キンクスについて
キンクスは大好きなバンドである。昔はフーの方が好きだったが、今はキンクスの方が好きかもしれない。
キンクスを知ったのも、高校2年の夏に行ったイギリスでのホームステイがきっかけだった(noteに書いてて分かったが、ホームステイきっかけで俺は色んなバンドを知った)。当時の俺のホームステイ先には、俺たちのクラスを教えるための助っ人のイギリス人教師も一緒に滞在していて、彼はミックという名だった。歳は多分40代くらいで、週末は自分の家に帰り、平日だけ俺のホームステイ先で生活しているという感じだった。
他の記事にも書いた通り、俺はイギリスに来たことで舞い上がり、地元のマーケットでイギリスのバンドのCDをよく買っていた。それを知ったミックがある日、「よかったらこれも聴いてみなよ」とCDをくれた。それがキンクスのベスト盤だったのだ。
CDをもらい、聴いた当初は、キンクスがイギリス四大バンドの1つであることは知らなかったし、なんなら60年代から活動してるなんてことも知らなかった。1曲目は『You Really Got Me』だったのだが、最初のあのギターリフを聴いた途端、「すげえ音だ!」と思った。なんというか、良い意味で荒くて汚い音だった。途中のギターソロも勢い一発みたいな感じで、潔くてすごく気に入った。2曲目の『All Day and All of the Night』もそんな感じだし、聴き進めていくと『Till the End of the Day』みたいな哀愁のある曲や、『Waterloo Sunset』のようにとにかく美しい曲もあった。たくさんの魅力的な曲に溢れていて大好きになった。
帰国後、キンクスのアルバムを買いたいのだが、住んでいたど田舎には売っておらず、大学で大阪に出てきてからはその恨みを晴らすべくほとんどのアルバムを購入した。全キャリアを通じて好きだが、特に好きなのは『The Kink Kontroversy』『Something Else』『Arthur』である。とくに『Something Else』はものすごく完成度が高くて大好きだ。
キンクスに関するエピソードで好きなのが、ジョン・ライドンが言ったという言葉だ。当時、PILのレコーディングが難航しており、誰かがライドンに「キンクスみたいにやったらどうだ?」と言った。そしたらライドンが、「一体、いつの時代のキンクスのことだよ?レイ・デイヴィスの奥深さを知らないくせに!」と言い返したそうだ。俺からすると、ジョン・ライドンも超天才ソングライターだけど、そんなライドンからも尊敬されるレイ・デイヴィスってすごいなと思った。