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algo2020
人が増えずに仕事を増やされる公務員、まさに「飢餓輸出」
近年、人手不足が深刻化し、多くの企業が待遇改善に力を入れているように感じます。より多くの人材を確保しようと、様々な取り組みが行われているようです。しかし、そんな中で、いまだに人材不足に悩まされているのが、公務員の世界です。
ここ20年ほどの間に、公務員の世界は効率化の名のもとに、人員削減が繰り返されてきました。その結果、必要なところに人が回らず、業務が滞ってしまうという事態が頻発しています。特に、市町村合併に伴う人員整理では、ただ数を減らされるだけで放置されてきました。
この人材不足は、災害やコロナ禍において深刻な問題となっています。現場では、人員が足りず、他の自治体から応援を要請せざるを得ない状況が続いているのです。これは、本来の目的を見失った、本末転倒な状態と言えるでしょう。
今後、行政の業務はますます多様化し、決して減ることはありません。にもかかわらず、人材を増やそうという動きは、ほとんど見られません。上層部は、人材の増員に消極的で、特に人事や財政といったエリート部門では、わざと人員を削減し、少ない人数で膨大な仕事をこなさせることで、自身の存在意義をアピールしようとする傾向が見られます。
このような状況は、まるでスターリン時代のソ連における「飢餓輸出」を彷彿とさせます。国民が食糧不足に苦しんでいるにもかかわらず、外貨獲得のために農産物の輸出を続けたという、非道な政策です。
私たちは、このような事態を歴史の教訓として捉え、決して繰り返してはならないと学んできたはずです。しかし、行政の世界では、それと全く同じようなことが起こっているのです。人材を増やさずに、仕事量だけを増やしていくという、非現実的な政策が実行されようとしています。
この状況に、私は深い絶望を感じています。