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駅風景:川岸駅(JR中央本線)

2009年9月

JR中央本線川岸駅。
長野県岡谷市川岸東にある駅。
駅名のごとくすぐ横を天竜川が流れている。

かつては川岸駅を多くの優等列車が通っていた(通過)が、岡谷-塩尻間を短縮すべく、塩嶺トンネルが1983年開通し、川岸駅のある岡谷ー辰野ー塩尻間は中央本線の支線となり、ローカル列車のみが通る駅となった。
現在では岡谷発着の飯田線直通電車がほとんどで、支線区間を通しで走る列車はない。
現在運行されている2両程度の車両に対し、この支線の各駅はホームが異様に長い。
それはかつてのメインルートであったことの名残り。

この支線がメインルートとして活躍していたころ、この支線は通称大八廻りと呼ばれていた。
その昔、中央本線を木曽谷に通すか、伊那谷に通すか論議され、結局木曽谷に通すことになった。その際、岡谷ー塩尻間を現在のようにトンネルで結ぼうという案があった。
しかし、伊那谷の政治家伊藤大八が、それでは伊那谷は不便になるだけということで、トンネル案を廃案にし、無理やり路線を辰野まで引っ張て来たという話。
しかし、当時のトンネル掘削技術では、5キロもあるトンネルを掘ることは容易なことではなく、辰野経由のルートを選択せざるを得なかったという話もある。
当時の日本最長トンネルは中央本線笹子トンネルで長さは4.6キロ。
笹子トンネルは路線を迂回させる地形もなく、掘らざるをえなかったろうが、こちらは、遠回りにはなるが迂回させることが可能な地形があった。

昔ながらの川岸駅舎は、昨年、簡素な駅舎に建て替えられてしまった。
その方が管理しやすいのだろうが味気なくはある。