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脇本平也『宗教学入門』を読む 第3回

第一章「宗教学の立場と分野」

3「宗教学の専門諸分野」

狭い意味での「宗教学」の専門分野
①歴史的、②論理的に「専門性」を検証することができる

歴史的にみると
1.マックス・ミュラー『宗教学概論』
2.タイラー『原始文化』
3.ロバートソン・スミス『セム族の宗教』
4.スターバック『宗教心理学』

1.マックス・ミュラー『宗教学概論』
比較宗教
宗教学の源流
比較による類型化、類型に基づき宗教現象の構造を解明。宗教の意味(人の営みとして)
宗教現象学として受け継がれていく

2.タイラー『原始文化』
人類文化の起源と発達を探求
民族学と民俗学の組み合わせ
宗教も文化的営みの一部としてとらえられる
宗教人類学として受け継がれる
文化としての宗教の構造、社会生活における宗教の機能など
「原始」「未開」というのはヨーロッパ至上主義の価値観に基づくので、現在はそういった呼び方はされない

3.ロバートソン・スミス『セム族の宗教』
宗教の本質を社会性(社会集団などの存続や繁栄)においてとらえる
宗教社会学と続く
デュルケムやマックス・ウェーバーによって展開され、今も多角的に広く発展している

4.スターバック『宗教心理学』
社会や集団ではなく、個人に焦点を当てる
宗教意識の成長、とくに「回心」について論じることが初期には多かった
ジェイムス『宗教的経験の諸相』に続く

論理的にみると・・・
人間の生活現象を探求するので、
1.文化
2.社会
3.人格
の3つの場面に分けて考えられる。
1.宗教文化学
2.宗教社会学
3.宗教心理学
に対応している

以上が、宗教学の立場と分野についてである。それを踏まえた結論として

広くさまざまな宗教を見る(研究する)ことで、自分自身の信仰を大きな見通しのなかでとらえることができ、また、自分自身の特徴をとらえることにもなる

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