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シオンが空を飛んだ。いや、泳いだ。ゼロイチどころか、ゼロ百体験から私たちが見た世界。
私たちがシオンと出会ったのは、2020年6月のこと。まだ1才で、病院から家に戻って来たばかりのシオンは、人見知りで、小さくてやわらかかった。
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はじめてロッヂに通った日。
お母さんと「バイバイ」をしてちょっと悲しかった日。
はじめて友だちができた日。
遊びに夢中になっているうちに、はじめて寝返りしちゃった日。
胃ろう交換をがんばった日。
はじめて筆をにぎった日。
家族にプレゼントした日。
お気に入りの音楽を見つけた日。
初めて見学に来た10ヶ月の子が泣いていると、「大丈夫だよ!」と言わんばかりにボールを投げて遊んでくれている。顔には、余裕と優しさが溢れている。その子がうまくボールを投げられた時は、拍手で歓迎。シオンには、大きな力がある。
シオンには大きな力がある。私たちはそれを信じて一日一日の出会いと発見を積み重ね、シオンは5才になり、このたび空を飛びました。
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エアリアルパフォーマーのHiROKO(ヒロコ)さんにサポートされ、空高く飛び上がる。
去年12月に開催されたムーンナイトサーカス2023 in さく公演で、上空4メートルで空中芸エアリアルパフォーマンスを披露したシオン。
カラフルな衣装とエアリアルティシューに包まれて力強くからだを波打たせる演技は、まるで空を泳いでいるよう(ダイジェスト動画内、シオンの挑戦は6分39秒~7分39秒まで)。
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全身を大きくくねらせて、練習の成果を存分に発揮する!
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約5分間、空中を波打つ小さなからだから発せられるエネルギー。その日観客席に集まった300名近くのお客さんからの大きな拍手と歓声から、そのエネルギーが会場全体に伝わっていったのが感じられます。
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ギタリストの川崎さんも、やさしく見守る。
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実はシオン、4メートルもの上空に上がったのは、本番3日前のリハーサルがはじめてでした。まわりの心配をよそに、上空で大きな声をあげてはしゃぐシオン!ここでシオンのソロステージ実現が決まったのです。
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はじめてのことに挑戦する「ゼロイチ体験」。
シャイな(はずだった)シオンが大勢のお客さんの前で自分を表現する挑戦が、ここから始まったのです。
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「小さいのにがんばっている」
「できないと思っていたことができて、すごい」
年齢や状態、その人が抱えるハンディキャップをふまえた感動の描写は、どうしても「○○なのに」という逆説から始まりがちです。そうした描写には、「弱い立場にある人たちにはできない」という暗黙の了解が前提になってはいないでしょうか。
症状や状態、年齢じゃなくって、好きなことをする仲間として出会おう。
あのステージを観ながら、きっと多くの人はシオンがバギーに乗っていたことや、エアリアルに乗るのに抱っこが必要なことは忘れて、シオンから伝わってくる「こうありたい!」というまっすぐなメッセージを受け取っていたはず。シオンには、私たちの同情や心配をはねのけてしまう、大きな力がありました。
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後日談。
アトリエ活動に集まってきた子どもたちが、「シオンくんのサーカスみたよ〜!みんなでできるかな。」とサーカスを再現してくれました。
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シオンのゼロイチ体験は、あの瞬間を目撃した一人一人の「ゼロイチ体験」となって、みんなの「ゼロ百体験」になっていくのです。
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自分らしく挑戦して、自分らしく生きていく。その支えの一つにケアがあり、表現活動がある。ケアする・される関係を超えて、私たちはこれからもシオンと同じ目線で、まだ見ぬ世界を見にいきたいです。
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さいごに:
この記事では、私たちが長くかかわってきたシオンにフォーカスを当てましたが、各界で活躍するプロのパフォーマーに支えられ、一般公募で選ばれた「つながるキャスト」一人一人に大きな挑戦がありました。機会をみて、紹介していきたいと思っています。
このステージのために尽力くださった、演出の金井ケイスケ氏をはじめパフォーマーの皆さま、「つながるキャスト」のご家族・ご友人の皆さまに、改めて御礼を申し上げます。
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🎥つながるサーカスキャラバン2023 ダイジェスト映像
(撮影・編集:輕井澤二十四節気)
📢今年もやります!つながるサーカスキャラバン2024
ほっちのロッヂでは今年も、一般公募オーディションを経て「ムーンナイトサーカス」公演まで走り続ける連続企画をバックアップしていきます。詳細は5月中旬に発表。ぜひご注目ください。
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寄付収入:計6万9,200円
・佐久公演「+1(プラスワン)チケット」…2万2,500円
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・松本公演「+1(プラスワン)チケット」…2万2,500円
・松本公演 当日カンパ…1万5,682円
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ほっちのロッヂ
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書き手:唐川恵美子(エミリー)
タイトル写真・公演写真:矢萩篤志
文責:藤岡聡子