ドキュメンタリー『ドミニオン』を観て

こんにちは、バルセロナで猫とのんびり暮らしている川口ほたるです。

さて、先ほど観賞したドキュメンタリー『ドミニオン』について、思うところを少しシェアしたいと思います。

少し、というのは、これは映像の力が本当に強くて、これを観たら何かしら生活態度を変えずにはいられない衝撃の現実を、とても静謐で効果的なキャプションとともに編集した産業スキャンダル暴露ドキュメンタリーという感じなのです。なのでぜひぜひ観てみてください。

私が最も強く感じたのは、いかに私たちの普段の生活が情報操作と洗脳にまみれていて、私たち一人ひとりも無意識に「知らないふり」をしているかということでした。

というのは、この映像が示している現実というのは動物をレイプして監禁して虐殺し、それが私たちの食卓に届くという公然の事実であるにもかかわらず、実際に映像を見せられると「信じられない」とか「これが現実の出来事とはとても思えない」とか思えてしまうのです。屠殺場で笑いながら動物たちを踏みつける作業員に強い憤りを感じながら、昨日の夕食で「カツカレーやったー!」なんて喜んでいた自分のことはすっかり棚に上げることができるのです。

ドキュメンタリーの冒頭で、Flida Hartleyさんからの引用From beasts we scorn as soulless, In forest, field and den, The cry goes up to witness The soullessness of men.(森、大地、田に住む、我々が「魂がない」と見下した獣たちが叫ぶ、かれらは人間の「魂のなさ」を証言しているのだ)が流れます。

観賞を進める中、悲しみと怒りが順々に襲ってきます。人間ってこんなに非常になれるものなの?この動物をモノのように扱う作業員たちは狂っている、と絶望を感じます。そして、気が付きます。彼らが正気を失ってしまうのは至極もっともなのです。目の前で毎日何十、何百の命が、自分たちの手によって、消えていく現場にいるのですから、正気を保てるはずがないのです。そしてこの職業がある理由、それは、私たちがキッチンで平和主義者を装って彼らの死体をほおばるために、代わりにおぞましい作業を見えないところでやってくれる人が必要だからです。

私自身、ビーガン、菜食中心(魚や卵を時々食べる)、雑食を行ったり来たりしてきました。完全にビーガンの食事に切り替えたいという気持ちはいままでもありましたが、養われていて食材を選ぶ自由があまりないことや、慣れない海外暮らしで心の体調を崩し食事を制限するのをいったん緩めたりなどで最近は魚や卵も時々取り入れていました。

でも、今回『ドミニオン』を観賞し、また自己健康管理がまた軌道に乗ってきたこともあり、ほかの命を虐殺することに加担するのは、もう絶対にやりたくないという気持ちが強くなりました。精製砂糖(牛骨を使用する)や革製品、パーム油(オランウータンが住処を奪われている)、ココナッツ製品(タイではココナッツ収穫の際にサルが奴隷のように使われている)なども順次気を付けていきたいし、こうした情報をソーシャルメディアなどで分かりやすく広めてくれている活動家の方たちのように、何か私にできることを常に考えて挑戦したいと思います。

最後のほうは個人的な抱負になってしまいましたが、なにかご意見ご感想頂ければとてもうれしいです。

それではまた!Hasta ahora!

川口ほたる

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