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鉄道のある風景:冬の大糸線

2010年2月撮影 長野県大町市常盤
JR大糸線安曇沓掛付近

松本行きの普通電車の背後にせまる北アルプス。
写真中央yやや右の双耳峰が鹿島槍ヶ岳。
左の三つの頂があるのが爺ヶ岳。

夏の爺ヶ岳には四半世紀前に上ったことがある。
頂上すぐ手前にある山小屋種池山荘に宿泊した。
小屋に泊まると、様々な人がやってきていろいろと面白い話が聞けたりする。
黒部ダムができる前の黒部峡谷を知る人。
山中でツキノワグマに追いかけられた人。
何千匹ものヒルに追いかけられた人。
登山道を歩くのが退屈で道なき山を歩く人。
生々しかったのは山小屋のお姉さんの話。
朝、元気よく小屋を出立した人が1時間後、血だらけで小屋に戻ってきたという話。
クマに襲われたのだった。
この話は前にどこかで書いたかもしれない。

大糸線に沿って通っているのが糸静線。
糸静線てなんだ?
そんな路線ないぞ。
糸静線、正確に言うと、糸魚川静岡構造線。
本州の中央部分はほかと地質構造が違っていて、その部分をフォッサマグナ(大地溝帯)と呼び、その東端はあまり明確ではないが、西端は明確で、それが糸静線と呼ばれている。
この構造線が地上に現れている(露頭)場所が、大糸線根知駅に近いところにある。
もうほとんど、大糸線の終点糸魚川の近くだ。
数年前、一度見に行こうと予定を立てたが、根知周辺でクマ出没の情報を聞き、とりあえず断念してしまった。
ちなみに山梨県早川町新倉にも糸静線の露頭が見られる。

この写真を撮った時は、安曇沓掛駅から線路沿いに隣の信濃常盤駅まで歩いた。
冬の曇った寒い日だったが、その寒さも気持ちよかった。
大糸線の沿線風景はやはり晩秋の山々が雪化粧し始めるころから、早春の雪形が現れるころまでがよいかもしれない。
爺ヶ岳も種まき爺さんの雪形が現れる。
山名もこの種まき爺さんから。
実際に見てみると、う~ん…。(笑)