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メルヴィル『白鯨』阿部知二訳について
1ヶ月かけてちまちま読み、読み通した。難解と聞いていたが、読み通すこと自体はそれほど難しくなかった。
事前にYouTubeで解説動画を見ていたのだが、その前情報通り、登場人物たちが捕鯨をしているシーンは少なく(肝心の白鯨が出現するのも物語の最後半)、ほとんどが船の構造や鯨の生態に関する記述であった。読み始める前は、この辺は適当に読むか、なんなら読み飛ばそうと思っていた。しかし、読み飛ばしてみると、話がよくわからなくなったので、結局飛ばさず読むことにした。
読み終わって思うことは、この無駄だと思われる部分こそ、『白鯨』を名作たらしめてるんじゃないかということだ。定説では、だらだらと続く船の構造や鯨の生態に関する記述は、捕鯨航海の退屈さ(いつでも鯨に出会えるわけではない)を表しているらしい。それもあると思う。しかし、よく読むとこういった部分になにやら示唆的なことが書かれていて、結構読んでいてハッとさせられることがあった。
もし『白鯨』をこれから読もうと思っている人には、自分は全部をしっかり読むことを勧めたいと思う。
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