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週刊 ホテルお館新聞 Vol.8|~21.2.20

280億円!

Twitterだと途中で切れてるけど、Newspicksにコメントした内容は以下の通り。

たまたまだけど、グローバルチェーンのMarriottの赤字額と、リッチモンドホテルを擁するロイヤルホールディングスの赤字額がともに280億円(Marriottはもちろん円換算)。もちろんロイヤルはホテルだけではないけど、直感的に、Feeビジネスに徹しているグローバルチェーンと、賃料支払いのリスクを負う日系オペレーターの、何かあった時のダメージの食らい方の違いを象徴しているように感じる。

細切れのTwitterだと分かり難い、書き難い話をこちらに書いておきます。

例えば、年間の売上が3億円、GOP(ホテルの運営利益)が1億円の宿泊主体型ホテルがあったとして、グローバルチェーンと日系オペレーターのPLは以下のようになる。(オペレーターのフィーはGOPの15%、賃料はGOPの70%の固定賃料と仮定し、本部経費的なやつは無視する)

グローバルチェーン:売上(=フィー金額)15百万円、利益も15百万円

日系オペレーター:売上3億円、利益(GOP-賃料)30百万円(利益率10%)

これがコロナにより売上が1/3に、GOPが赤字(▲50百万円)になるとどうなるか?

グローバルチェーン:売上(=フィー金額)0円、利益も0円(本来は売上と連動するフィーもあるので、0にならないけど、長期的なオーナーとの関係を考えて、売上連動フィーを自主返納する事例も)

日系オペレーター:売上1億円、利益(GOP-賃料)▲1.2億円

通常の状態であれば、日系オペレーターの方が利益が多く出るけど、今のような状態だとGOPの赤字と賃料のダブルパンチを食らうので、Marriottと比較すると圧倒的にホテル軒数の少ないリッチモンドの赤字額が、相対的に大きくなる事象が起きる。もちろん、グローバルチェーンが賃貸借で出店している事例もたまにあるし、日系オペレーターが完全変動賃料やMCで出店している事例も多々あるけど、あくまでここはそれれぞれの典型だとお考え下さい。

"ヒルズの未来形"

麻布台はあまりいい場所だとは思わないが、向かいにあるアメリカンクラブも昔から好きな人が多く、なぜか賑わっているので(美味しいけどさ…)、ここもランチやディナーは強そう。

東京のアマンは世界で初めての都市型アマンだったけど、このジャヌとやらが、アマンとどう違うのか。ただ単に競合避止(同じブランドを同じ都市内や半径〇キロ以内で新しく出店するにはオーナーの事前承認を必要とするMCでよく見られる条項)を回避するための別ブランドなのか、ちゃんとアイデンティティを持っているのか。

レジデンスの方は普通にアマンを冠しているのを見ると、つい前者かなと思ってしまうけど、是非いい意味で期待を裏切って欲しい。

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お館様🏨
サポート→ホテルで使う→note→サポートというサイクルが回ると素敵ですね。