方便を話すには。
筆者は東京の大学を出て直ぐに大阪で就職しました。習ったこともないのに急に会計・税務の世界に入り込んだこともあり、それで最初の1年は方言と専門用語で留学生並みに言語の壁にぶち当たっていました。
関西弁は特に、独特の抑揚があって、こっちもその波に乗って返事をしないと、東京弁みたいな平坦な返だと、相手が作ってくれた伴奏かを無視しているみたいな感じになるので、どうにかして私も関西弁風の返をしなくてはと考えていました。
そんなある日、西宮から梅田への阪急列車の中で、電車の中の人々の会話を聞いている時に、あることに気がつきました。
会話の中に助詞がない、ということです。
例えば、「今日みた漫才はとても面白かったですよね」と言いたい時、関西圏では「今日みた漫才めっちゃおもろかったやんなー」となります。
助詞がなくなると文法の繋がりが見えにくくなるので、それを会話では、抑揚をつけて話すことで、意味が通るようにしています。助詞がなくなって、ちょっとアンバランスになるので、最後の「やん」とか「やろ」とかつけることで、バランスとってる感じです。
もうちょっと出してみるとこんな感じ。
標準語「今朝、会社にいこうと思って家を出たら、途端に雨が降ってきたんです。」
関西弁「朝会社いこ思って家でたら、途端雨降ってきてん。」
ちなみに、特に大阪の人は効果音が大好きです。
そこを組んでさらにそれっぽくするとこんな感じ。
大阪弁「朝会社いこ思って家でたら、ブッシャー感じで雨降ってきてん。」
更にちなみに、大阪の人、効果音つけて情景を表現するの大好きです。なので、こういう話題を振られた時に、更にその惨状を表現する返しをすると、楽しく乗ってきてくれます。
「うーわ、ほんまや、ぐっちょぐちょー」
「ドッロドロやで、ほれみてみぃ」
こんな感じです。
東京の人がよく、関西弁を真似して話すも、うわ、マジキモいわーって言われるのは、大体の場合、この助詞ルールが守れていないことが多いです。
「僕もこの漫才のネタが好きなんですねん。」
みたいんな感じです。(助詞あり+語尾をつける)
以上です!