レベニューマネジメント(RM)用語
75語:2024年12月16日現在
RMの基本的な用語
レベニューマネジメント:Revenue Management
需要予測をもとに 販売を制限することで 利益の最大化を図る 体系的な手法
レベニューマネジメントとは、販売できる数に制限がある業態で売上を増やすために産み出された販売管理の方法。ホテル業界では販売できる数(客室数)に限りがあるので、客室数以上に需要がある場合には主に価格を引き上げることで売上増を狙う。逆に客室数を大きく下回るほどに需要がない場合は、主に価格を引き下げることで需要促進を図る。
レベニューマネジメントを導入することで、市場環境が変わらない状態でも3‐8%程度の増収が期待される。
もともとは航空業界発祥だが、ホテルや鉄道など「販売できる数に限りがある」業態に広がり、現在ではテーマパークや物販などの業態でも活用されている。
需要:Demand
商品やサービスを買いたいと思っているお客様の数。宿泊業界においては泊まりたいと思っているお客様の数のこと。
需要はインベントの有無や経済状況など様々な要素で変化する。
RMは需要予測の技術が確立したことで産まれたともいえる。
供給:Supply
商品やサービスをお客様に提供する数。宿泊部門においては客室数が供給数となる。単体ホテルにおいては増改築でもない限り変更ができない。
OCC:客室稼働率:Occupancy Ratio
客室総数に対して販売できた割合を示す指標。
OCC = 販売できた客室数 ÷ 客室総数 で計算される。
ホテル業界の管理会計として国際標準となっている「ユニフォーム会計システム」に基づく場合は下記の点に留意すること。
稼働率の分子である「販売できた客室数」にはハウスユースやコンプリメンタリーなどの無料で提供した部屋は含めない
無料で提供した部屋を含めない稼働率を「有料稼働率:Paid Room Occupancy」とも言う
稼働率の分母である「総客室数」からはエアコン故障などの日常的な故障部屋は差し引かない。
総客室数から差し引いて良いのは改装工事などの計画的な販売停止をした部屋数のみである
これを明確にするために、OperaなどいくつかのPMSでは故障部屋をOut Of Order(稼働率計算から除外する)とOut Of Service(稼働率計算から除外しない)とに分けて管理している
ADR:客室平均単価:Average Daily Rate
販売できた客室の平均的な価格を示す指標。
ADR = 客室収入 ÷ 販売できた客室数 で計算される。
ホテル業界の管理会計として国際標準となっている「ユニフォーム会計システム」に基づく場合は下記の点に留意すること。
ADRの分子である「客室収入」には朝食代などの客室に係る売上以外のものを含めない
ADRの分母である「販売できた客室数」にはハウスユースやコンプリメンタリーなどの無料で提供した部屋は含めない(OCCの計算と同様)
RevPAR:Revenue Per Available Rooms
OCCとADRを合わせた性質を持つ客室販売の成果指標。
RevPAR = 客室収入 ÷ 販売可能客室数
で計算される。
RevPARは ADR x OCC でも計算可能であるが 簡易計算と考えたほうが良い。客室収入 ÷ 販売可能客室数 で計算した場合と比べると、小数点以下の数値の取り扱いによってズレが生じる場合がある。
RevPARの意義は大きく2つある。
客室規模が異なるものを比較しやすい
OCCとADRを合わせた成果指標である
競合他社との売上を比較する場合、単純に売上だけを比べると、客室数が多い施設の方が有利になる。客室収入を販売可能客室数で割ることで「一室あたりの客室収入」が計算されるため、規模の違いをないものとして比較できるようになる。
販売可能客室数は、自社においても増改築により客室数が変動する場合や、閏年など営業日数に違いが出た際の比較でも有効となる。
レベニューマネジメントによって客室価格を高頻度に変更することが当たり前となったホテル業界では、OCCやADRだけを持って営業成績の良否を判断できなくなっている。
客室料金を50% 割引で OCC 100% になった場合と、正規料金(または最大料金)で OCC 50% になった場合では売上は同じになる事からもわかるように、ADR, OCC のどちらか片方では上手く販売できたかどうかの指標になりにくい。
これらの理由から、RMではRevPARを重要な成果指標として扱っている。
売上予測:Forecast
売上予測であるフォーキャストはRMにおいて2つの重要な意味を持つ。
販売制限のトリガー
増収策を取るための判断基準
客室料金の変動を中心とした「販売制限」を変更するトリガー(きっかけ)として、RMではフォーキャストを用いている。需要に応じた販売制限を行うのが基本的なRMのフローであり、フォーキャストは需要を具体的な数値にしたものと言える。
また、日々の販売制限だけでは予算達成が難しい場合など、ホテル全体で増収に向けた対策を検討する方が望ましいが、その要否を判断する材料としてもフォーキャストは重要となる。
フォーキャスト実施の推奨は下記の通り。
頻度:週1回
対象月:当月+先3ヶ月
目標(許容)誤差:±3%以内
フォーキャストの公式は下記の通り。
Forecast = OH – Wash + Pick up
OH: オンハンド
Wash: 主に団体予約の減少
Pick Up: 主に個人予約の増加
販売制限:Restrictions
フォーキャストに基づき売り方を変えること。及びその手段。
変えるべき売り方は「客室料金」の変動が中心ではあるが、他にも下記のものを挙げることができる。
在庫(オーバーブックの有無や程度)
泊数(1泊を取らない、最大泊数を制限するなど)
団体などマーケットセグメントの事の受注可否
Market Segments
市場を細分化して捉える単位のことで、本来はマーケティングの用語。
戦略を立てる基本的な単位であり、実績の把握や分析の重要な単位となる。
RMでは最低限「個人」と「団体」を分ける方が良い。
数値管理に使う用語
KGI:主要目標達成指標:Key Goal Index
目標が達成できたかどうかを簡単に把握するための指標。
ホテル業界では売上・RevPARやGOPをKGIとして設定することが多い。
KPI:主要業績評価指標:Key Performance Index
KGIが結果の良否を判定する指標であるのに対し、KPIは過程の良否を判定する指標である。ホテル業界ではKGIとしても使う売上・RevPARやGOPに加え、OCC・ADRなども使用される。
Actual
「実績」の意味。
Budget
「予算」の意味。
「現在上手く行っているかどうか」は、前年との比較ではなく予算との比較で考える必要がある。その主な理由は下記の2点である。
予算は前年の傾向を元に戦略を加えて作られる
→ つまり目指すべき状態=予算は前年と異なっている本年と前年では条件が異なる(競合が増える、特別なイベントがある)
OH:On Hand
「現在持っている予約」の意味。
OTB (On The Book : オンザブック)と呼ぶ事もある。
団体の仮予約をOHに含めるホテルと含めないホテルがあるが、(後述のReservation Statusが機能している事を前提に)仮予約をOHに含める運用が推奨。
MTD:Month To Date
当月の1日からその日までの合計。
YTD:Year To Date
その年の1月1日からその日までの合計(累計)。
1月1日から前月末日までの合計の場合もある。
(Room) Revenue
客室収入のことで、宿泊部門の主な達成目標であるとともに、RevPARやADRなどを算出にも使用する。
キャンセル料や朝食代金など客室以外の売上は含まない。
GOP:Gross Operating Profit
ホテル業界特有の利益指標。
売上総利益(粗利)と営業利益の間にある利益指標で、簡単にいうと「GMがコントロール可能な費用を差し引いた利益」であり、ホテルオペレーターの実力を示す指標となっている。
GOPPAR:GOP Par Available Rooms
GOPを総客室数で割った成果指標。
RMが売上から利益を重視する傾向に変わってきたことを受け、RevPARの上位概念として重要視されるようになってきている。
RN:Room Nights
販売できた室数を表す。ORN(Occupied Room Nights)と書くほうが国際的
OOO:Out of Order
故障部屋。主に設備の不良などを原因に、販売できない状態である客室を示す言葉で厳密には2種類を想定している。
稼働率計算の分母から除外するもの
改装や特別清掃などの理由で販売不能となる部屋で予算上考慮される
稼働率計算の分母から除外されないもの
客室の汚損や設備不良などの日常的な理由で販売不能となる部屋
PRS:Person
人数の意味で PAXや # of guests とも表記される。PAXはもともとは航空業界でpassengersの俗語として使われ出した。Coverも人数の意味でレストランを中心に使われている。
DOR :Double Occupancy Ratio
1室当たりの宿泊人数を指す。宿泊人数を販売できた客室数で割ったもの。
日本国内の宿泊施設のほとんどは、1室あたりの利用人数によって料金を変える「人数あたり料金」の方式をとっている為、人数が多いほど客室料金も高くなる。この為DORはADRの高低を説明する変数と見ることができる。
DOR値の小数点下の数値から、2名以上の利用客の割合を類推する事も出来る。(例:DOR1.4 の場合、2名利用客の割合は40%と類推できる)
この判断基準は、1室当たりの収容人数が3以上となる旅館、トリプルルームやフォースルームの構成比率が高いホテルには当てはまらない1.
DORの同意語には下記のものもある。
同伴係数
APPR(Average Person Per Room)
Density
MOR(Multiple Occupancy Ratio)
LOS:Length of stay
平均滞在日数の意味で、販売客室数をチェックイン数で割ることで計算できる。
国内ビジネス利用客、海外客はLOSが長く、国内レジャー客はLOSが短い傾向がある。国産PMSではチェックイン数が表示されない物も多く、算出が難しい。
滞在中は簡易清掃とする施設も多く、LOSの長いお客様はリネン費などのコストが低くなるため、GOPの変数としての注目度も高まっている。
Inventory
もともとは「在庫」や「棚卸し」の意味だが、宿泊部門では総客室数を言う。狭い意味では各販売経路に設定する在庫数をいうこともある。
Available Rooms
販売可能客室数。総客室数から計画的な販売停止部屋を除いた部屋数。
Forecast Accuracy
予測の正確さの意味で、需要予測の精度がどの程度のものかを評価する、RMにとって重要な指標。
Forecast Accuracy = ( Actual - Forecast ) / Actual で計算される。
目標(許容)誤差は前月末のForecastが当月の実績に対して±3%以内(RevPARを対象として計算する)だが、ホテル企業毎に異なる。
Commission
販売手数料。旅行代理店(AGT)やOTAに支払う手数料のこと。
大まかにいうと、直接販売<国内OTA<国内AGT<海外OTA の順で手数料は高くなる。
Distribution Cost
それぞれの予約経路を利用するために必要な費用のこと。
その主な例は下記の通り。
AGT:販売手数料
OTA:販売手数料+クレジットカード決済手数料(一部例外あり)
自社サイト:サイト維持費+自社サイトの広告宣伝費
電話予約:受付人件費
Net ADR
ADRから手数料やディストリビューションコストなどを差し引くことで、チャネルごとの費用を加味したADR。利益率から
Net RevPAR
Net ADR x OCC で計算される、販売手数料を差し引いたRevPAR。より利益に近い数値になるため、利益率を重視するレベニュー・マネージャーが重要視している。一方で手数料は条件ごとに細かく変わるため算出が難しい面もある。
RGI:Revenue Generating Index / RevPAR Generating Index
RevPARを競合と比較し優劣を判定する指標。
競合を含めたPevPARの平均値を100とし、自社のRevPARがどの程度になるかを判定する。100を超えていれば市場(実際には競合との比較)の中でRevPARが高いと判断する→つまり上手く販売出来ていると言える。
RGI = 自社のRevPAR / 市場平均のRevPAR
OPI:Occupancy Penetration Index
稼働率を競合と比較し優劣を判定する指標でRGIの稼働率版。
OPI = 自社の稼働率 / 市場平均の稼働率
API:ADR Penetration Index
ADRを競合と比較し優劣を判定する指標でRGIのADR版
API = 自社のADR / 市場平均のADR
RYI:RevPAR Year on year Index
RevPARの成長率を示す指標で、亜欧堂独自呼称。
RGIが「競合と比べて今上手く販売出来ているか」を表す指標であるのに対し、RYIは「競合と比べて前年より上手く販売出来ているか」を表す。
RGIが高くRYIが低い場合、「今は競合よりRevPARは高いが、競合の方が去年より上手く販売出来ているので、この状態が続けば逆転される可能性がある」と考える必要がある。
RMの論理に関連した用語
LT:Lead Time
宿泊日と予約日の間の日数を指す。
海外客>国内レジャー客>国内ビジネス客の順にリードタイムが短くなるなど、お客様の種類によって異なるため、販売戦略の開始時期などに重要な示唆を与える。
Booking Window と書くこともある。
Booking Pace
予約がどの時期にどの程度増加するかといった傾向。
Booking Curves
Booking Paceをグラフ化したもの。グラフ化することでBooking Paceを視覚的に捉え判断を容易にできる。
Kick In Point
Booking Curvesの中で、急激に予約が伸びだすポイント(時期)を指す。Kick In Pointは1つのBooking Curvesの中で複数見られることがある。またKick In Pointが早いほど需要が高い傾向にある。
Partial Inventory
供給量の調整が効かない在庫のこと。
ホテル業では客室数、宴会場数、レストランのテーブル数等の供給量を一旦決めると、需要に合わせて供給量を増減することが出来ない。この様に供給量の調整が利かない在庫のことをPartial Inventoryと言う。
Unconstrained Demand
「制約のない」需要の意味。供給(客室数など)の制約を受けない純粋な需要を指す。
Yield
「収益」の意味。Yield Management は RM と同じ意味だと思ってよい。
Yieldable
施設側の意思で、任意のタイミングで価格や在庫などの販売方法を変更できることを指す。
TOD:Type Of Day
共通の傾向を示すように分類されたそれぞれの日(パターン)。月別・曜日別に検討すると分類しやすい。
単純にRevPARの高低だけで分類せず、団体の有無などマーケットミックスの観点からも分類する方が良い。
需要予測や販売戦略の単位として使用されるRMの重要概念のひとつ。
Wash
予約が変更や取消により減少すること、及びその数。主に団体で使用する。
Pick Up
新規予約等により今後入ってくる予約のこと、及びその数。
Reservation Status:予約区分
予約の状態を主にリスク管理の観点から分類したもので、単にStatusともいう。海外では個人予約にもReservation Statusが設定される。
団体予約では、日本と海外では商習慣が異なる為、日本用にアレンジしたものを使う方がよい。宴会用のStatusも団体のものに準じる。
推奨する団体用のReservation Statusは以下の通り。
Inquiry:仮予約
正式な予約ではないが予約者からの要望により客室を押さえた状態
受注の可能性を(A〜Dなど)段階的に評価する方が望ましい
Tentative:催行確定
予約者から正式に利用意向を確認できた状態
Definite:最終決定
宿泊:ネームリストを入手する等、利用する客室数が決定した状態
宴会:最終見積もりを提出した状態
取り消しもReservation Statusに含まれ、さらに3種類に分類されている
Denial
「否定」の意味でホテルからお客様の利用を辞退料金が折り合わない、他にもっと良い案件があった場合など
Turn Downともいう
Regret
「残念」の意味でお客様からホテルの利用を辞退競合に流れた、案件が中止された場合など
Turn Awayともいう
Cancel
催行確定以降にお客様から利用を辞退した場合
Over Book
予約を持っている客室以上に販売する事。
意図しないオーバーブックはお客様にご迷惑をおかけするため、発生させてはならない。
一方で、団体を中心にWashも発生する為、Washを見越して宿泊日以前では意図的にオーバーブックを発生させて満室に近づける事が出来る。
Type Over
特定の客室タイプで、持っている部屋数以上に予約を受け付ける状態。
意図しないタイプオーバーは以下の観点からさける必要がある
ADRが上昇し難くなる
フロントオペレーションの効率が下がる(チェックインの際のお客様への案内など)
一方で、低需要時には意図的にタイプオーバーさせ販売価格を低く保つ事で販売客室数の増加を図る事が出来る。
販売方法に関する用語
Open
制限を設けずに販売する。
Closed
販売を停止する。
Minimum Length of Stay
最低泊数を決め、最低泊数に達しない予約を制限する(断る)。
需要が特に強い日の前後の日のOCC維持に効果がある
Closed to Arrival
到着禁止の意味でその日にチェックインする予約を制限する。
需要が特に強い日の前の日に対して効果がある。
国内OTAが対応していないためあまり普及していない。
Hurdle Rate
最低販売価格。
RMでは需要に応じた最低販売価格の調整が最も大きな効果があり重要視される。
Pricing
販売価格決定に関する戦略。
マーケティングの基礎であるマーケティングミックスにおける重要な要素。RMでは最低販売価格の調整方法と、販売開始時点での価格設定方法が重要となる。
Dynamic Pricing
変動料金とも言い、需要予測や予約状況に応じて、同一の商品であっても販売価格が動的(ダイナミック)に変動する料金体系。
RMの下位概念とも言える。
Rate Parity
Parityとは「公平」の意味で、すべての料金・すべての予約経路において、予約方法の手段を問わず、お客様が予約問い合わせを試みた時点で同じ料金を提供するという料金設定方法。
Single Image Inventoryともいう。
独占禁止法の観点から、OTA各社が強くパリティを求めることはなくなっているので、戦略的にパリティを崩して販売することもアリになっている。一方で意図しないパリティの崩れは想定通りのブッキングペースが得られにくいため、避ける方が良い。
Rate Fences
より安価な商品や価格を、顧客が購入しない状態に誘導する技術。
安価な商品に予約可能時期やキャンセルポリシーなどの制約条件を付けて実現する。
Channel:予約経路
主な予約経路は以下のとおり
AGT: Travel Agent
旅行代理店を指す
国内(Domestic)と海外(International, Overseas, etc)に細分することもある
OTAに対して「リアルエージェント」と呼ぶ人もいる
OTA: Online Travel Agent
インターネット予約サイトを指す
Cyber AGTやWEB AGTの呼び方もあったが、OTAに収束している
Channel Management
予約ソース・チャネルの管理・操作を指す。
ホテルは販売できる量に「総客室数」の制限があるため、需要が強い日には手数料などのコストが高いチャネルを閉めるほうが望ましい。
ROH:Run Of House
部屋タイプを指定しない予約を受ける事。
個別の予約をどの部屋タイプに割り振るかはホテル側に一任されるため、タイプ毎のコントロールが楽になり、その分安価で販売していることが多い。
Channel Conversion
手数料がより安価など、ホテル側に取って有利な取引条件の予約経路(主に自社サイト)にお客様を誘導する戦略をいう。手数料は AGT > OTA > 自社サイト の順に高い為、自社サイトに誘導する事で手数料を削減できる。電話予約から自社サイトでの予約に誘導するのもチャネルコンバージョンである。
Best Rate Guarantee
チャネルコンバージョンの戦略のひとつで、自社サイトが最も安価になる様に販売価格を設定し、お客様に最低価格であることを保証するプログラム。国内でも大手ホテルチェーンから旅館まで広く普及してきている。
単に最低価格であると「宣言」するだけのものから、違約時にはペナルティを払うなど最低価格を「保証」するものとに分かれる。
AGT Block
旅行代理店には「一定の部屋数を販売する権利」を提供する必要があることが多く、その部屋(または部屋数)のことをいう。
単に「ブロック」や、「Allotment(アロットメント:分配・割り当ての意)」とも言う。
Availability
RMでいうAvailabilityは「販売可能な」という意味で、特に指定のない場合は販売できる客室数を指すことが多い。
Availability = 総客室数 – 故障部屋 – OH RN – (AGTなど)消化予測 + (団体など)Wash予測
お客様の種類に関する用語
個人予約
1名~8名程度の少人数での予約を指す。また、団体予約の対義語でもある。
団体予約
10名程度の多人数での予約を指す。
RMにとっては、減少するリスクを管理すべき対象として捉えられる。
団体の定義は宿泊施設によってまちまちだが、概ね以下のタイプがある。
10室以上
室数を単位とする点で、RMと最も親和性が高い。
15名以上
人数を単位とする点で、旅行代理店などの定義と親和性が高い。
団体料金
団体料金を使用するものを団体と定義する方法で、営業実績の把握には向くが、予約管理上は好ましくない。
指定型
旅行代理店などから「団体」と指定された場合に団体と定義する方法で、予約管理上は用いてはならない。また、団体は日本の商習慣では一般的に個人予約より料金が安いことを利用者から求められがちである。
Inbound:訪日外国人旅行客
広い意味では「海外からのお客様」をさすが、狭い意味で「アジア圏からの募集型団体旅行」を指して使われることもある。
Outbound
海外への旅行客
Complimentary
「無料の」という意味で、主に営業活動上の目的からお客様に無料で宿泊していただくこと。
House Use
業務上の何らかの理由により従業員に客室を無償で利用させること。
団体管理に関する用語
Escort Tour:募集旅行
AGTがお客様を「募集」する団体旅行の形式。
AGTの集客が十分でないとキャンセルになることがあり、集客の状況把握や催行されるかどうかの見極めが重要となるなど、そのほかの団体(一般団体と呼ばれることが多い)とは異なる管理をした方が良い。
仮予約期限
まだ正式な予約でない「仮予約」を受け付けた際に設ける期限の事。
Cut Offということもあるが、Cut Offは期限までに連絡がない場合、強制的なキャンセルをすることが付随していることが多い。
Wash Ratio
予約室数がどの程度減少するかを示す割合。
団体、特に募集旅行のように予約時点で確保する客室数と実際の利用する客室数に大きな差が出やすいものは、Wash Ratioを把握する必要がある
催行率
予約件数がどの程度減少するかを示す割合
こちらにないRM用語の解説ご希望があればコメントにお書きいただければ、後日追加しておきます。