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清少納言による明るい小説を読みたかった

今年の大河ドラマ「光る君へ」は、珍しく平安時代を描いたドラマで、大変興味深く毎週欠かさず拝見しております。私が注目しているのは、ファーストサマーウイカさんが演じる清少納言です。清少納言は、あの時代には珍しく、夫と子供を捨てて自由な生活をしておりました。近代の明治・大正よりも平安時代の方が女性が動きやすかったと言えるでしょう。
さて、清少納言の「枕草子」ですが、徹頭徹尾明るい話で、中宮に関する都合の良い話で終始しており、この点で人間のありとあらゆる面を描いた「源氏物語」とは全く性質を異にするものだと思います。その点は脚本家の大石静さんも指摘しているところです。
https://bunshun.jp/articles/-/72320
しかしながら、名門清原家に生まれ、十分な教養を身につけている清少納言が、小説を全く書けないなどということはなかったでしょう。おそらく、関白道隆や中宮定子との関係等で必要であればればかなりの名作をものにできたのではないかと思います。そして、それは「源氏物語」とは全く意味するところが異なる明るくい物語で、現実はともかく、読者に勇気を与えてハッピーエンドに終わるような話を、清少納言なりに深く構想して書いたのではないかと思われます。
中宮定子がなくなった後、清少納言は第一線から退いてしまいますが、紫式部と対抗するような作品をぜひ何か物語を書いてもらいたかったと思います。私はその幻の物語が思いあたりませんが、大石先生にはこの辺りを少し書いていただきたかったと思い、残念に思っています。

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