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【助産師監修】帝王切開と産後の過ごし方

 医療の進歩と共に、帝王切開で生まれる赤ちゃんは年々増えてきています。帝王切開のレポートをSNSで発信するママも増えていますが、帝王切開と産後の過ごし方について助産師から説明を受けられる機会はまだまだ多くありません。
 そこで今日は帝王切開と産後の過ごし方について解説していきます。


🎀帝王切開の術後

 まずは手術当日の流れについてみていきましょう。
 朝から手術に向けて点滴をし、弾性ストッキングを履いて準備をします。帝王切開は、早ければ1時間程度で終了する手術です。手術開始時間は、予定されていた時刻よりも前後する可能性があります。
 ママと赤ちゃんの体調が問題なければ、手術室で赤ちゃんが産まれて、すぐに手術台の上で赤ちゃんと対面することができます。

 手術が終わりお部屋に帰ってきた後は、翌日までベッド上で寝たままで過ごします。この間ゆっくり眠りながら回復する方も多いですが、体調が安定していれば、家族とお話ししたり、赤ちゃんと対面して過ごす方もいます。
 痛み止めはいくつかの種類が用意されていることが多いため、痛みに合わせて医師と相談しながら使っていきます。痛み止めは、痛みが強くなる前に使うと効果的なので、我慢せずに積極的に使っていきましょう。
 手術当日は無事に出産を終えられた安心感と共に、ゆっくりお休みされることをおすすめします。

🎀帝王切開の翌日

 帝王切開の翌日は、朝から少しずつ活動を始めていきます。ベッドの背もたれを起こして座りながら、お顔をホットタオルで拭いたり、歯磨きをしていきます。水分摂取とお食事も再開していきます。

 日中は早速歩く練習をしていきます。「手術翌日に歩けるの?」とビックリされる方も多いですが、早めにベッドから起き上がり、歩き始める事が体の回復に繋がります。お腹の傷の痛みもありますが、痛み止めを活用しながら頑張って歩いていきましょう。

 ここでトイレまで歩けることが確認出来たら、おしっこの管を抜くことが出来ます。その後体調に合わせて麻酔の管や、点滴も抜くことが出来るので、大分身軽に感じられるでしょう。

 体調が安定している方は、歩く練習が終わって午後から赤ちゃんのお世話を開始する場合もあります。ただし、まだ傷の痛みは続いているので、助産師がサポートしながら授乳や、おむつ交換などを始めていきます。
 赤ちゃんに直接授乳をするのが難しければ、搾乳などで母乳の分泌を促すケアをすることもできます。

🎀帝王切開の翌日~退院まで

 帝王切開では、おおよそ6日前後の入院期間となります。体調に問題がなければ、術後3日目頃には麻酔の管や点滴が抜け、シャワーも入れるようになります。
 お傷にはまだ縫い合わせた糸やホチキスがついていますが、怖がらずに泡でやさしく洗いながら綺麗に保つことが大切です。

 ここから退院までは、体調に合わせて育児の指導を受けていきます。赤ちゃんの着替えやおむつ交換、授乳、沐浴などの基本的な育児の方法から、退院後の生活に向けたお話など、様々な指導があります。

 自然分娩の場合と同様に、基本的には1日中赤ちゃんと一緒のお部屋で過ごしますが、術直後ですので体が辛い場合はスタッフに赤ちゃんを預けてゆっくりお休みすることも大切です。

 また、緊急で行う帝王切開では赤ちゃんがNICUに入院する場合も多いですが、その場合でも助産師のサポートのもと母乳育児にトライしたり、赤ちゃんと過ごす時間を作ることも可能です。

 概ね退院前日頃に、術後の体の状態を見る退院前診察があります。赤ちゃんも経過が順調であれば同時に退院診察があります。ここで問題なければ、無事に退院となります。


🎀帝王切開の退院後の生活

 退院後は、経過が順調であれば自然分娩の場合と同様に日常生活を送ることが出来ます。お傷の糸やホチキスも、2週間健診や1か月健診などで外すことが出来ます。

 ただし、帝王切開の前後で出血量が多かったり、高血圧になってしまったり、お傷に感染があったりなど、健康状態に問題がある場合は、産後の回復もゆっくりになりやすいです。場合によっては長期間入院が必要となる方もいます。

 その場合は、ご家族のサポートを受けたり、前回の記事でご紹介した「産後に活用できるサービス」をうまく使いながら、体の回復を優先しつつ無理なく育児をはじめて頂けたらと思います。



 今回は、帝王切開と産後の過ごし方について解説していきました。一口に帝王切開と言っても、手術から産後までの経過は1人1人のママと赤ちゃんによって大きく変わってきます。だからこそ、産前から不安な気持ちを持たれる方も多いですよね。
 しかし、助産師のサポートや産後のサービスをうまく活用して、「1人で頑張らなくていいんだ」と思えると、不安な気持ちも少し軽くなれるのではないかと思います。是非、周りにたくさん頼りながら、育児を楽しんでくださいね。


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