなさい)


2.
製作中の心境についての話。

いや、これマジで分かりすぎる…
親しい方や過去のnoteを読んでくれた方ならご存じの通り、僕は20代中頃まではプロのミュージシャンを志してバンド活動やサポート演奏等いろいろやってたんですが、楽譜製作やデモ音源の聴き込み、バンド運営の雑務等々がもう涙が出るくらい嫌になる瞬間があったり、その反面、音源リリース時にいい反応をもらったりライブ後の飲み会で「今日よかったよ~」なんて言われるのは凄く嬉しくて「死ぬほどめんどくさかったけど自分の演奏で誰かが喜んでくれたならそれでいいや…」とか思ったりしてたので、分野は違えども近い思考を持つ方がいる事に本当に安心しました。
(プロとしてお仕事をされてる方に、何者にもなれなかった自分を重ねるのは失礼かもしれませんが)

こういった事を 発信しない/表に出さない のが美徳みたいな風潮も少なからず世の中にはあると思うので、その気持ちに対して綺麗事を並べない万年喪服さんの姿勢には非常に好感を持ちました。


3.
万年喪服さんご本人のコーディネートの話。

リクエスト文の詳細は後述しますが、今回の依頼に際しては本当に最低限の「ここだけは…!」という部分以外は鏡さんの服装について指定をしませんでした。
その理由は「過去の作品に描かれてた乙女の服装やアクセサリーが、毎回必ず素晴らしくオシャレなので信用して任せて大丈夫だと思ったから」なんですが、一方で、過去の万年喪服さんの作品の中でも「パワーパフガールズがハイブランドの服を着てるイラスト」ELLEの表紙を飾った時の小松菜奈さんのイラスト」が好きで、その路線の鏡さんが見たい気持ちもあったので指定をするかどうか正直かなり迷いました。

その迷いを断ち切ったのはtwitter(と確かストーリーズ)に掲載されてた「メインビジュアルを担当された博多阪急のイベントに万年喪服さん自身が足を運ばれた際の写真」でした。
元々自分がバンドマンくずれだった頃、バンドメンバー (女性) に「流行は若い女の子から産まれるものだから、音楽に限らずどういうモノやカルチャーがウケてるのかちゃんと追った方がいいよ」とアドバイスをされて以来、女性ファッション誌を読む習慣があって、それなりにいろいろ読んだなかで特に印象深かったのが「ライダースジャケットとファーコートをレイヤードしたコーデ」だったんですが、上記の写真での万年喪服さんのコーデがまさにそれで本気でビックリしました。そんなことある???

それを見て「良いと思う物に関しての感性は少なからずマッチしてるはずだし、変に自分が口出しするよりもお任せした方が絶対いい結果になるな…」と確信しましたし、上がってくる作品の出来に対しての期待や信頼も、より一層強くなりました。

そのバンドメンバーとは結局別件で大ゲンカしてバンドも解散したけど、かつてやってきた事が遂に活きた気がしました。

当時読んだ記事。モデルは ゆら さん
万年喪服さんのコーデの詳細は全然違うけどジャケットに関してはそれなりに似てるはず。
5年くらい前に読んだ雑誌なのに未だに手元にある事や記憶に残ってた事に、自分でもちょっと引いてる…


リクエストの詳細

実際に送ったリクエスト文がこちら

完全に限界オタクです、本当にありがとうございました

ここで公開することに対して恥じらいもありますがskebでダダ洩れですし、何かを検討してる誰かの助けになる未来や、自分が誰かに何かしらを指摘して頂ける可能性も考えて公開します。

承認される・されない以前に、とにかく「(自分だけじゃないにしても) 今までの活動で出来たファンの中に、コミッションの開始をとても楽しみにしてた人間がいること」だけはお伝えしたくて、その結果、(作品が注文以上の出来だったことから推察すると) 文章がちゃんと届いて承認までして頂けたこと自体が本当に嬉しかったです。



作品を見ての感想

「自分が持ってる鏡さんへのイメージを体現したものであると同時に、万年喪服さんの再解釈も含んでる鏡さん」が究極の形で仕上がったと思います。
いや、あまりの出来の良さと解釈の一致具合にビックリしすぎて頭がおかしくなりそう、というかなりました。さすがに…

うたた寝してた所に納品通知が届いて、飛び起きて見た瞬間もうコレですわ

全体の構図や要素に関して。

自分が万年喪服さんの作品を決定的に好きになったキッカケの作品
「あたしのこといつまでも気高くいさせてね」
と、その派生元 (?) になる関連作品
「あたし、いつまでも気高く在りたいの。」

これらの作品にあった要素の「ポートレートのような腰上からの構図」「綺麗なドレス」「正面から背中側に向かっていくショールやフリル」「豪華なアクセサリー」「背景の花」なんかが好きだったんですが…

いや、全部移植してきてくれてるじゃん!何コレ!??マジで!???

確かにリクエスト文に匂わせるような事は書きました。
ただ、万年喪服さんの作品には万年喪服さんだけの世界観がある事や、乙女個々人にも外見だけでなく内面の設定まである事をストーリーズでの投稿を拝見して理解してて、そこに自分や外部のキャラが踏み込むのは絶対に違うと思ってたので、あくまで "アクセサリー類についての話" としてお伝えしたつもりでした。

それが蓋を開けてみたらこの仕上がりで、言葉に出来ない気持ちになると同時に、自分が上記二つの作品を気に入ってた理由の一つが

「"この二人と並んでも絵になるくらいに煌びやかな服とアクセサリー" を
鏡さんに着せてあげたかったから」


だった事に今更ながら気付いて、ようやく念願が叶った事を自覚した瞬間に涙が落ちました。
(もちろんそういうの抜きにしても大好きな二つの作品ですし、今回の投稿にあたって見直していくうちに、更に好きになりました)


細かい話。

キリがないのでほどほどでやめますが、まずこの瞳まわり

ただでさえ万年喪服さんの目元や涙袋の描写が好きな自分にとっては、そこにパール (?) と、恐らく普段の作品ではあまりなさってない目尻側のシャドウの描き込みが入ったらもう最高です。
以前から「鏡さんは目尻側のラインを長めに取ると似合いそう ( "キャットライン" 的な感じ)」と感じてたんですが、何も伝えずともそうなっててココも完璧に解釈一致しました。
(そもそも万年喪服さんの作品全体でそういう描き方をしてる傾向はある気がするので偶然噛み合った可能性も高いけど)


次はアクセサリー・ジュエリー関係

凄い部分が多すぎて何から書くか迷いますが、まずはこのピアス。
(公式に沿うならイヤリングですが "逆に鏡さんが開けてないわけなくない?" とずっと思ってたので以降ピアスと表記します)

コレの何が凄いかって、鏡さんに花がモチーフのピアスを着けさせるのは界隈内の人間には絶対に出来ない発想だって点なんですよね。公式絵のメタルボールみたいなデザインのイメージが強すぎるのと、花に関しては公式がバラのイメージを押し出してたのもあって尚更…
仮に界隈の中に "万年喪服さんに画力が匹敵する人" がいたとしてもこれだけは絶対に思いつかないと思います。

続いて腕周りのレースグローブとジュエリー

いや、これ説明しなくても分かるよな?????
まず、指定してないにもかかわらずレースグローブを身に付けてる事に驚きました。便利に描けるツールとかもあるのかもしれませんが柄や繊維の繊細さが尋常じゃないうえ、公式絵でも着用してた事があることや、自分自身がレース自体のデザインや模様が好きなのもあって一目見た瞬間からドキドキしました。
お伝えしてない事まで全部ハズさず、的確にこちら側の趣味を射抜いてくる現象が一枚のイラストの中で何度も発生してる事にただただ震えるしかないです…

ジュエリーも、宝石と指輪の両方とも全てデザインや色合いが違ってて、手の込み具合に本当に驚かされました。実際の作画で消費する労力は万年喪服さんご本人にしか分からない部分ではありますが、普段の趣味絵や仕事絵を超えるくらいの熱があるような気さえしています。



嬉しかった事

(もし転載等での差支えがございましたら即刻削除しますのでご連絡下さい)

作業中の万年喪服さんのストーリーズの投稿なんですが、普段他の作品で作業工程を載せてる事はあってもこういった類の発言を見かけた覚えがないのもあって、クライアント/ファン としては
「楽しんで作業をして頂けること」
「自分の頼んだ題材を "最高の絵" とまで称して頂けること」
ほど嬉しい事は他にありません。



あとがき

以前から、自分が俗に言うところの "無産オタク" な事に関して引け目を感じていて「"本当に見たいイラスト" は自分で描けるようにならなきゃいけないのかもしれないな…」と思う瞬間が度々あって、今もその気持ち自体は残ってますが

  • 誰に依頼するかに関しては恐らくめちゃくちゃセンスが出る。(自分が万年喪服さんの事を知ってたのは書籍のおかげなので、もしディグる習慣がなかったら未だに万年喪服さんの事を存じ上げてない可能性が高い)

  • 今回は各種SNSやskeb上で「誰に頼もっかな~☆」的な軽いノリで探して見つけたとかじゃなくて、あらゆる意味で信用出来る方だと確信したうえで依頼した。

  • 結果、絶対に万年喪服さんにしか創れない作品が出来上がった

等の背景が今回に関してはあるので、後ろめたさとかは一切無いですし 依頼して本当によかった と心の底から思ってます。正直、ますます他の人に頼みたくなくなった


"こじらせ同担拒否異常男性" なので最初は匿名&非公開での依頼も検討しましたが、一ファンとして万年喪服さんが更に活躍していく支えになれればという気持ちもあり、全体公開+noteでの記事掲載という形を取りました。
skebは出だしが肝心という話も耳にしたので、自分の依頼した作品が万年喪服さんの今後の活動に繋がれば何よりも嬉しいです。

万年喪服様、この度はご多忙のなか素晴らしい作品を描いて頂き本当にありがとうございました。



まだ進行形の事柄もあるので、数週間~1ヵ月強の間で追記or別記事の投稿をすると思います。
ここまで読んで頂いた方もありがとうございました。














余談

以前ストーリーズで万年喪服さんが語られてた設定によると
「あたし、いつまでも気高く在りたいの。」
「あたしのこといつまでも気高くいさせてね」
の二人は、前者が「ママみが強い」後者が「気が強い」そうで、ちょうど鏡さんがその両方の性質を兼ね揃えてるあたり偶然の一致具合にビビり散らかしましたし、自分の趣味嗜好の一貫性にも変な笑いが出ました😂
今後も "貫徹するオタク" でありたい…

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