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スタビライザーがうるさいやつは オレんとこへこい

オレのもうるさいけど心配すんな
あんまりうるさいなら外しちまえばいいんだよ!

……というわけで、この記事の趣旨は以下2つです。

  • スタビライザーの静音化

  • スタビライザーのせいでキーキャップが交換できないキーボードの救済



注意事項(必読)

  • 改造対象は ロープロファイル のキーボード、かつ 薄型 キーキャップ

  • さらにユーザがスタビライザーを自力で撤去できる機種

  • 分解したキーボードは電波法にひっかかるため、有線で使いましょう

  • 打鍵感がかなり変わるのでネタMOD、もしくは最終手段としてご覧ください

  • 試す方は 自己責任 でお願いいたします


改造の経緯

むかしむかし、ロープロファイルキーボード界隈に Keychron K3 v1 という子が住んでいました。当時のロープロはまだ選択肢が少なく、K3ちゃんは世界初のホットスワップ対応薄型キーボードとして皆に愛されておりました。

ところが、K3ちゃんにはひとつ困ったところがありました。
Cherry MX対応を謳っておきながら スタビライザーの形状が特殊 だったのです。

これではお気に入りのキーキャップに交換できません。
K3 v1を購入した人たちは悲しみました。
しかも製品付属のキャップはABSでできており、長くは使えません。
K3 v1を購入した人たちは困りました。
ちなみに後継機では、スタビライザーの問題は改善されました。
K3 v1を購入した人たちは暴れました。最初からそうしろや。

海外ではキーキャップを自作したり、キーキャップとスタビライザーの接点をやすりで削る猛者もいましたが、キーキャップってなかなか硬いんですよ(試したんかい)。
そんなわけで「どこのご家庭にもある物簡単 に」をスローガンに、このネタMODは誕生しました。


用意する物

  • スタビライザーを撤去するために必要な道具と知識

  • シリコンタイプの イヤーピース (サイズは問わない)

  • マスキングテープ

  • はさみ

  • 何者にも乱入されない時間


手順

1.キーボードからスタビライザーを撤去する
使用する道具はメーカーによって異なると思われるので適宜ご準備ください。外したスタビライザーは捨てずにジップロックなどに入れて保管しましょう。
Keychron K3 v1は分解動画をメーカーが公開しています。
https://www.youtube.com/watch?v=hVZ6Sy1rGLU


2.スタビライザーを外した穴をマスキングテープで塞ぐ
埃の侵入を防ぐために全て塞いでください。
またネタMODを装着する箇所は、イヤーピースがマスキングテープを押す形になるので、破れないよう 重ね貼り してください。キーボードの土台とテープの色を合わせると目立ちません。

家にある物だけでなんとかしようとした雑の見本

写真の状態で2年使用していますが、特に不具合はありません。


3.キーキャップの両端にイヤーピースをはめる
本来はスタビライザーで支える箇所を、イヤーピースが代わりに支える形になります。
なお、スタビライザーで支えているキー全てにこの加工を行う必要はありません。スタビライザーが無いと、ぐらつくキーだけで十分です。
Keychron K3 v1の場合、~2uまでのキーはスタビライザーがなくても支障ありませんでした。自分はスペースキーのみイヤーピースを装着。
Enterキーはどのあたりを押すかによって変わってきます。キーの端を押す場合はつけた方がよいでしょう。

スペースキーにイヤーピースを取り付けた状態


4.はさみで微調整する
まずキーキャップとキースイッチの高さに合わせて、イヤーピースの軸と傘の部分をカット。軸はキーキャップの高さと同じぐらいに。傘はイヤーピースをつけたキーをキーボードに取り付けた状態で、他のキーと同じぐらいの高さになるように切り揃えます。
その後はキーボードにキーを取り付けてから実際に押してみて、抵抗が強ければ 傘の部分に切れ目 を入れます。切れ目の数によって、キーを押した際の抵抗が変わります。

押下圧30~40gのキーボードのスペースキーで、これぐらいの切れ目

さらにキーの抵抗を減らしたい場合は、傘の一部を切り取って 歯抜け の状態にしてください。

赤丸の箇所が歯抜け

キーがぐらつかず、なおかつちょうど良い押し具合になったら完成です。



完成

このキーキャップ使いたさのあまり魔改造されたKeychron K3 v1

打鍵感はそのまんま「くにゃ」です。
「コトコト」や「スコスコ」好きには当然おすすめできません。
繰り返しますが、ルブやHolee MODでは満足できない方、スタビライザーの音がどうしても気になる方、K3v1に泣かされた方の最終手段とお考えください。
小さく切ったスポンジなどでも代用できそうな気はします。

なおイヤーピースの抵抗の分、どうしてもキーが重くなります。ホットスワップ対応のキーボードなら、押下圧の低いキースイッチへの交換も視野に入れてみてください。


補足

  • イヤーピースよりキーキャップの方が高さがあるとこの方法は使えません

  • スタビライザーの撤去ついでに、キーボード内部に空間があればウレタンなどを仕込むとさらに静音化できるかもしれません。ウレタンが厚すぎると、スイッチによってはキーが押せなくなる可能性もあるのでご注意を。
    Keychron 光学式スイッチ、おまえのことだ

  • 軸が太すぎるイヤーピースは使えない可能性あり

  • 一発でうまくいかない可能性が高いので、イヤーピースは複数個準備してください。市販イヤホンに付属する、サイズが合わないイヤピたちの出番だ!


Keychron勢向け補足

  • 自分がK3のスタビライザーについて調べたのは2年程前です。その後もっとスマートな解決法が編み出されていた場合はゴメンナサイ

  • ロープロファイル用のKeychron 光学式スイッチの場合、一番の音源はスタビライザーより ステムのぐらつき だと思われます

  • ステムの底が当たる箇所とバネで戻ったときに当たる箇所に加えて、ステムの側面がぶつかる箇所 にもハンドルブしてみてください。メーカーが公開している打鍵音の動画より飛躍的に静かになります

  • Keychron K3 v1で上述のハンドルブ+ケース内部にウレタン+スタビライザーを撤去すると、リニアなら「ココココ」とか「トトトト」といった音になります。ほぼ底打ちの音しかしません。カチャカチャ音が苦手な方はお試しください


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