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AX (AI eXperience & AI Transformation) とCAIO という仕事

この度、くふうカンパニーのCAIO(Chief AI Officer・最高AI責任者) に就任ました舘野です。インターネット上ではセコンや @hotchpotch と呼ばれています。
20年弱ほどソフトウェアエンジニアや上場企業&ベンチャーのCTOとして、直近の2年ほどはデータサイエンティスト(Kaggle Competitions Master🥇🥇🥈)として過ごしていました。

なお、同時にくふうカンパニーの共同代表に家計簿アプリZaimを制作・運営してきたZaim社代表の閑歳孝子(@unicco)が就任となり、会社全体がAI方面に舵を切り出しました。なぜAIに全力で取り組むことになったかの背景は、以下の閑歳の記事をご一読下さい。


CAIO は AX = AI eXperience & AI Transformation に責任を持つ

さて、CAIOという役職名はあまり馴染みがないですね。CAIOは直訳すると「最高AI責任者」ですが、組織によって役割は異なってくると思います。例えばAI搭載製品の開発責任者かも知れませんし、AI研究部門のトップかもしれないですね。私の組織くふうカンパニーでのCAIOの役割は「会社のAXに責任を持つ」だと思っています。

AX = AI eXperience & AI Transformation

AXは二つの意味を込めて作った造語です。一つはAI eXperience、もう一つは AI Transformation です。

AX のAI eXperience は、UI/UX におけるUX的な意味合い

一つ目の AI eXperience とは、UI/UXにおけるUXと同じような意味合いで使っています。UI/UXでは、プロダクトを通してどんなユーザ体験(UX)を提供するかが真に重要で、UIももちろん大切ですがあくまでUXを実現するためのUI。

ではAI/AXという背景でこの用語を用いたとき、そもそもAIとAXは何が違うのでしょうか?

AI/AX の AI は手段・AXはAIを活用した大切にしたい体験

AI/AX も UI/UXのUXが最重要なことと同様に、AX(AI eXperience = AIを活用した体験)が大切であって、AIはあくまでAXを実現するための手段だと考えています。

ここのAIという言葉は、技術としてのAI・ML(機械学習)関連技術、データ収集〜統計的データ分析といったデータ利活用、それをプロダクトや実務で活用するためのMLOpsやデータエンジニアリング各種といった、広い範囲でのAI(≒データサイエンス領域に近い)という意味で使っています。

例えば、人工知能学会「AIマップβ 2.0 (2020年6月版)」によると、AIによる解決が期待される課題の一例として、以下のような課題を挙げています。

人工知能学会「AIマップβ 2.0 (2020年6月版)」より引用

これらの課題解決手段としてのAIも非常に大切で、AXをいかに描いてもAIを用いて活用できる力がないとAXが実現できないことも多いでしょう。また逆説的ですが、手段としてのAIでどのようなことができるかを知らないと、そもそもAXを描くことすらできない場合もあると思います。

なお、昨今のChatGPTを初めとした大規模言語モデル(LLM)が非常に革新的だと感じるのは、手段としてのAIの使い勝手が格段に良くなり、かつ活用のシーンを誰でもイメージしやくなったため、AXでの価値提供を専門的な知識がなくても考え実現できるようになったことでしょう。機械学習や自然言語処理等々の専門技術を分からなくとも、ちょっとAPIを叩けばAXで価値を提供できてしまう。素晴らしいですね。

ただその先に、例えばLLMと企業内外のデータをどう結びつけ提供するかや、既存のデータサイエンス技術と組み合わせてどう活用するか、等々の様々な専門分野と組み合わせることで初めて提供できるAXも沢山あるでしょう。

そのため、手段としてのAI(技術やデータ利活用)を適切に扱える力を組織が身につけ、必要なデータを蓄積したりしていきながらも、手段と目的が逆転しないように、大切なAX(AIによる体験)を当たり前に考えてプロダクト価値として提供できるような組織を目指していきたいです。

AX = AI eXperience


AI Transformation はDX(Digital Transformation)のAI版

プロダクトの価値をAIで提供をするAX(AI eXperience)のお話は先ほどいたしました。では二つ目の AI Transformation はDX(Digital Transformation)のAI版という意味で使っています。

DX(Digital Transformation)はデジタル技術を用いてより良い社会にしていくこと。デジタル化するによって、既存のワークフローをより素早く効率化したり、既存事業自体をデジタル化することで新しい事業へ変革することであったり。AX(AI Transformation)はDXのAI版という意図で使っています。

イメージしやすいところでは、例えばChatGPTをワークフローにうまく組み込むことで業務効率を上げたり、AIと対話することで考えの幅を広げたり。ソフトウェア開発の簡単なプログラミングは生成AIに任せたり。この辺はChatGPT便利だな、と思った人はすぐにも思いつくことですし、実際にすでに実践されている方々や組織も多いと思っています。

AX のAI Transformation は、人の力を最大化するAI活用

さまざまな社会において人の力を最大化するAI活用、それがAX(AI Transformation)なのかなと。

たださきほど挙げたような例は初めの一歩だと思っていて、さまざまな業務やプロセスで「人にしかできない」ことを発見し、それ以外はできる限りAIを活用して、人は本質的な課題解決を行える組織が、真にAX化ができている組織なのかなと。

まだまだAXの組織作りは正解事例も無い話なので難しいですが、そのような組織を目指し、試行錯誤して真のAX(AI Transformation)ができる組織づくりに歩みを止めずチャレンジすることが大切だと思っているので、組織のAX化も進めていく予定です。

AX = AI Transformation

CAIO の仕事

私が考えるくふうカンパニーにおけるCAIOの責務は、この2つのAX ( AI eXperience & AI Transformation ) に責任を持ってAI領域の組織や事業を成長させていくことです。

これから AX でユーザーへの価値提供と、それを実現する組織づくりをどのように行っていくのか、まだ正解が無い未来のことを考えるため、未知数な事が多すぎて正直なところめちゃくちゃ楽しいです。

技術に限って言っても日進月歩で発展し続けるLLMとその周辺技術、更に既存のデータサイエンス全般を組み合わせたりくふうカンパニーグループ全体のデータ戦略をどう練るのか、等々発想や夢が広がるばかり。

実現したいプロダクトのAX(AI eXperience)をどのように作っていくのか、人の能力を最大化できるようなAX(AI Transformation)を組織でどのように実現していくか等々、これから挑戦すべきことは山ほどあるだけにやりがいがあります。

「くふう」で暮らしにひらめきを、を届けるためのユーザーファースト

くふうカンパニーの企業理念

くふうカンパニーグループでは、「くふう」で暮らしにひらめきを、の企業理念の実現のために、ユーザーファーストの価値観を大切にしています。これからその実現のためにも、2つのAXをうまく「くふう」しながら推進していけたらと思っています。

この2つのAXの実現のため、まずグループ内にAX推進室を発足しました。今はまだエンジニア数名の小さなチームですが、私たちと一緒にユーザーファーストの価値観を体現し、新しい価値を創り出していきませんか?絶賛採用活動中ですので、興味がある方はご連絡いただけると幸いです!

※以下の求人はZaim社へのリンクとなっていますが、Zaim社とくふうカンパニーグループの開発会社 Da Vinci Studio 二社が2023年7月に合併し「くふうAIスタジオ」に社名変更予定です。




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