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脇本平也『宗教学入門』を読む 第18回

第五章「宗教の構成要素」

3「宗教儀礼」
一般的な定義「宗教的な目的を実現するために一定の形式・順序にしたがっておこなわれる象徴的な行為の体系である」

①「宗教的な目的を実現する」宗教的に意味づけられた目的の実現を目指して儀礼を執り行う
例:信仰対象として神との交わりをもつ
  宇宙の根源的な理法を悟る
  宗教的理想と合致した自己を実現する

②「一定の形式・順序にしたがって」厳粛な規律ある行為として執行される
何か一定の秩序・形式・順序にしたがって、節度正しく厳粛に行われる

③「象徴的な行為の体系」世界や自己、生きることの意味づけに関わる。意味を表現している=象徴している。
象徴的なもの:
ことば(題目、念仏、祈りのことばなど)
もの(祭壇、神像、仏像、祭具、燈明、花、水など)
しぐさ(頭を下げる、ひざまずく、手を合わせる、十字を切る、印を結ぶなど)
これらが組み合わせられて体系的に、儀礼として行われる

象徴的行為の具体例
言語行動
祈り、祝詞、呪言、呪文、信仰告白、読経など聖なる対象に向かう
神霊から人間に対して声を伝える託宣、お取次ぎ、口寄せなど(シャーマニズム)
歌、舞、音楽、演技の要素が加わることもある

身体行動
舞踏や仮面をつけての模擬的行為(神楽、多くの宗教や呪術に例外なく登場)
坐ったり、歩いたり、滝に打たれたりする修行。修行によって特別な力が得られるという宗教的目的が実現される(ので、儀礼とみなせる)
タブーを守ることによって、禍いを避けようとするのも儀礼

儀礼は個人でも行うが、社会的集団的な単位で行うことが多い。
神に供えたものを、お下がりとしてメンバーで頂戴する(供犠、共餐)→食べ物を媒介として、神と人間、人間と人間の間に絆・連帯性を築く

つまり、儀礼は「宗教集団」とも関連する。(次回に続く)

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