見出し画像

箔押ししおりをデザインさせていただいた

デザイン過程だけ見たい方は「しおりデザイン案出し」から読んでください。


きっかけ


私はただのデザインド素人ですが、「この方の本の装丁がしたい!」と思うことが多々あり、それ故に最近の目標が「やらせてほしい方の装丁を手掛ける」でした。

そんな中、憂理さん(@Irislily921)に
「人様のデザインやりたいんですよね、できれば憂理さんのもやらせてください!」
と話したのを覚えていただいて、しおりデザインやってもらえませんか、とお声がけいただき、喜び勇んで飛びついたわけなのですが……
デザイン初心者には中々貴重な体験だったのでアイディア出しから、気が付いたことまでせっかくならば記載しようかなとおもい記録に残しました。画像掲載許可は頂いております。(本当は自分の装丁備忘録をつくりたいんですがめんどくさくて人様のものならできると頑張った)

コスモテックさんのしおり!!?

1月下旬に「箔押しおり作りたいんですがデザインお願いしてもいいですか(要約)」というメッセージを受け取りました。
前に箔押ししおりを作りたいのでデザイン頼んでもいいですか?、とはいう会話はあったものの、本当にやらせてもらえるとは思わず。おまけに天下のコスモテックさん!!?本当に私でいいんですか?、と喜びと怯えのまま「やりたいです!」と返信しました

ただし、この時3月イベントの本原稿などがあり、2月の中旬以降入稿後にやらせてほしいと依頼。
一応入れて欲しい要素の確認を行い終了。(そのついでに、再度「ご本の装丁もやらせてください」と催促も忘れなかった)

原稿、推しのイベント、しおりデザイン

まさかの被り。でも、どれもやりたかったので強行突破。とはいえ原稿などがあまり順調ではなく、中旬に連絡予定が下旬に引き延ばされてしまい、憂理さんにはかなりハラハラさせてしまったと思ってます。(すみません)

デザイン案出し

自分の原稿が完全入稿で来た直後から、「knights要素」「シンプル」「箔映え」を元にデザイン出し。
正直、何も思い浮かばず、翌日になって苦しみながら考え、
・今まで出した本の要素を強めに出したもの
・knights要素を強く出したもの
これをもとに考えようと弄り回しました。でも正直正解が見えず、一部未完成のまま4種類元案出しして、吐き気をこらえながらメール。この時点で入稿締め切り4日前。本当に申し訳ないです。

以下メール本文抜粋(一部文字変更)
① knights要素と憂理さんのご本のモチーフ入れ込み
② ①の飴を抜いたもの
③ knights要素っぽい感じのみ(枠内に何か入れたいのですが今は思いつかず)
④ knightsイベをモチーフ(こちらも空いている中に何かを入れたいのですが・・・)

最初のデザイン案

シンプルとは無縁のデザイン!今見てもないな……というものはさておき、この時点では本命が選ばれるだろうと思っていたのでこの時は、デザイン気に入ってもらえるだろうかという不安と一緒に、後は二色用にデータ作成すればいいな~とか思ってました。全くもって甘い考えですね。

デザイン元案選出

その日に返信があり選出されたのはまさかの④でした。
空白部分に何を入れるか考えていなかったため冷汗が止まらなくなり、慌てて即、モチーフにしたイベントカードをずっと眺めては、何か要素として入れられないか考えてました。推しのカードですらこんなに見つめた事はなかったぐらいずっと見てました。
取りあえず出てきたのは
・特徴的なシャツの柄
・宝石
これを入れ込んで1案出しました。
でもあまりしっくりこず、リボンも特徴的なのでリボン組み込みで1案。
そして、無意識に面倒で避けていたあらゆる要素の入れ込み
・靴
・手袋
・ベルト装飾など
これらをそのまま入れるとデザイン意匠を盗用してしまうと思ったためデフォルメ、簡略化して入れ込みで1案作りました。
正直、気に入ってもらえるかこの時点でも不安が募り、デザイナーさんの心臓の強さってすごいな……とこみ上げる吐き気と闘い翌日メール。

以下メール本文抜粋(一部文字変更)

①イベのイヤリングの形を混ぜた宝石ちりばめ、シャツの模様のようなものをいれたもの(上下の装飾を線だけにするか中に色を付けるか/上下に箔押しライン入れるか迷い…)
②イベに出てきたモチーフをちりばめたもの
③①をアレンジ(上部分とロゴ部分が寂しい気もするので何か入れるか?)

~この中であと少しで使えそうならば指示(②枠を取って、など)して頂ければ修正します。

④をもとに作った三種、ベースの宝石は一緒でもわりと毛色が違う、と自分では勝手に思っている

最終デザイン選出と指示確認

流石に選出に時間がかかり、ここでも本命は選ばれず驚きながらも選ばれた②の指示確認。
「枠有り、フルールドリスの有無について悩んでいる(要約)」との事だったので、ここからレイヤー分けして印刷所指示のカラーにてデータ作成。(ここまで1レイヤー作成してたので……)
コスモテックさんは以前パチカのキャンペーンでお世話になったので、デザインまんまの線の細さでも行けると踏んでデータ作成。見づらいですが、リボンの枠線と中色も分けてますし、まわりに飛ばしたキラキラも小さめです。(普通の印刷所にこのデザインや線の細さで頼むと絶対に断られます。コスモテックさんはもっと細くても余裕あり。)

最終データ

フルールドリスの有無について気にされていたので有り無しでデータ作成して、その日中に納品。翌日には入稿されたと一次連絡。その後問題なく受理されたと二次連絡があり、ようやく息が吸えるようになりました。

1ヶ月後ほどの報告で、出来上がったしおりの画像と動画見せてもらったんですが本当にかわいくて……コスモテックさんの技術力のおかげだな~とながめてました。

初めて人様のデザインをさせていただいて

まずは、日程の見積もりが甘い、それに尽きます。
入稿ギリギリでのやり取りになってしまって本当に申し訳なかったです。忙しい中返信何度もさせてしまって申し訳なさでいっぱいでした。

あと最初はウキウキだったんですけど、始終プレッシャーがすごい事になってました。
・時間がないのに案が全く出てこない
・気に入ってもらえなかったらどうしよう
こんな気持ちでいっぱいでしたが、メールの返信いただく度に、すごく優しい言葉を添えて頂き本当にうれしかったです。本当に、こんなプレッシャーに耐えられるデザイナさんの心臓すごい。

また今回、自分が最良と思ったデザインがその方にとって良しとは限らないんだな、という気付きを得ました。
最初から最後まで、自分の本命もしくは、自分ならこっちを選ぶ、はハズレまくってたので……(後程の本の装丁でも同じことが起こるんですが)
あとシンプル要素が全くなかったんですが、これは「人様のものなら可愛くしたい!」という私の我が出てしまったためです。結果良かったようなので安心ですが、オーダーはちゃんと守ること、ですね。

最後に。案を出しすぎたので、選ぶ側にも負担が大きく、今後は【最初に2案(最大3案)→1案】にしていきたいなと思いました。(友人にもそれは指摘された……)

今振り返ればプレッシャーが大きく、自分でもやらせて欲しかった方のデザインなので、依頼してくれた気持ちに応えられるのか、という不安がすごかったです。こんなこと引き受ける前は想像もしていなかったです。
ただ、そういったものをすぐに忘れてしまうたちなので、楽しかったな~という記憶が強く残り、本の装丁の際も同じ苦しみを味わうのですが、まあ、これは性格とかそう言った部分になるかと思います。
ただ、憂理さんがとても優しくて、デザインするのが楽しかった記憶が強くなったのと、純粋に決まり始めたデザイン組むのはすごく楽しかったので、今後はやらせてほしいなという方のデザインをたまにやらせてもらえたらいいな~という気持ちになっています。

出来上がったしおりは憂理さんのTwitterにて公開されております。そちらの掲載許可を取っていなかったのでこちらには載せてません。
ぜひ観てみてください。(その際何をモチーフにしたかも考えてもらえると嬉しいです)

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