釣り未経験ですが釣りに詳しいです
いや、まあ嘘なんですけど……タイトル詐欺かな?
今回から始まりました、先生の3段ボックスというマガジンシリーズ。初回は何にしようか迷ったけど気持ちが新鮮なうちに!ということで記事にしました。
今回紹介するのは男子高校生の青春SF釣りアニメ、「つり球」!
Amazonプライムにて配信中のかつてのノイタミナ枠アニメです。放送は2012年、先生はこの時思春期真っ盛りだったな〜。
制作はA-1 Pictures、さっぱりとした絵とパッキリとした色遣いでゆる〜いアニメかと思いきや結構「えっ?!今の作画何?!?!」とびっくりさせたりする緩急のすごいアニメです。
簡単なあらすじ
主人公の男子高校生・ユキは両親を亡くし祖母と二人暮し。祖母の仕事の関係でユキが引っ越してきたのは湘南・江ノ島。
新天地で上手くやろう、と思っていたユキは緊張したりプレッシャーを与えられると言葉が出ず、顔が強ばって般若のようになってしまうという欠点があった。
転校先の高校でも転入の挨拶すら上手くいかず……かと思いきや、もう1人の宇宙人を名乗る転校生・ハルがユキに水鉄砲を打った途端、なぜかユキはクラスのみんなの前で江ノ島踊りを踊っていた?!
人見知りで自分に自信の無いユキにいきなりゼロ距離で絡み出すハル。ユキの家にまで押しかけて一緒に暮らすことになる程押しが強いハルには目的があった。
ハルはユキに「釣って欲しい魚がある」と頼み、ユキは「釣りなんてしたことないから無理だ」と断る。
しかし、結局ユキはハルの「人を操ることが出来る」という謎の能力で脅され、釣りを始めることになる。
それがつり球の物語のはじまりある!
ハルとユキに釣りを指南する同級生であり、かつて釣り王子として名を馳せたナツキと宇宙人であるハルを監視するインド人25歳男性・アヒルのタピオカを連れて歩くアキラを交え、4人を軸にストーリーは進んでいきます。
それぞれが抱える問題や障害や葛藤を「ハルがユキに釣ってもらいたい魚とはなんなのか?」「釣りをしたことがない男子高校生が釣りをできるようになるのか?」「釣りの魅力って何?」なども掘り下げつつ、色んな角度から描いている。
特に、宇宙人であるが故に地球の常識が通じず、ユキと衝突しては「なんで怒ったの?」と不思議に思うハルがハルの祖母・ケイトに疑問を投げかけたり、約束を交わしたりするシーンは胸を打たれるものがある。
ハルが宇宙人っぽさの強い前半から人間を理解し寄り添おうとする不器用な「ひと」になりつつある後半。随所でケイトと交わした約束がハルをこの地球に繋ぎ止めている……と感じるシーンが多いです。
私が好きなのは夏休みの回!
夏休み、ナツキの知り合いの船長の船が開催する沖釣りツアーのスタッフとしてバイトすることになったユキ・ハル・ナツキの3人。
最初は船に立つこともままならず、注意されていたタモ(網)の扱いを失敗して壊してしまったりお客様に怒られたり船長に励まされても落ち込むユキだったが、少しずつ船の上に立てるようになり、一番最初に魚をひきつける役目を引き受けたりと大きく成長する姿が描かれた話。
男子高校生の成長はあっという間で、きっかけがあれば無限に伸びるんだなって思ってその若さと美しさと尊さに先生は号泣しました。(今も書きながら涙が出てきた)
つり球ではルアー釣り(魚の張形を魚のように見せかけて釣るやり方 エサが不要だが技術が必要)を紹介しているのですがこの釣りもすぐに上手くなるわけではなく、ルアーの結び方も分からなかったところから徐々に成長していきます。
最初はナツキのルアー以外はルアーを追うようなカメラの動きは無かったのに、それがどんどん狙ったところに投げられるようになったユキのルアーを追っていく演出に変わった時は嬉しくて嬉しくて……!
夏休みのバイトのきっかけも最初は釣りなんか出来ないと言っていたユキが自分の竿が欲しくて購入の見積もりを立てるところがスタート。それくらい楽しくて堪らない!っていうのがしっかり伝わってきます。
彼らが魚を釣れると本当に我がことのように嬉しくて、釣れなくて悩む姿を見るとがんばれ!と思わず応援してしまう。
そして、ユキは話の最後に「今日の出来事」を振り返って1人身悶えたり反省したりするシーンがあるのですが、それがまた……わかりすぎてわかりすぎて……。
そんな細かなキャラクター描写まで素敵なアニメ、釣りという題材やいわゆる萌え絵とは程遠いキャラクターデザインではありますがとってもとっても楽しくて素敵なアニメなのでぜひ観てみてください。
ちなみに先生の推しはナツキ!モサモサの髪の毛に黒縁メガネ、三白眼気味の瞳と人に厳しい態度で接する気難しい男かと思いきや妹思いのお兄ちゃんで自分が認めた人間には優しいツンデレ。そして話の後半ではなんと髪型が変わるんですがもうその姿がドツボで先生の性癖を狂わせたヤバい男です。よろしくお願いします。