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あやとる家族58〜宗教に入らないと結婚させません〜

タイミング

ジンにとっては私のことが、鬱陶しくなる場面が多くなっていた
その隙を狙ってか、兄のレンがよく来るようになった
二人で音を作っていたからだ

二人で創作している時はとても楽しそうで
おやつや飲み物を持っていっても喜ばれた

人がいる時はできる彼女風をアピールしていたのかもしれない
あんなに嫌がっていた兄との関係も良好になっていった


二人で楽しそうにしているものだから嫉妬することもあった
そのうちレンの家に音を作りに行くことが増えていった
原因はもちろん私
邪魔してしまうから。自分でわかっていても止められない

こんなことをしていくうちに、ジンはレンから”脱法ハーブ”を勧められ始めるようになった

当時はまだ規制はなく話題として盛り上がっていた時代
それで次第におかしくなっていった

仕事をサボったり、怒りやすくなったと思ったらヘラヘラし始めたり
いつもそう、悪い影響はレンから来る
これはジン本人が言っていたことだ
だけど断ることができないジンは、言われた通りにしてしまう

私はレンからジンを離したかった
彼もそれを望んでいた


親子揃ってADHD

彼の父親はジン名義のカードを勝手に作り借金をしていた
身に覚えがない取り立てがきて発覚したが、彼の父に返済する余裕はない
ジンはそれを知った時に激怒したが”今まで育ててくれた恩恵もある”と
その借金を自ら返済していたが、何しろお金に関してはあればあるだけ使ってしまう性格、返済はうまくいっていないことを知らされた

サラリーをもらっていたジン、「返済のことは任せて」とジンのお給料から
毎月の返済額を決め毎月支払い1年かけてようやく全額支払うことができた
もちろん彼はブラックリストに名前が載っていたため、カードを作ることはできなかった
「すずがいなかったら返済できなかったよ、ありがとう」と言われた
私も”これでジンの重荷が一つ減る”と喜んだ

レンがいない時はこうして二人の道を着実に進めていっていけたのに
レンが来てからはめちゃくちゃになって行く

それでもどうにか私の方に戻ってほしいと、ジンをレンの家からひき離したり
ジンも正気なときは「もう嫌だ」と自ら帰ってきた
こんなことが繰り返されていたが、それもジンの友達の一言で終末を迎えた

「お前いい加減にしろよ、何してるんだよ。すずいなくなるぞ」
この後、一気にジンが変わった
そしてすぐに脱法ハーブをやめ、レンの誘いにも乗ることがなくなり
元のジンに戻っていった

この後、結婚することになるが
それからしばらくしてジンもADHDだということがわかった


結婚に向けての障害

私の母だ。
ジンが私の母に挨拶をしに行った時のこと
一緒に食事をしている最中に突如母は言った
「ジンくん、私がやっている〇〇(宗教)に入るならすずと結婚してもいいわよ」
「はっ?なんでそんなこと言うの」
私は瞬時に怒りをぶつけた、だって結婚と宗教って関係ないじゃん

でもジンは冷静だった
「今はそういう気はありません。宗教を否定はしないです、もしするならその時自分で考えて入るので今は入りません」と大人な対応をした

私の兄が結婚する時、兄の嫁にもそんなことは言わなかった
母はおもちゃである私を結婚してまでもそばに置いておきたかったのである
アダルトチルドレンとしてここまで嫌な思いをさせておいて
まだ気づかない母、これは一生気がつかないだろうと恐怖が芽生えた

ジンにも感謝する、普通だったら嫌になって結婚なんて諦めるだろう
だって、こんなこという母親だよ

ジンは私の本当に良き理解者だった


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