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猫💬 「オバはんが怖いのは1センチだって」
オバはん、骨折後のリハビリ、150日の制限が延長され、178日目。
傷めているのは左手首と右ヒザなので、患部を結ぶとちょうどカラダの斜めを通る線が引ける(引かないけど)。
そのため、歩く時のカラダ全体のバランスが崩れやすくなるんだ。
その点も視野に入れた歩行練習をしてきた。
リハビリでは1キロのウエイトをコップに見立て、口元まで持っていくトレーニングが始まっていた。
「グラスを左手で持ち上げて飲み物を飲む練習ですよ」と理学療法士さん。
さらに手を頭の上まで持っていけるように「肩甲骨の運動」も。
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オバはんはリハビリが進み、ゆっくり春の道を歩けるようになった。
歩いていると、気づくことや思い知らされることもある。
外を歩くのは本当にうれしい。何ヶ月も病院と家の中で過ごした身には、格別の喜びがある。150メートル先のベンチ歩行から練習を始め、今は1日に2キロくらい歩けるようになった。
外に出ると段差もあちこちにある。
その中で、5センチ以上の段差は、慎重に昇降するか、避ければいい。
でも、怖いのは1センチ。
「自分の身に起きないとわからなかったこと」が、たくさんある。
桜の根が持ち上げてる波打った道、あちこちにある1センチの小さな段差。
歩道なのに後ろからギリギリで追い抜いて行く自転車。
これらは皆、オバはんだって半年前には気にもとめなかったことだ。
そして、今のオバはんには段差に見える「点字ブロック」。
複雑な気持ちになる。
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