『映像研には手を出すな』を観たあとにジブリ美術館に行ったらアニメ愛が加熱した
どうも。おダメさんです。
先日、湯浅政明監督のアニメ『映像研には手を出すな』を観た。
Netflixでイッキ見したのだが、映像制作に携わる人々への愛、そして半端ないアニメ技術を見せられて「クリエイターってすごすぎない?」と開いた口が塞がらなかった。
観たあとにしばらく放心状態になる作品に出会ったのは、かなり久しぶりだった。
正直、Netflixなどを観ていると、日本は完全に韓国に映画やドラマのクオリティが負けていると嘆いていたのだが、アニメだけは最高峰だとえらく感心した。
そんな興奮も冷めやらぬ中、たまたまジブリ美術館のチケットが取れたので行ってきた。
ちなみに、私はジブリ美術館に行くのは初めてで、どういう展示があるのか全く知らずに行った。
※ジブリ美術館は館内の撮影禁止のため、外観の写真しかありません。
東京都は思えない緑豊かな敷地に個性的な建物があり、ジブリの世界に出てきそうな美術館だった。
開館前から行列に並んでいたが、外から眺めているだけでも結構楽しかった。
中に入ると、フィルムが3コマ入っている入場券がもらえる。ちなみに私のはこのフィルムだった。
どの映画のどのシーンなのか考えてみたけど、全然わからん・・・(誰か教えて・・・)。
美術館にはいくつかの展示スペースがあるのだが、私が一番興奮したのが「映画の生まれる場所(ところ)」。
ここは映画の設定資料やスケッチ、絵コンテなどが当時の作業机を再現した空間に所狭しと散りばめられている。
机には缶のピースのタバコがあったり、ピーナッツが入っている瓶があったりして、宮崎駿監督がどういう感じでアニメを作っていたか想像を掻き立てられる。
作業机の横には、「話しかけるとき要注意!」というような注意書きもあり、絵コンテ作りに詰まっていた監督が苛立っていたんだなぁとクスリとさせられる。
最後のほうにはフィルムが巻きつけられている映写機(?)があり、自分でレバーを回して映像を写すことができる。
湯婆婆が口から火を吐いてハクに迫るシーンが映し出されたのだが、フィルムが回転してアニメーションになっているところを体感できるので非常に面白かった。
ブース内では当時の苦労話なども書かれており、デジタル化する前(紅の豚とか)は一枚一枚全て手書きだったというから、アニメ制作は途方もない作業だ。
映像研でアニメ制作の大変さについて考えさせられていた私は、ここでもクリエイターへの敬意を感じずにはいられなかった。
アニメ制作のスタッフは給料が安いことで有名だが、日本が誇る文化であるアニメをこんなに苦労して作っている人たちには、国が補助金を出してでも待遇を改善すべきである。
この空間は、ジブリ好きだけではなく、すべてのクリエイターに見てほしい。もっと言えば国のお偉方も見に来ればいい。
その他にはジブリ最新作の『アーヤと魔女』が完成するまでの軌跡を追体験できる展示もあった。
ジブリ初の3Dアニメということもあって当初はかなり苦労したらしいが、3Dアニメができるまでにどのような工程が必要なのかを丁寧に解説してくれる。
宮崎吾朗監督がいうには、3Dアニメも2Dアニメも結局のところはアナログ作業であることに変わりはないらしい。
最後に、ジブリ美術館ではジブリ作品を観られる劇場があり、そこでNHKで年末に放送されたらしい『アーヤと魔女』の前章譚(?)となる物語を観た。
80分ほどあるガッツリとした内容の立派な映画だ。
この作品、ジブリの初3D作品のため評価はかなり分かれている。グーグルの評価ではほぼ半々だ。
個人的には、3Dアニメとしては成立しているし、細かい描写はさすがジブリといった感じだが、従来のジブリと比べるとやはり没入感がないといった印象だった。
面白くないわけではないが、ジブリの看板を背負っている作品として微妙という感じだ。
もちろん、これは本編ではないからまだなんとも言えない。少なくとも私は一度本編を映画館で観てみようと思う程度のクオリティは保たれていたように思う。
と、いつもの私なら批評しただろうが、映像制作の大変さを学んだ後だったから、私は少年のように目をキラキラ輝かせて観ていた。
「こんなアニメ作るなんてすげー!」
思わず声が出ていた。美術館の劇場は小さい子どもも入場できるため、子どもたちの素直な反応が面白かった。
「なんか怖いね〜」
「こんな立派なベッド私もほしいー!」
など、キャッキャと楽しんでいて私もつられて笑ってしまった。
映画を観終えたら、屋上へ行き彼に会ってきた。
実際に見てみるとかなり大きくて、このロボットが空を飛んだりレーザーを放射したりすることを想像するとめちゃめちゃ怖い。
これに物怖じしなかったシータは頭おかしい。
というか、改めて見てみてもやっぱりかっこいいな。体内の部品が見えてるところなど、監督のこだわりが垣間見えて素晴らしい。
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展示を見終えると食事をしにカフェ「麦わらぼうし」へ。
ここを訪れた100万人ぐらいが「え?ジブリ飯ないの?」と思っただろうが、このカフェにはジブリで出てきた食べ物がない。
ジブリ作品に登場したご飯を再現して提供すればかなり儲かるだろうに、とゲスなことを想像が、おそらく実際に食べてみたら「なんか違う」という状況を回避したいのかぁと思った。
実際に食べたことがないから「おいそう」で「理想的」な食事のまま客の頭の中に残ることができる。
そういう余白を残したくてあえて提供していないのではないだろうか。
まぁ、とにかく食事はとてもおいしかった。
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館内のグッズ販売コーナーで「ポーズがいっぱいコレクション 神様がいっぱい」という商品を見つけ、オクサレ様がほしすぎて2つ購入。
しかし、残念ながら私の大好きなオクサレ様は出なかった。
まぁ、ハクとカオナシが出たから良しとしよう。
おわり。