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ここ、どこだよ? その四

2015年1月、雪の降る日。
短いホームに列車を待つ人二人。
ここ、どこだよ。
これでどこだかわかる人は、地元の人かよほどの鉄道マニア。

ここは、北越急行ほくほく線魚沼丘陵(うおぬまきゅうりょう)駅。(新潟県南魚沼市野田)
この辺りは積雪の多いところではあるが、越後湯沢辺りに比べれば平野部なので積雪量は少ない。
このホームの向こう側には魚沼の水田地帯が広がり、その奥に八海山がそびえる。
そんなロケーションもこんな天気ではなにもみえない。

ほくほく線はトンネルが多いせいもあるが高規格で雪にも強く、上越線や信越線飯山線が降雪で止まっても、ほくほく線だけは動いているということがたびたびあるらしい。

この写真を撮る以前の秋に、この駅で下車して辺りを少しばかり散策したことがある。
背中にザックを背負いカメラを持っていたためか、地元のじいちゃんが声をかけてきた。
必然的に(笑)米の話になった。
「魚沼でも(魚野川の)東側よりこっち(西側)の方がうまいんだよ。」
と、米自慢。
日の当たる時間で美味さが違うのか、地質や水の違いで美味さが違うのか、そこまで突っ込んだ話にはならなかったが、とにかく、魚沼でもこの辺りの米が一番美味いと自慢していた。

越後湯沢駅構内には多くのお土産屋があり、米も売っている。たった2合ほどで千円近くする米を買ったことがあるが、さすがにびっくりするほどうまかった。

以前も書いたが、新潟県内の飲食店でまずい米を食わされたことは一度もない。しかし、おいしい米の上に載っているとんかつがいまいちだったり的なことはあった(笑)。
米がまずければ、一見さんは騙せても、地元からは総スカンを食らうのだろう。

さて、この魚沼丘陵駅の隣駅は美佐島(みさしま)。
めずらしいトンネル内の駅だ。
といっても、土合(上越線)や筒石(旧北陸本線、現トキてつ)のように改札まで一苦労の距離があると言うほどの深い駅ではない。
地上に出ると山の中で、駅前に道路が一本だけの殺風景な駅前だ。

トンネル駅美佐島のホーム

かつて、東京ー金沢への最短ルートであったほくほく線だが、北陸新幹線開業と同時に在来特急「はくたか」は廃止され、ローカル赤字線になってしまった。
北陸新幹線金沢延伸を見据え、はくたかの走行の利益をストックし、はくたか廃止後20年ほどは安定した経営ができると聞いていたが。そのあとは果たしてどうなるのか?

頸城、妻有、魚沼を結ぶレール、その運命は…。