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あやとり家族七十四〜石鹸1個で全身を洗う生活の始まり〜


一人暮らしの準備

住まい探しを始めた。とはいえ借りるお金すら持っていない。
礼金がないところ、どこに住んで良いかもわからない
果たして借りることはできるのかの不安。

住むところなんてどこでも良かった
取り合えず安いところを探し当て、内観しにいく
思ったら行動は早い

同時進行

この間にもまだ、無視され続けながら一緒に住んでいる状態
必要時以外は部屋から出ない
トイレはギリギリまで我慢して、人がいない時を狙ってトイレへ行く
お風呂も家では入らず、銭湯に行った
ご飯は自分で作っていたけれど、キッチンの使い方で文句でも言われようものならと考えると、自然と使うこともやめた
買い食いしては、そのゴミすらも家では捨てず外で捨てるようになった
非常にストレスの多い状態
早くこの苦痛から逃れたい、この一心だった

契約完了

なんとか家を見つけ、書類審査を行う。パートで週3日しか働いていない、勤務年数の欄には7ヶ月と記入。こんなんで借りれるのかと言う不安
そして結果は、看護師ということで審査が通り借りることができた
もちろん借りるためのお金は全てローンを組んだ
初めてのローンだった
だけど良いこともあった。先に契約していたから、お風呂だけはこの新居に入りに来ていた。とても楽、誰にも気を使わないですむ
お金がないから、石鹸を一つ買って髪も体もそれ一つで済ませる
もちろん髪はギシギシになる
だけどそれでも無視される環境にいるより幸せだった

苦痛の上の苦痛

離婚、無視、お金がない、ローンを組む
一塊にして押し寄せた
それでも海外にいた時に、元夫と連絡が取れなくて不眠になったこと
お金がなくて日本に帰れない状況で母が助けてくれなかったこと
その苦痛にも耐えきって、今こうしてとりあえず息はまだできている状態
虫の息ではあったが、自分の自由のために耐えるしかなかった

家を出ることを報告

ドキドキして話したこと、思い出すと今でもドキドキする
双子の姉とその彼氏に一ヶ月ぶりにメールした
”今日大事な話がある、何時になっても構わない”
夜遅く二人が帰ってきた
「家を出ていく、今までありがとう」
「もう契約したの?」
「した」
「いつ出ていくの?」
「明日」
「荷物は?」
「大丈夫、そんなにないから」

引っ越すことは決めていたから、少しずつ荷物は運び出していた
いつでも夜逃げできるスタイルで生活している私は荷物が少ない
ミニマリストと言われるのはしっくりこないが
シンプリストならしっくりくる


二ヶ月後に和解

和解したきっかけは、無視していた姉の彼氏からの連絡だった
「すまなかった、あの時は忙しくて自分もいっぱいいっぱいだった、本当にごめん」
もう過ぎたこと
だからもうどうでも良かった
この二人は、無視する状況を続けていたことで、私が家から出ていくと想定していたとこの時告げられた
当たり前だよ、”私じゃなくても誰でも出ていく”って伝えた

自由は不自由

自由な生活になったとはいえ、お酒とタバコ意外は相当ケチった生活
半年経ってようやくシャンプーが買えた
精神的にズタボロで意欲もない
それでも飲んだくれて酔っ払って、何もしない週4日の休みが苦痛になってきた
なんでもそうだけど、同じことずっとしていると飽きてくる
私はこれを待っていた

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