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川崎拠点営業終了のごあいさつ

 HOTEL CAFUNEは2022年5月より「川崎キングスカイフロント東急REIホテル」と提携し、ホテル・イン・ホテル形式でサービスを展開してまいりましたが、同ホテルとの物件契約が終了するため、川崎拠点での営業を終了することといたしました。これまでご宿泊いただきました皆様に心より感謝申し上げます。拙文ではございますが、支配人である山野と副支配人の萩原(助産師)よりご挨拶をさせていただきます。

8/30に行った公式の発表

2022年5月15日、コロナ真っ只中に弊ホテルは開業いたしました。当時は「産後ケア」という言葉すらまだ認知されておらず、妊娠・出産という大きなイベントを迎えたご家族には、里帰り又は自力で頑張るという2択しか認知されていないような状況でした。そこで第3の選択肢として我々が力になりたいと思い、約2年半もの間たくさんのご家族をサポートさせていただきました。HOTEL CAFUNEの大きな特徴である少人数制で一人一人にオーダーメードの宿泊を届けることにこだわり、たくさんの赤ちゃんがHOTEL CAFUNEを卒業していきました。

 開業当初は至らない部分も多く、コロナ禍ということもありご迷惑をおかけした部分もたくさんありました。そして産後ケア業界自体がまだ新しく、業界の基準なども定まっていない中で全てをゼロから作り上げることは、決して簡単なことではありませんでした。
 そんな中でも志高く全国から集まってくれた助産師、看護師、保育士、ベビーシッターなどのスタッフは医療や保育という全く別の業界からホテルに飛び込んできてくれました。異業種チームの道のりは平坦なものではなく、時にはそのギャップに苦しむこともありましたが、スタッフはどんな時でも赤ちゃんとそのご家族のことを一番に考えて行動してくれました。
 2周年の記事でも言及をしていますが、「私たちは滞在中の今だけでなく、ご家族の先の人生を見据えて関わっている」とスタッフが伝えてくれた時、彼女たちのことを本当に誇らしく思いました。これからの何十年をかける育児ですから、もちろんここに滞在している数日のことだけではなく、お家に帰ってからもそのご家族が笑顔で過ごせるような提案を行うことをスタッフ全員が意識しています。

 一般的なホテルでは、1泊や2泊など短期間の滞在をされる方がほとんどですが、ここでは皆様長期間滞在されます。お客様とたくさん関わって関係性を作ることができるということは、ホテリエにとってはこの上ない喜びです。そして助産師としても病院では出産後約5日間で退院される方が多い中、その後のお客様を医療者としてサポートができることは本当に嬉しいです。
 皆様チェックアウトされる際には、来られた日よりお顔が明るくなっていらっしゃいますし「第二子の時も絶対にきます!」とお声をいただくことを多く、大変光栄に思っております。また共通ラウンジというお部屋に落書き帳として設置したノートがあるのですが、いつの間にかそこには滞在されたご家族が残してくださったたくさんの嬉しいメッセージがありました。そんな出会いがたくさん生まれたことは、HOTEL CAFUNEの宝物です。

お客様からの素敵なメッセージ

 実は産後ケアホテルに泊まることは、台湾や韓国では当たり前の文化です。日本でも近年少しずつ産後ケアの施設は増えてきましたし需要が高いのは肌で感じておりました。しかしお客様と話していると、課題となるのはやはり費用面。我々のSNSには「贅沢できて羨ましいです」といった声も少なからず届きます。そのような声に応えるためには、行政と手を取り合うことも大事なのではないでしょうか。4月にはこども家庭庁より「産後ケア事業、自治体への補助上限を撤廃する」と発表されました。まだまだ地域に降りてきていないのが実態ではありますが、確実に未来は明るいと感じています。
 高級品だった携帯電話を今はほとんどの人が所持しているように、結婚式や披露宴をすることがメジャーになってきたように。産後ケアが贅沢品ではなく当たり前になる未来を作っていきたいと思います。

 川崎キングスカイフロント東急REIホテルを拠点とした営業は休止いたしますが、ブランド自体が終了するわけではございません。今後につきましては、具体的な方針が決定次第ご報告させていただきます。

 つきましては、これまでご利用いただきましたご家族や応援していただきました関係者の皆様に感謝を伝えるべく、ご利用者様限定とはなりますがささやかな『HOTEL CAFUNE Farewell Party』を行います。詳細については追って対象のお客様にご連絡をいたします。

 末筆となりますが、こんなにも皆様に愛される施設になったのは、ひとえに支えてくださったお客様お一人お一人のおかげでございます。これまでHOTEL CAFUNEを頼ってくださり、皆様のサポートをさせていただき本当にありがとうございました。HOTEL CAFUNEを卒業した赤ちゃんの健やかな成長を願っております。

HOTEL CAFUNE
支配人 山野莉央
副支配人(助産師) 萩原千夏


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