ほっちのロッヂの「エミリー」ってこんな人。#メンバ紹介 #一問一答
—— 自己紹介をお願いします。
唐川恵美子(からかわ・えみこ)です。ほっちのロッヂには 2020 年の 4 月から「文化企画担当」ということでやってきました。
—— ほっちのロッヂに来たきっかけを教えてください。
ほっちのロッヂに来る前は、東京や地元福井の文化施設でスタッフを経験しました。そこで、普段本格的な芸術に触れるというのが難しい状況にある人にどうやったら出会えるかを考えていた時、ほっちのロッヂができると聞き、軽井沢に来ました。
詳しくはこちらの記事でも詳しく語っています。
—— 文化企画の活動で柱としていることはありますか?
1つは地域の人と関わるきっかけになる企画をすること。もう1つはアーティストの創作活動を支援することですね。
ほっちのロッヂは医療福祉ケアを実践する拠点であり、ケアの営み自体をクリエイティブな表現の一環として捉えていこうという目標を持っています。そもそも表現とは何かと考えた時に、身近なところでいろんな角度から表現に触れることができればと思い、アーティストの創作活動を現場の日常に組み込んでいます。
—— 「文化環境設計士」にはどんな想いが込められているんですか?
文化環境という言い回しには、アーティストによる本格的なアート表現から郷土料理のような生活文化、私たちが訪問先で出会う、障害や病気と共に生きていく上で生み出された暮らしの知恵まで、あらゆる文化的な営みを身近に感じられる環境という意味を込めています。軽井沢のまちの人にとって、ほっちのロッヂで働く人にとって、そういう環境が身近にあるようにデザインしていくことを大切にしています。
—— 文化って、伝統とか型みたいなものをイメージしがちですが、実は日常のあれやこれやが文化であり、日々作られているものなんですね。
そうだと思います。昔は家で家族を看取ったり、おじいちゃんおばあちゃんの世話をしたり、食事を助けたりみたいな事って日々の暮らしの中でやっていたことだから、本当は文化だったんですよね。
でも、今は一般の人から見たら、ケアの業界って近づきがたい専門家集団みたく見えている。文化としてのケアという時に頭にあるのは、ケアがどんどん専門的な方向に閉じていかないように、暮らしの中にケアの営みを取り戻すということです。そういう動きを楽しみながらしていきたいなと思っています。
—— 医療やケアの専門家集団と共にあることにハードルはなかったですか?
新しい仕事を覚える感覚で楽しんでいますね。他のメンバーのような専門職と同じ目線で判断することはできないけれど、仲間たちは私の一意見も尊重してくれる感じがします。
専門性や一般論もふまえながら、その人自身のことも考えるからこそ、いろんな意見があって、いろんな議論がある状態を水準高く保っていく。そういう文化をほっちのロッヂの強みにしていきたいですよね。
ほっちのロッヂで働く文化を深掘りした企画「クリエイティブカルテ」では、コミュニケーションをベースにしたケアの現場ならではのアプローチにフォーカスしました。
—— これからしていきたい活動はありますか?
私のここでの目標の一つは、終末期の人たちのケアにアーティストと共に関わることです。すごく個別性が高くて、最短では数日しか関わりがない方もいる中で、医療職以外の人たちに何ができるかを考えていきたい。
ロッヂのちゃぶ台を囲んで交わされる訪問先でのエピソードはとても彩り豊かで深みや重みがあって、すでにそれ自体が表現活動ではあるんですけど、ここにアート活動が関われるとしたらどんなに豊かだろうと思うんです。「文化芸術は不要不急」と言われたコロナの時代を経て、アーティストたちの表現が命にかかわる余地もあると示していきたい想いもあります。
家でのお看取りは、みんながすごく大事にしている関わりの一つだから、その文化を形にして継いでいくために、私も現場を共にしながら時間をかけてプロジェクトをやっていきたいと思っています。
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最後までお読みくださり、ありがとうございます。
あの人に届くと、もしかするといいかもしれない、そんなことが頭に浮かんだならば、ぜひ教えて差し上げてください。
ほっちのロッヂにご興味のある方は、よければ、ご友人に直接話をしてくださったり、このnote記事に「スキ」、ツイッターなどSNSでシェアしてくださると、嬉しいです。
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ほっちのロッヂ
info@hotch-l.com
話し手:唐川恵美子(エミリー)
聞き手:今井麻菜美(いまちゃん)
写真:伊藤順幸(のぶ)
文責:藤岡聡子(さとこ)