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青春座さんとの合同公演を経て

お久しぶりです。
おばんです。
黒ヒゲキャラバン代表のあべです。
ハンドルネームは絵戸キリコです。

Twitterでとある呟きをしたら、

あやなさんに「打ち上げまでに書いてくださいね」と銃口を向けられたので書きます😌
いや、書かせてください。むしろ。やだそんな目で見ないで溶ける。

そんなわけで、今回御一緒した「いわき青春座さん」解体新書というか、僕の見てきた青春座さんをちょっと思いだし書き綴ってみたいなと思った次第です。

グループトークでもいいんですけど、埋もれちゃうので記録しとこうかなと…あやなちゃんと殿村くんに書いてもらったコメントは音速スクショ済みです嬉しかった…。

さて

きらら役の伊沢舞ちゃん

青春座さんの、と言いながら、自分らの公演の話と織り混ぜながら…

今回の合同公演が決まったときに、どういった作品書こうかな…とぼんやり考えていた時に、丁度参加してた他劇団の企画で出会ったのがまいちゃんでした。

最初の印象は、真面目そうで、儚そうで。で、ビジュアルと声がめちゃめちゃいいなと。あと、名前がかっこいい。なんや伊沢舞って。芸名のクオリティーやろ。本名…?ちょっと華がありすぎるな…。

って思ってたら、黒ヒゲ参加してくれるって事になりまして、持ち前の横暴さを発揮して「なんだと主役しかあるまい」ってなって、一気に書き上げました。

蓋を開けてみると、想像してたタイプとはだいぶ違って、儚いってより明るい。そして真面目なのは真面目だけど時折びっくりするほどポンコツ発揮して。

なんて面白いんだ…とか思ってたらどんどんキャラクター膨らんでいきました。

まいちゃんの魅力って、物凄く華があるところだと思ってて、これはもう先天性というか、努力じゃ埋め尽くせないものをしっかり持っている。そんな感じです。まさにエクスカリバー。

そんなエクスカリバーなのですが、最初はほんと「なにこの役わからん」空気がこちらにビンビン伝わるレベルで出てて笑。

正直とても心配ではあったのですが…。ある日突然なんか良くなりまして笑。

そういえばITPさんの時もそうだったな…って思い出しました。まいちゃんほんと、ある日突然良くなるんですよね。

それってたぶん、何度も咀嚼して、自分の腑に落ちるまで繰り返し自問自答して。正しく水と栄養を与えていた花がある日開花する。そんな感じなのかな、と思いまして。

1度つかんだら安定するのがまいちゃんで、そこからの稽古はもう「まいちゃん」ではなく「きらら」がそこに居たって感じです。多分、遠い役だったんですよね。それを力業で乗りこなした。まいちゃんって役者はたぶん、どんな役でも真摯に向き合ってくれる役者さんなんだなって思います。

途中で泥棒物語の司会者が「きらら」を名乗り初めて、おぉ!ってなりました。

きららはちゃんと頑張って励んでいるんだな、と。日々を楽しく生きているんだな。と。

今回公演の主軸であり、星空が通低音となっている企画においては、まいちゃんの「ストレートで真っ直ぐで華のある」感じが必須だったんだなって思います。

個人的なお気に入りは星を捕まえようと天を仰ぎ見、網を構えている後ろ姿です。

あの後ろ姿の美しさ。緊張感。そして、ただ前向きのエネルギーだけが残るラストの刹那は、まいちゃんがきららで良かったな…って思った瞬間です。


フクさん役の殿村くん(左)

今回初めて御一緒させてもらった殿村くん。
最初の印象は、真面目そうだ…!僕みたいなチャラチャラしてるのは怒られそうだ…です笑

殿村くんめちゃめちゃ凄いなって思います。みんなも思ってるし、お客さんも思ってるのが伝わってきました。

とにかく「努力」と「素養」が合わさるとこうなるんだな…と。舞台に対してひたすら真っ直ぐです。

どんどん役や世界にのめり込んでいくタイプの役者さんなのだな、と。憑依型とはまたちょっと違うのですが、理詰めと没入により、役の色をどんどん鮮やかなものにしていく。

で、このタイプにありがちなメタ化の疎かさもなく、しっかりと自身を客観視して、適切なものをぶちこんでいく。そのセンス。その思い切り。その勇気。

それでいて周りへの気遣いも忘れず。なに…?完璧超人…??

役者、斯くあるべき。と思います。
というか、僕はこうありたい、と強く願って生きてきました。世界に対しての没入。そして、お客さんとの世界の共有。そして、共に生きる方々への感謝と配慮。

僕は本当にそれが出来ない人間で、でもそうありたくて、無理矢理に努力してやってきました。なので、同じくそういうものを愛し、そして自分より高いグレードでそれを成している殿村くんには感動を憶えていました。

役者が世界を心から信じた時、舞台の上には奇跡が起こると思っています。彼の呼吸が舞台の空気を醸成し、皆が安心して世界を生きられたのだと思います。

もし、僕が、「解脱」出来る役を書いて委ねるとしたら、彼にお願いしたいと強く思いました。

作家の言葉は命の切り売り。
それをしっかりと命として扱ってくれる役者さんに、作家は魂を震わせるのです。


石川五右衛門役、笹川俊くん

石川五右衛門役の俊くんです。
初対面の印象は「ちょっとこわい」でした笑。ガタイ良くて。

見てこの男前。

俊くんの魅力ってば、なんといっても男前な芝居が似合うところだと思います。シンプルにかっこいい。男臭さがある。絵になる。所作がかっこいい。立ち方がかっこいい。

自分に無い物オンパレードで、羨ましさを感じます。

俊くんの芝居の作り方って独特で、自分の中に深く入り込んで独自の世界を作り込んでいくって感じで。

たぶん、色んな細かい所にめちゃめちゃこだわりがあるんだな、と。動き然り。言い回し然り。

あんまりこだわり強くて、演出さんに言われたときサッと修正、みたいなことはおそらく苦手で、1つ変えると色んなとこ連鎖して変わっちゃうから、めちゃめちゃ一気に考えてフリーズするのかな…と。

ある意味めちゃめちゃストイックで、舞台に確かな楔を打ち込むオーラ全開のキャラクター作りをしてくれる役者さんなんだな…と。

物凄く華がありますね。歩いてるだけで魅入ってしまう色気がある。青春座さんは色んなタイプの役者さんがいるけど、一際くせ者で、なおかつ一際パンチのあるのが俊くんだと思いました。

余談ですが、誕生日に俊くんからペン貰ったの嬉しくて稽古から本番までずっと使ってました。脚本の書き込みはかどったのは俊くんのおかげです。


泥棒役の鈴木卓巳くん

泥棒…吾郎役のたくみくんです。つまりは、彼中心の物語ですね。なので、超重要ポジションを担っていたのがたくみくんです。

初対面は、なんかめちゃめちゃ語るタイプやなと笑。

たくみくんの役作りって、とても感情の流れを大切にしてる感じです。なので、感情が追い付かないと、間が伸びる伸びる。感情がしっかり追い付くまで次に進めない。

で、普通ならなんとなくそれっぽいことしながら、先に行っちゃうんですよ。滞るし。ダレるし。

でも、たくみくんは行かないんです。行かないのか、行けないのか。で、だからこそ、感情が追い付いた時の爆発力がもう物凄い。

それってとても本来正しい姿なんだろうなって思います。小手先でもなく。テンプレでもなく。体当たりで役を演じる。

全身全霊で感情を舞台の上に乗せていく。
とても大切なことなのに忘れちゃいがちなんだよな…。だって人間、感情を出すの怖いし、出して否定されたら心に深い傷を負うし、大人になればなるほど仮面をつけるのが上手になってしまう。

でも、たくみくん見てると、怖がってる場合じゃないなって思いましたね。

ちゃんと傷付こう。
ちゃんと信じて飛び込もう。
それが、「舞台を生きる」ということなのだから。


幸、萌奈美役の佐藤彩奈ちゃん(前)

「おいもっといい写真あったやろ」って怒られそうですが、僕の好きな写真ですので明後日の方向見て誤魔化します。

あやなちゃんの初対面は…「従姉妹に似てる…」でした。似てるんですよ…。

僕のめちゃめちゃ好きな役者さんです。
好きすぎてまわりに「露骨に贔屓してる」って怒られる始末です。仕方ない。演出家だって人間だもの。お気に入りぐらいいます。

あやなちゃん、ぶっちゃけ全く器用ではなく、走ればドタバタするし、抱きつけばタックルになるし、段取り複雑になるとフリーズするし。「あやな走り」って単語が出来るレベルでドタバタ。本番足つるし。なんて面白いんだ。

で、でですよ。それを補う有り余る努力、根性、パッション。

力技です。強引に全てを根性で乗り越えてくるタイプです。

ぶっちゃけもなみとか、そんなに中心になる役では無かったんですよ。戯曲構造的に、きらら、カツミ、けいみょん、たまさん。ここが中心の物語なのでした。が、

日に日に増してくる存在感に、あれやって、これやって、ってやってるうちに、むしろヒロイン枠にまで成長してました。

凄くないですか、これ。
世界の構造を変えた女ですよ。
未だかつて無いです。
未だかつて無いあやなです。

努力と工夫で何とかする。って、物凄く大切なことだと思うんですよね。人間って平等じゃないんですよね。だけど、努力と工夫は、みんな出来るんです。でも、それを本当にしっかりやろうとすると、いやほんと大変。

あやなちゃんは、それをしっかりとやりきる人で、結果的に凄くいい役が爆誕しました。嬉しい誤算です。

自分の話挟んじゃいますが、今でこそ脚本書いたり音響やったり、制作も役者も作曲も色々やる僕ですが、最初はいつも例外なく笑われてます。なんならセンス無いよ?とまで言われたことも1度や2度ではないです。

でも、そこでやめてたら、今の僕は空っぽだったんだと思います。

だから、ドタバタしながら弄られながらもしっかりと前に進んでいくあやなちゃんの芝居に対する姿勢が僕は本当に大好きなのです。


ゆう、リョーコ役の室谷佳代子さん

みんな大好きかよこさんです。
初対面は随分昔で、その頃は旧姓でしたね。
「ギャルだ…」と思ってました。
なんなら今でも思ってます笑

かよこさんの魅力ってマジ存在感です。
役として、そこに居る。いや、在る。
異論無いですよね。ほんと凄いです。
そこに居る感。

ゆうさんとリョーコってだいぶ触れ幅ある配役だと思うんですけど、そのどちらにも確固たる存在感を出してたのほんと凄いなと。

頭の回転めっちゃ早いって感じです。
直感的にスパーンと場に馴染んじゃう。
さすがのB型というか。数学脳というか。

身体の使い方も上手で、ちょっとした所作が美しいというか、POPな感じがあります。ダンスなんかずっと見てられるって感じです。

劇団員の陰謀により、黒ヒゲでは全くまわってこないラブシーンの相手役がかよこさんでとても楽しかったです。なんか、こっちが仕掛けたら、ちゃんと拾って生かしてくれるし、こうしたいあぁしたいってのをちゃんと言葉にしてくれるし、あのシーンの面白さは間違いなくかよこさんの力です。

最初の稽古の時のおとなしいかよこさんから打って変わって、本番ハジケ祭りしてたのを微笑ましく音響席で見てました。酒酒飲め飲めもっと飲め~~。


ヨシ、長官役の山田織江さん

織江さんです。
初対面では、気のいいおばちゃんって感じで、今ではそこにひと癖合わせてファンキーで優しい織江さんって感じです。

今回黒ヒゲに関わって最も「やっちまった」って思ったのは織江さんじゃないでしょうか笑。本当に役作り大変な役をお渡しししてしまったなぁ…と。反省はしてませんが、申し訳なさでキュンキュンします。

織江さんの魅力はなんといっても等身大の存在感だと思います。座布団一個投げるのでもあの説得力!あぁ、いるいる!みたいな風に思わせる説得力。

ヨシさんならわかるんですが、長官にまで漂う「こういう人いる~~」って感じなんなんですか笑。謎の説得力です。飲み過ぎ肝炎になってそうです。本人飲まないのに…。

おそらく、織江さんの人生の重み、みたいなのをそのまんまお借りした形の舞台になったのかなって思います。役者として、というのを飛び越えて、人間的魅力。人間的な温かさ。そういうのが舞台にまんま乗っかってた気がします。

それって、ちゃんとしっかり生きてきた人に宿る宝物みたいなものだと思ってて、そういう素敵なものを舞台に組み込めたってのはとても贅沢な想いをさせてもらえてるなって思いました。


泥棒物語、作演出、モナリー役、出雲三和さん

みわさんです。写真からも漂う気品…

と、まぁ、あちこちから三和さんになにさせとんじゃ!!って苦情来そうな感じで、凄い人です、ほんと。

三和さんの凄さは僕より皆が語り尽くせる所だと思うので、あえて今回は三和さんの、作家、演出家として参加させてもらって思った事をつらつらと…。

青春座さんの作品は今まで何回か見させてもらってて、その時は石原先生の作風なのですけど。

初稿を頂いた時、あぁ、石原先生の意思を受け継いだ作品を今後青春座さんは作っていく感じなんだなって思いました。

で、それが、2稿、3稿となってくうちに…。

「石原先生を受け継いだイズム」から、「三和さん」の作品として昇華していく、そういう流れを間近に感じることが出来たのは、とても貴重な経験でした。

作家も演出家も、やってみた事ある人は深く頷いてもらえると思うんですけど、物凄いプレッシャーの中に生きているんですよ。もう、毎日眠れないわ吐きそうだわ。

でも、そんな中で何にすがって突き進むって、想いの力以外無いんですよね。仲間、お客さん、そして、脚本を信じる力。

三和さんは本当に孤独な闘いをしていたと思います。その中で、三和さんの「助け人」がしっかりと路を照らしてくれるところまで辿り着いたのは、孤独な旅路を手を繋いで歩いてくれた仲間たちの存在が本当に大きいんだなと感じました。

今回、一緒に参加させてもらって一番感じたのは「伝えるべき事はちゃんと伝えていく」という三和さんの信念がちゃんと形になって現れていたんだと。それが具現化された空間が青春座さんなのだ、と。

僕は思ったりしました。

そんなわけで、なんとなくまとまったところで一旦筆を置こうと思います。

優花ちゃん、大多喜さん、佐藤さん、黒ヒゲの人達、けいなちゃん、かなちゃん、とらネコさんとの光景もしっかりと胸の中にあるので、落ち着いたらまた書いてみようかな、とか思います。

ではではまたそのうち


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