脇本平也『宗教学入門』を読む 第4回
第二章「宗教の原初形態」
人間の生活にいつの時代にもどの国や地域にも「宗教生活」が営まれている。
宗教生活の起源は?という疑問は、人類の起源は?という問題と関連していて、実際には簡単に答えは出ない(答えきれない)
1.考古学的な発掘資料に基づく研究
2.先住民族の調査資料に基づく研究
1「考古学的考察」
ネアンデルタール人~クロマニヨン人(旧石器時代)に登場
①死をめぐって
②生命の誕生をめぐって
③狩猟生活をめぐって
これらの観点に「宗教的」なものが含まれる
①死をめぐって
ネアンデルタール人も死者を(意図的に)葬っていた
クロマニヨン人は墓地を設けていた
葬られた死者の姿勢
死後の世界が想定されているように見える
死をめぐって、宗教的な観念や行為をうかがい知ることができる
②生命の誕生をめぐって
クロマニヨン人の原始芸術
女性や母性を強調する彫刻など
いのちに対する畏敬などをうかがい知ることができる
①と合わせると、死と再生などの考えにもつながる
③狩猟生活をめぐって
クロマニヨン人の壁画など(ラスコー等)
動物などが描かれているが、洞窟の奥深いところにあったり、何度も重ねて描かれたりしていることから、観賞用ではなかったと推察される
呪術的・宗教的な意味合いもあったかもしれない
狩猟に関する、祈りが表現されているかもしれない
もしくは殺した動物を葬るための儀式だったかもしれない
定かではないが、宗教的な儀礼を示唆し、それはつまり、宗教的価値観、世界観を持っていたことをほのめかしているよう
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