田村芽実ソロプロジェクト「ひめ・ごと」を見て
田村芽実さんとの出会いから今日まで
昨日、20:00からミュージカル女優の田村芽実さんのソロミュージカル「ひめ・ごと」を視聴していました。
田村さんは、元々ハロープロジェクトのアイドルグループ・スマイレージ(現・アンジュルム)のメンバーで、アイドル卒業後はミュージカル女優として活動し始めました。私はこの方に自粛期間中に出会いました。
私は歌に関しては素人ですが、田村さんの声は本当に上手で、特に長音の伸びやかさが聞いていて気持ち良いと感じます。なんだか、田村さんの歌声には色がついているような、そんな感覚になる歌声だと思います。
そして、2020年10月30日に「ソロプロジェクト ひめ・ごと」の開催が発表されます。
私は田村さんのことを知ったばかりなのに、とっても興奮して期待しました。でも、この4か月の間にさらに期待が高まっていくのです。
田村さんはTwitterで、
(ソロプロジェクトは)4年間夢見て、なんとか、なんとかここまできた。
私にとって大きな挑戦です。どうか、見届けてほしい。
悔しいことばっかすぎて毎日涙が出るけど、やらなきゃいけないしやりたいから頑張る
などなど、自分を鼓舞する内容のツイートを多くしていました。それはまさしく、生みの苦しみからくるもので、出会ってから数か月しか経っていない田村さんに心の中で何度も「頑張れ」と思いました。
そして、もう一つ経済的事情から来る苦しみもあったようでした。昨今の事情から収入が予定よりも大幅に減少したけれど、それでも会場費や人件費など最低限の費用に変わりはありません。そのような事情から田村さんはクラウドファンディングを行うことを決意しました。
私はクラウドファンディングを発表するインスタライブを視聴していたのですが、田村さんのお客さんからチケット代以外のお金をいただくことへの申し訳なさと怖さが伝わってきました。でも、コメント欄では「めいめい(田村さんのニックネーム)を応援できるなんて嬉しい」「満足のいく舞台を作ってね」など、好意的なコメントが大半を占め、私も同じ気持ちでいました。
そして、ものの5分で目標金額である150万円を達成し、最終的には2800万円を集めたのです。
これは、おそらく田村さんを前々から知るファンの方だけではなくて、このソロミュージカルという果敢な挑戦を応援したい人や、私のように田村さんの名前は知っていたけどソロミュージカルへの思いを知るうちに惹かれていった人も合わせてできた結果なのだろうと思います。
このような、こころを揺さぶられる経緯を踏まえて迎えた2月27日の「ひめ・ごと」。私は非常に楽しみにしていました。
作品について(ネタバレあり、自己解釈あり)
この作品の主人公は、田舎町で母と一緒に暮らす「ひめ」。物語はひめの自室で進んでいきます。
この作品は、大きく分けて4つのパートに分けられます。まず、ひめが妄想好きだということをナギ君(ひめの恋人)に向けて説明するシーン / 次にひめがナギ君のなれそめを思い出すシーン / 次にひめが母をだまそうとする悪人をくるしめようと計画するシーン / そしてひめが夜にこっそりナギ君のお家に行こうとするシーン、最後にひめが神経系を麻痺してベッドに横たわっているシーン、そしてラストがひめが歌い踊るシーンです。
この作品を通して、田村さんの色んな面を見せていただいたなと思います。天真爛漫だったり、ピュアだったり、狂気じみていたり、でもうぶだったり。各シーンで、表情の雰囲気も変わっているように見えたし、音楽に合わせて語勢を変えているようにも聞こえました。
最後に気づいたのですが、この作品の音楽は生で演奏されたものだったようです。田村さんは演じながら音楽をじかに聞いて、演じられていたということですよね。
で、一番話したいことはエンディングです。
見終わった直後の私の解釈は以下の通りでした。
ナギ君に会いにいって、ひめを「そういうこと」をするのだと言っていました。いわゆる「姫はじめ」だと思います。そして、大好きでなんでも相談してきたママへの初めての秘密「秘めはじめ」です。この、これまで一番近くにいた人へ秘密を持つことが少女から大人に変わる条件なのかなと思いました。
でもこの秘密は、ひめにとっては惹かれる内容のものですが、ママとの約束を破る悪な行為です。この作品のキャッチコピーである「それは花咲く前の蜜の味」とは、花咲く=自由、蜜=秘密で、「このエンディングは門限が無くなるという自由を手に入れる前の秘密に誘われた結果」ということを指しているのではないかと思いました。
だから、悪に対する罰として神経が麻痺することになってしまった。それでも、ひめは妄想をやめることなく頭の中では楽しい自分を想像しているというエンディングなのだと思います。ここで私は事故に遭ったのは、ナギ君との逢瀬の後だと思います。ひめは「今日ナギくんに会わなかったら、私は私じゃなくなる」と言っていました。ひめは妄想が好きですが、素直に妄想が好きだということをはばかるようになっていました。でも、あの日ナギ君と会ったことで、ひめがひめらしさを手に入れたなら、神経系が麻痺するという状況下でも妄想をし続けるのではないかと思うのです。
しかし、見終わってから他の方の感想を見ていると、「物語がループしているのではないか」「ナギ君は存在しないのではないか」という感想が見受けられました。
これは自分にはなかった着眼点です。だとしたら……、あのシーンは……、など考えることがいっぱいあります。今後も情報収集をしたり、時間があればもう一度視聴するなどして、再考察をしていきたいものです。
それでは、ここまで読んでくださってありがとうございました。
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