仔猫の発情期

生まれて4か月ちょっとのうちの仔猫が今日、初めての発情期を迎えた。まだほんの赤ちゃんなのにと驚いたけれど、調べてみたら6か月ごろに多くの仔猫が最初の発情期を迎え、早いと4か月、遅くて12か月で迎えるそうだ。普段ほとんどなかないし、一人で過ごすのもへっちゃらな三毛の女の子であるが、今朝がたからずっとみゃあみゃあとないたりすりよって来たりをやめない。お尻を上げて発情ポーズをしながら後ろ足で足ふみをしたり、膣から透明な液が出ていたり、笑っちゃうような、同情してしまうような、どうしたらいいのかわからない気持ちになる。

ネットで調べてみると、鳴き声がうるさいし避妊手術するのがお互いに一番いいとか、綿棒で膣内をつついて黄体ホルモンを刺激すると発情が収まるだとか、いろいろ人間たちが工夫して猫と共生しようとしていることが分かる。しかし私が猫の立場だったらと考えるとどうしても避妊や猫をマスターベーションするのはなんだか不気味に思えてしまって本当にそれが最善なのかもう少しリサーチしたり獣医に聞いたりしてみることにする。

とはいえ、健気になき続ける仔猫。これが一週間弱、そして毎月やってくるのだから、なにか対策が必要だということは明らかである。ひとまず気を紛らわせるために、いつもより餌を多めに上げたりたくさん遊んであげて様子を見てみようとするが、大好きなおもちゃにもあまり反応しないしご飯も残す始末である。

自分も雌なのでつい感情移入してしまい、なんだかかわいそうでならない。人間の私たちは、むらむらして相手が手に入らない状況であっても自分で何とかすることができるけど、猫だとそうはいかない。マスターベーションできる私たちでさえ、どうしてもセックスしたいという時はある。私なんてセックスしたすぎて泣いてしまったことすらある。

繁殖機能というのは強い。そしてそれはごく当然のことである。年中繁殖期なわれわれ人間は、生殖器を意識しすぎて隠したりちら見せしたりして大騒ぎしているが、道を行く犬たちがお尻の穴を丸出しにして歩くのを見るとなんだか露出狂やヌーディストに関する議論、恥じらいの美学などが滑稽でしょうもないことに思えてくる。その一方で、学生の時に遭遇した露出狂はやはり今でも許せないし、恥じらいの文化は美しいと感じるのである。

そんな風に相反する感覚を心の中に発見すると、決まって私はこう思ってしまう:猫はシンプルで、人間はややこしい。でもそれはやっぱりとても主観的な感覚でしかないので、私の目の前で転寝を始めたこの小さな発情猫はどういう見解を持っているのか、じっくり話を聞いてみたいものである。


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