10月のイベントレポート
今月は、3回のイベントを開催しました。毎回これ以上ないくらいの好天気に恵まれて、爽やかな初秋の森を満喫しながらの活動になりました。
10/11(月)第25回沢から上に登る森林内の小道づくり(参加10人)
10月最初の活動日。
久しぶりに見るピーカンの空です。
天高く、トンビが優雅に舞っています。
今回は初参加の方がお二人です。
朝のチェックインでは自己紹介を兼ねて、森への想いをシェアしました。
今日は前回みんなで開拓した所をベース基地にして、上の作業道まで足掛かりをつくりながら登って小道を通し、今年すでに通してある別のルートで降って来る予定です。
斜面に入る前に、足掛かりのつくり方をレクチャー。
ただむやみに入ると斜面が崩れて山が荒れてしまいますが、基本的な造作をしながら入れば、人が入った分だけ山の改善につながるんです。
腹ごしらえをしてから小道づくりを開始することにしました。
前回までわしゃわしゃで歩くのもままならなかった場所が、気持ち良いランチタイムのスペースに様変わりしてて、、
今後の大切な活動拠点になりそうな予感!
地形を読みながら、登るルートを考えます。
なるべく直上はせず、S字に、歩くラインを決めていくんですが、これが楽しい!
時にはトラバースして横へ。
山側には直角断面を必ず切っていきます。
この断面が、土中の水と空気の出口にもなり、地面の呼吸を助けるきっかけになります。
足掛かりをつくりながら、
後に続いて炭と、
落ち葉や小枝などを入れて、
太めの根っこは切らずに活かし、
だいぶ上まで登って来ました。
巨大なコナラの根っこを迂回して、
ついに、上の作業道に到達!
しかも目指したゴール地点にドンピシャ!!
登り切った所のすぐ近くに聳え立つ、御神木のマザーツリーに皆んなでお参りをしました。
降りは別ルートから。
無事に帰還した所で、本日の集合写真。
10/11に参加された方々の声
♡ Y.Aさん(女性)
「前回お手入れした場所でお昼を食べることになり、すっかり広場になった様子に改めて感心しました。
そして今日も、無心になって土を掘る時間、一人じゃできないことをみんなでやる時間を楽しみました。
この森に来ると、地球は人間だけのものじゃなくて虫とか色んな生きものが暮らしている場所なんだなと思います。
木も草も土も言葉を語らないけど、人間も彼らも健やかに生きられる場所をつくること、みんなでそのプロセスを共有できることが嬉しいです」
♡ K.Nさん(女性)
「晴天に恵まれて、今日も山のお手入れに参加させていただきした。
以前作ったしがらみは、柔らかくなり、硬かった土が、すっぽり枝がさせるほど、柔らかく変化していました。
地上からは見えませんが、土の中では毛細血管が少しずつ張り巡らされているのかなと想像し、とても感動しました。
また次回はどのような山に変化しているのか楽しみにしています」
♡ Y.Mさん(男性)
「力仕事でガンガン足掛かりを掘り進んでく開拓が得意になってきた。連携して他の人が後から炭や落ち葉を入れながら仕上げてく流れがいいなと感じた。
運営側のサポートも出来たりして、自分の役割も見えてきた。
未開の場所を進むのや、進む道を決めるのが楽しい!
今日もドンピシャで目的地に出た」
♡ Z.Mさん(男性)
「自分としては、もっと作業したかったので、正直物足りなかったです。
子どもいるので、仕方ないと思いますが、時間ももう少し有意義に使いたいなと思いました」
♡ M.Uさん(男性)
「今朝はバスに乗り遅れて河原宿から歩いた。おかげで、この辺りの地形も良く分かった。
今日は人海戦術のスゴさを知った。
適材適所で、指示がなくても、初めての人でも、力を合わせて道を開拓してくのが面白い。
広葉樹の森は、入ってみて土が固いのが分かった。今後の課題でもあり、これからの活動がまた楽しみになった」
↑ 解散後も、次から次に訪れるアサギマダラを追いかけて駆け回るY君です。
遥か南の空へと飛び去って行きました!
♡ ♡ ♡ ♡
10/21(木)第26回 急斜面を登るための階段づくり(参加10人)
この日も平日にも関わらず、たくさんの方々が集まってくれました。
今日は沢から急斜面の上にあるベース基地へと登り易い階段をつくる予定です。
土中改善の仕方を教わるため、この森に詳しい木こりのずーやんこと三木一弥氏を講師として招聘しました。
恩方の森の入り口です。
今日も満天の青空が広がっています。
と、入ってすぐに立ち往生!!
大きなアオキが倒れて、行く道を塞いでしまっておりました。
さっそく作業開始。
最近、全く同じようなことがあったばかり。
もう何も言わなくても、皆んな率先して素早い動きで枝を片付け、しがらみをつくり始めます。
あっとゅうまに、
片付け終わって、
先に進むことができました。
沢に入ると、かなり長い距離を水の流れが繋がっていました。
ただ、最近降った雨のせいなのか、それとも少しづつ沢が復活の兆しを見せ始めているのか、今しばらく経過観察をしていかなければ何とも断言できませんが、、
沢の脇からはポタポタと、水が染み出し、水滴となって落ちるのを見ることが出来ました。
先月、水が溜まってた所が、今日はゆるやかですが、水が流れ続けていました。
アメンボさんも元気に水面を滑り回っています。観察のため一時捕獲させて貰いました。
水が綺麗であることの証、シマアメンボさん。
↑ 本日のビフォー。
このすぐ上のベース基地まで、登り易いように階段をつくります。
↓ 先にアフター。
「まるで参道みたい!!」と、皆さん同じことを感じましたが、確かにここから登り切って上の作業道に出ると、皆んなが御神木と崇めるマザーツリーのすぐ下に出るんです。
そして、そのマザーツリーは、この谷全体を守ってくれている、、、、。
偶然なのか、必然なのか、、何だかとても、不思議な想いにとらわれました。畏怖の念が湧いて来ます。
ここはちょうど、沢を登って来て最初に流れが2つに分かれる所、、、、上から見れば最後の合流地点で、地形的に見てもとても重要なポイントです。
下から一段いちだん、積み上げていきます。
使う材料は、3年前にこの沢を塞ぐように倒れ込んでいた枯損木。沢の脇に置いてあったものを活用しました。
地形に合わせて、根っこの部分も使います。
何故かピッタリとハマる!、シンデレラっ!!
ここでランチタイム♪
自分たちでつくった階段で登った広場での食事は、格別です。
広場を一緒に開拓した時から続けて参加した方にとっては、より一層の美味しいひと時!
お昼休みに、生きものマニアのIさんが何かを捕まえて来てくれました。
アサギマダラです。
1000km以上も〝渡り〟をするチョウですが、ステンドグラスのような羽で優雅に飛ぶ姿が何とも美しい。
調査のために羽にマジックでマーキングすることでも知られておりますが、最近では調査目的ではなく、採集&マーキングのイベント、あるいは自然教育のため、などで観光集客目的で利用されることの方が多いとのこと。そのことの良し悪しの判断は人それぞれだと思いますが、ここでは一目その美しさを愛でた後、マーキングせずに、すぐにお空に返しました。
とにかく、生きものとの出会いは嬉しい!
サワガニさんも元気に大きく育ってます。
午後いち、講師の先生から、土中改善についてのレクチャーを受けました。
◎ 地形の変わり目(きわ)は重要であること。
◎ 改善すべき場所は、山に入れば身体が教えてくれる。
歩いた時の〝足触り〟。
荒れて土が固くなってる所では足が疲れる。
自分の身体で感じて来ると、どこを改善すれば良いか、自ずと分かってくる。
◎ 触ってみてねちょねちょしてるのは水と空気の流れが滞っているから。
そんな所にはシャベルで垂直断面を切ると、そこが出口になって土中の水と空気が動き出す。
などなど、貴重なアドバイスを頂いたあとで、早速みんなで実践することにしました。
結構大変な土木作業でも、皆んなでなら出来ちゃう!!
短時間で、かなり広い場所の改善をすることができました。
今日は更に斜面の上まで、手を入れることができました。
参加者が作ってくれた動画です。
10/21に参加された方々の声
♡ M.Hさん(女性)
「前につくった階段が、あまりに風景になじんでて感動した。
今日つくった階段も、あっという間に風景に溶け込んだ。
手仕事の美しさ、、、小さくても大きな効果に繋がることを感じた」
◎ K.Nさん(女性)
「最初は何もなかったところに階段が出来て、自然に馴染んでいることにビックリした。
今日のところも、さっと一気に綺麗になり感動した」
◎ T.Iさん(男性)
「サワガニを自分の眼で初めて見ることができた。
ホタルもすぐに戻るのでは、、、、?!」
◎ Y.Mさん(男性)
「自分は掘り進むのが好きなんだなと感じた。
階段づくりでは、ルートも決められて楽しかった。
毎回、学びがあり、毎回、景色の変化を感じられていいなと思った」
♡ A.Sさん(女性)
「ガツガツやってくれる人も、コツコツ細かいことをやる人も、両方いていい。
広い森の中では微々たるものだと思うけど、今日やったことは皆んなの力の結晶。
環境のこととかは、色んなことで世界を知ることは出来るけど、身体を実際に使って作業してみて、自分にできることは「やっぱりコレだな」と思った」
♡ C.Yさん(女性)
「初参加でしたが、参加している皆さんが素敵すぎ!
作業しながらも色々お話しが聞けて、大満足の一日でした。
また参加したいです」
♡ M.Uさん(男性)
「道具は大事!、日本野鳥の会の長靴の調子が良かった。ホタルの会に最適最高!!、ヨドバシのサイトでちょっと大きめのが良いです」
10/23(土)第27回 苗木植栽のためのマウンドづくり(参加3人)
この日もピーカンの秋空!!
恩方の森の入り口付近では、朝からたくさんのチョウたちが乱舞しておりました。
本日は3人での活動です。
以前から少人数の時に、と考えていた場所でのマウンドづくりと杭打ちをする予定です。
と、その前に、、、、
朝いち集まった材木置き場で、今にも人や車に踏まれそうになっているクヌギの赤ちゃんを救出することにしました。
苗木ポットの代わりに、転がってた竹を切って利用します。
本日、新入会員になってくれたFさんは、固い地面を相手に頑張って掘り取ってくれました!
クヌギの実生6本のレスキュー完了。
竹ポットって良いですねー!
プラスチック削減にもなるし。
健全な森づくりのために販売してるとこもありますので、興味ある方はコチラから是非!
↓
本日の作業場所。
かなり急なうえに狭いので、あまり大人数だと入りずらい場所です。
↓
ここは、一昨年の東日本台風の際に、大きく山が崩れて一夜にして谷が出現した所の上の箇所です。
再度の大豪雨が来た時に、少しでも崩落を抑えられるよう(それが良いことかどうかはわかりませんが)、崖になってる所を改善して地形を安定させていきたいと思います。
そのために、法面の肩の辺りにマウンドをつくって植栽し、併せて下の際(きわ)には杭を打つことで地中の水と空気の動きを上下に促進させる〝きっかけ〟をつくります。
ということで、まずは、そこへ行くための道づくりからスタートです。
まだ間伐の手が入っていない薄暗い林床は、昨日の雨を受け止めていないのか、少し掘るだけでカサカサに乾いていました。
鍼灸師のMさん曰わく、
「人間の肌も同じなのよォ〜〜。結局、お肌の下、身体の中が健康じゃないと、どんなに良いスキンクリーム塗ってもダメなのよねェー。
逆にネ、身体が健康だと、自然とお肌も潤ってみずみずしくなるのよねェー。
ホント、森も人も同じ、共通点があり過ぎる」
とのことで、土中環境改善にもなる足掛かりをつくりながら、今日の女子二人はずっとお肌の話しで盛り上がり、あっという間に小道開通です。
谷の上から、ウッドデッキ下のひらけた所まで道が通りました。
ここで今日のランチタイム♪
すぐ下の、もののけ広場でいただきました。
素晴らしい行楽日和! 至福のひととき。
午後からはマウンドづくりです。
円を描くように枝を絡めて置き、その上に炭と土をかけます。
円の内側にも枝葉を敷き、同じように炭と土をかけ、ミルフィーユの様に重ねていきます。
この時に、点々と深い穴を幾つか掘っておくと、縦方向への改善が促進されます。
〝敷き葉工法〟といって、弥生時代からのやり方だそうです
無事に根づいてね!
今日はもうひと仕事。
〝森の鍼灸師〟こと、みどりんに、杭打ちをお願いしました。
かなりサマになってます。
山肌に打つ小さな鍼ですが、ツボに当たって、改善へと向かうささやかなきっかけになることを念じました。
↑ クヌギの赤ちゃんをセンターにして、本日の集合写真を撮りました!
10/23に参加された方々の声
♡ K.Fさん(女性)
「最初は道なき道へと入るのが大変でしたが、帰る頃にはすっかり山歩きに慣れてきました。
今日の苗木が森の中でどうなったか、また来て確かめたいです」
♡ M.Hさん(女性)
「こうゆう作業が楽しい!
この森で、〝人が入ることによって自然が良くなる〟と教えられた気がする。
そのことをたくさんの人々に知って欲しいと思う」
♡ ♡ ♡ ♡
恩方の森ではチャノキが花を開き始めました。
冬がすぐそこまで来てますね。
参加していただいた皆さま、本当に一日お楽しみ様でした。
ホタルさん、そして活動に興味を持たれた方、是非一度、森に来てくださいネ!!
次回のお知らせ
◎ 現時点で決まっている今後の予定は、
11/10(水)
11/27(土)
です。
12月以降の予定は決まり次第お伝えしますが、ご希望する日時・曜日等ございましたら、どうぞ気軽にご連絡ください。
一人でも多くの方のご参加を心よりお待ちしております。
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『枯れ沢復活&ホタルを飛ばす会』は、任意団体です。公益社団法人 国土緑化推進機構の支援を受け、緑の募金事業として活動して参ります。
さらに2021年4月からは、一般財団法人 セブンーイレブン記念財団様の〝2021年度環境市民活動助成〟の助成を受け、活動を推進していくことになりました。