オバはん、タケコプターを拾う🙀
オバはんがリハビリのため、外歩きを始めた頃、家から150メートルのところにあるベンチが目標だった。1日に300メートルを歩いた。
そして、1往復、2往復、と距離を延ばしてきた。
春になって、リハビリの保険適用期間も延長され、今はベンチを通り過ぎ、1日に2キロも歩けるようになった。
この日、オバはんはベンチの横で「タケコプター」が落ちているのを見た。
「あ! タケコプター!」
(だから、竹とんぼだってば)
これまで曲がらなかったヒザも100度を達成したオバはん。
ゆっくりとヒザを曲げ、手を伸ばして拾うことができた。
タケコプターをベンチの肘かけに置いた。
オバはんはタケコプターを救出したことに満足し、ベンチから離れた。
いつもの道を1キロくらい歩き、またベンチのところまで戻ってきた。
「あっ!!」
誰かが「風に飛ばされないように」と思ってやってくれたらしい。
オバはんが置いてから30分後のこと。
そして、次の日。
今度は雨を心配した人かな。
みんなきっと一度手に取って、何かつぶやいて、ちょっと笑みを浮かべて、置き直してくれたんだろうな。
タケコプターを介して、知らない人たちとコミュニケーションってやつ?
ふふふ。
タケコプター、持ち主の手に戻るといいね。
🐱(だから、「竹とんぼ」だって言っているのに)