草間彌生とは何者なのか〜意外と知らない水玉以外のこと〜
草間彌生さんは日本を代表するアーティストであり、日本でも海外でも非常に有名ですし、「水玉の作品」のイメージはあるけれど、いったいどんな人なの?どんな作品があるの?どういった人生を歩まれてるの?といった疑問にこの記事では答えていきます。
経歴
1929年
長野県松本市にて、裕福な旧家の4人兄弟の末っ子として生まれる。
10歳の頃より水玉と網模様をモチーフに絵を描き始め、水彩、パステル、油彩などを使った幻想的な絵画を制作。1948年
京都市立美術工芸学校(現:京都市立銅駝美術工芸高等学校)の4年生最終課程に編入して日本画を学ぶ。しかし、写実を重んじる伝統に馴染めなかったという。1957年
書店で目にしたアメリカの女性画家、ジョージア・オキーフの画集に魅せられ、彼女に手紙を書き、丁寧な返事をもらう。28歳で両親を説得し渡米。1960年代後半
ボディ・ペインティング、ファッション・ショー、反戦運動など多数のハプニングを行う。
セックスに対するオブセッションを、ソフト・スカルプチャーとして「克服」し、作品化した。
1966年
第33回ベニス・ビエンナーレに参加し、「ナルシスの庭」を発表。
アメリカ滞在中、ジョセフコーネル氏に出会う。10年くらいお付き合いがあったという。コーネル氏は木箱の中にさまざまな素材をコラージュした作品を作るアーティストだった。
1972年 コーネル氏が急逝
1973年 心身のバランスを崩していた時期とも重なり、草間は16年間の渡米生活から帰国した。
帰国後、美術作品の制作発表を続けながら、小説、詩集も多数発表。
1994年より野外彫刻を手がける
草間彌生の特徴
上昇志向が強い
草間は2012年の密着取材で以下のような発言をしていました。
アーティストには色々なタイプがいますよね。草間さんが、しっかりと芸術界での野望を持っているというのは、意外というか、はっきり言う方なんだ!というのはとても新鮮でした。
そして「出し抜き」のターゲットとして出すのはピカソやウォーホルというのも面白いです。
そして、2012年(83歳)時点で、「人生で一番燃えている時よ」と発言されていたのが印象的です。当時も今も毎日新たな作品を生み出し続けている体力と精力が本当にすごいなと。
直感的な作品作り
ドローイング作品で、草間は下書きは一切しません。
迷いなく線や点を描き、あっという間にキャンバスが埋め尽くされていきます。
一辺おそらく1-1.5m四方のキャンバスの作品を、早い時は1日で完成させるそうです。
幻視・幻聴の体験が元になっている
幼少期から草間は幻視や幻聴を体験し、その体験から網目模様や水玉模様をモチーフにした絵画を制作しています。
その幻視というのは、例えば「河原に行くと石が追いかけてくる」といったもので、幼少期怖くて家に帰って震えていたそうです。
そうした不安に、ひたすら描くことで耐えていました。
絵を描くことで自殺に向かわず生きている
草間は、40年近く(2012年時点)アトリエの近くの精神科の病院に暮らしています。本当に小さな6-7畳ほどの大きさの部屋です。
病院とアトリエを行き来し、毎日作品を生み出し続け、「絵を描くことのできる幸せ」を口に出している姿が印象的でした。
トレードマークの赤い髪
草間彌生といえば赤いボブカットと思われている方も多いのではないでしょうか。(私もその一人です笑)
もちろんこれは地毛ではなくウィッグなのですが、いつからこのスタイルなのか気になって調べてみました。
少なくとも2012年時点では赤髪でしたが、その前どこかのタイミングで赤髪の姿でメディアに出るようになったようですが、正確にはわかりませんでした。
ルイヴィトンとのコラボにおいても、草間自身がモデルを務めアイコンとなっていますが、本当によくお似合いですし一度見たら忘れられないビビッドな赤ですよね。
草間作品に出会える場所は?(13ヵ所)
全国様々なところに草間作品はあるので、一度は見たことがある方は多いのではないでしょうか。以下では、常設で草間作品が展示されている美術館(もしくはスポット)を取り上げました。
この記事を読んで実際に作品を見たい!と思われた方はぜひお近くのスポットへ行かれてはいかがでしょうか。
草間彌生美術館(新宿区)
2. 丸の内ストリートギャラリー(東京都)
3. 東京都庁
なんとこちらのピアノはひとり5分間演奏することもできるとのことです!
詳しくはこちらをご覧ください。
4. クルックフィールズ(千葉県・木更津)
首都圏からアクセスの良い木更津に位置するアート施設「クルックフィールズ」内にミラールームと以下の作品が展示されています。
著者も、次に千葉方面に出かける時にぜひいきたいと考えているスポットです。
5. 軽井沢現代美術館(長野県)
6.ベネッセハウスミュージアム(香川県・直島)
直島には以下写真の黄カボチャに加えて赤カボチャもあります。(写真は撮り損ねていましたが…)2021年に台風で破損しましたが、現在は修復されているようです。写真は若干天気が悪いですが、海のそばに佇む南瓜はとても良かったです。
空の青と南瓜の黄のコントラストが綺麗です。
7.ヴァレーギャラリー(香川県・直島)
ベネッセアートサイト直島に新しく2022年にオープンしたギャラリーです。
8.福岡市美術館(福岡県)
大濠公園を臨む位置にあるこの美術館の屋外にありますので、いつでも誰でも鑑賞できます。私は小さい頃良くこのかぼちゃに登ろうとして遊んでいました。(ツルツル滑って登れません)
9.十和田市現代美術館(青森県)
十和田市現代美術館の屋外展示ですので、誰でもいつでも鑑賞できますし、触れることもできます。南瓜もそうですが触れられる距離にあるというのも良いですね。
10.松本市美術館(長野県)
11.ハラミュージアム(原美術館)(群馬県)
12.大地の芸術祭の里(新潟県)
《花咲ける妻有》は春ー秋の展示のためご注意ください。
13.鹿児島霧島アートの森(鹿児島県)
バナー画像出典:PARCO Movie
参考:
草間彌生公式サイト
VOGUE Japan, 「草間彌生が語る、愛とアートに生きる理由」,2017
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