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入社3ヶ月でリストラされた新卒が東大発スタートアップ講座を受講してリストラされた理由を分析してみた話

東京大学発の「FoundX Online Startup School」という誰でも受講可能で無償(!)のオンラインプログラムを受講してスタートアップへの理解が深まったのでその話をしていきます。


はじめに


私について

23卒で新卒入社したスタートアップを業績不振を理由に3ヶ月でリストラに。
(詳しくは以前書いた記事をご覧ください。リストラ当時の心境が詳しく記録してあるのでぜひ。)
その後、プロダクトの改善に貢献できるようになりたいと考え、UI/UXデザインを学習中。


受講の動機

動機は2つありました。
1つ目は、スタートアップの概要とそのパターンを把握することでリストラされた理由がわかるのではないかと考えたから。
2つ目は、ビジネス理解を深めることで今後に活かしたいと考えたからです。


FoundXオンラインスクールって何?


FoundXとは

東京大学 FoundX は未来の世界に必要なものを作ろう - Make Something the World Needs」をモットーに、これからスタートアップを始める・始めたばかり東京大学・大学院の卒業生や研究者向けの起業支援プログラムを無償で提供しています。

FoundX HPより引用

ちなみに、FoundXは「解像度を上げる」でお馴染みの馬田隆明さんがディレクターとして運営されています。


FoundX オンラインスクールについて

おいおい、「東大出てないと受講できないじゃないか!」と思われた方、ご安心ください。 Found Xのオンラインコースにおいては誰でも無償で受講できるのです。太っ腹すぎる・・・!

FoundX Online Startup School は、東京大学 FoundX が提供する、どなたでも学べる無償のオンラインコースです。東京大学関係者でなくてもご登録いただけます。(※東京大学の正規の授業科目ではありません)

FoundX HPより引用


どんな内容?

資料の内容は、基本的にはスタートアップの企業支援プログラムを提供しているYコンビネーターでの教えや資料を元にしたものです。

主に創業期のスタートアップに対して、資金・ノウハウ・環境的な支援を行うことで、スタートアップを加速させることを目的としたプログラムです。

Yコンビネーターとは?
Yコンビネーター(Y Combinator、YC)は、シリコンバレー発のスタートアップアクセラレーターです。
YCはスタートアップに資金、メンタリング、ネットワーキングの機会を提供し、成功企業を多数輩出しています。YCのプログラムは年2回実施され、参加企業は3か月間の集中プログラムを通じて成長を促進し、最終的にデモデーで投資家にプレゼンテーションを行います。YCは多くの有名企業を支援し、スタートアップ界隈でも最も有名な存在の一つだと思います。
また、YCは、DropBox、AirBnB、Twich、Stripeなどを名だたる企業を輩出しています。
そして、現OpenAI社のCEOサム・アルトマンはYコンビネーターの元代表なのです。恐ろしい・・・


どうやって学習するの?

HPでも書いてあるとおり、スタートアップの典型的なパターンや注意点など概要に関して学習できるコース内容です。

基本的にはスライドや資料を読みこみ、学んだことをもとに課題を提出するというスタイルでした。
ただ、この資料のボリュームがかなりあってスラスラ進む感じではなく、空き時間にひたすらやるような姿勢がいいのではないかと思いました。


なんで私はリストラされたのか?:業績不振の理由を考察


ここからは、FoundXでの学んだことを活かして、なぜリストラに至ったのかを分析します。

流れの整理

改めて入社からリストラ、そして現状までの流れを整理します。

<2023年3月 中途社員採用増員>
私が入社する1ヶ月前に中途社員が数多く入社

<2023年4月 新卒社員入社>
新卒社員として入社。
・セールスとサンプル発送チームとしてアルバイトさんをまとめる役割を担う
・すでに中途社員の方から「思ったより数字やばいな・・・」との声を聞く

<2023年5月 固定費をガンガン削る>
・サテライトオフィス、年次総会、アニュアルで行っているイベントへの出展を取りやめる
・かなり優秀な人を入れるものの、入社初日で状況を見て退社(優秀な人ほどすぐ辞めると言いますが、初日とは・・・)
・アルバイトさんの9割をクビにするように指令
・「次はもしかしたら自分たちの番かも」と怯える

<2023年6月 リストラ宣告>
・まさかとは思っていたが「会社維持のために固定費を減らす」とのことでリストラを宣告される
・箝口令が一時しかれる

<2023年7月 完全退職>
・雇用保険の規定期間を満たせず、失業手当をもらえず

〜〜〜時は流れて〜〜〜

<2024年〇月 シリーズAラウンド資金調達済>
(会社バレそうだけど必要な情報なので記載しました)

以上を踏まえて、リストラされた理由=業績不振に陥った原因を考察します。

仮説①:PMF前にスケールしていた

一般的にシリーズAラウンドでの資金調達がPMF達成の一つの基準となリマすが、実際にシリーズAの資金調達ができたのが最近。
スケールした当時(私の入社時期)と比べると一年弱ギャップがあります。
今となっては詳しいデータを見れないので正確なことはわかりませんが、スケールした時にはPMFしていなかった確率がかなり高いと考えられます。

また、採用人数の増加などスケールした結果、人件費の大幅増加で営業キャッシュフローは大幅に悪化したものと推察できます。

さらに、今まではプレイヤーしかおらず、マネジメントできる人材が社内にほとんどいなかったため、チームビルディングの面でも上手くいっていなかったように感じました。
時には、創業メンバーと中途メンバーで激しく口論になっているところも見たことがあります。熱い思いを持った社員同士であるからこそ起こりうる事態ではありますが、チームビルディングが上手くいっていないことの表れだったのだと思います。


仮説②:キャッシュフローが良くないビジネスモデルと後払いサービスにおける滞納と状況の放置

基本的に、前職の企業では商品発注から入金までのリードタイムが3~4ヶ月かかるビジネスモデルでした。
なので、安定した基盤があればどうかわかりませんが、スタートアップのキャッシュフローとしてはかなり厳しいものがあったように思います。

さらに、商品の支払い方法として、「後払い」がありました。これによって、代金の滞納が相次いでいましたが、私が入社する前はそれに対応する人では足りず、放置された状態でした。

また、商品注文後に倉庫在庫に保管できたのですが、ユーザーは在庫にj保管していることを忘れてしまったり、放置していた状況のせいで在庫管理へのコストが膨大に膨らんでいたものと考えられます。在庫の放置に関しても人手を避ける状態ではなく、放置していたものと考えられます。
(しかし、これらのキャッシュの管理は生命線だから放置するのはいかがなものなのか、と今なら思います)


受講した学び


実際に受講して学びが3点あります。

1点目は、スタートアップ経営は想像以上にしんどいということ。
スタートアップ経営者ってなんだかキラキラした六本木のクラブで遊んでるみたいなイメージが世間にはあったりすると思うんです。
スタートアップ経営は、かなーり苦痛を伴うギャンブルなので、お金持ちになるための方法としてはいい手ではないようです。

自分が実際の目で見た社長は、自身のために働いているような人では決してなく、困っている人のことを理解してビジネスの力で困りごとを解決し、幸せな世界を作ろうとしている人でした。自分自身の欲求のためにスタートアップ経営なんて絶対にできないと感じました。


2点目は、リストラ自体は悪いことではないこと。
Google、Apple、Amazonなどの海外の超大手企業なんかではよくレイオフとして従業員の首を切ります。一見酷いように見えるけど、むしろ資金が底をつくまでの猶予期間をしっかり把握し、従業員を切るという決断ができることは経営者として優秀なんだと思います。

別に雇いなおしてもいいもんね。(再雇用になることはそんなになさそうだが)

むしろミッション・ビジョン・バリューに対して、一貫したスタンスで臨んでいる中での一つの判断としてリストラされたのだということが腑に落ちました。


まとめ


身バレ防止のため、詳しいことが書けずよくわからない内容になっているような気がしますが、いかがだったでしょうか。
「FoundX Online Startup School」の受講を通じて、スタートアップの厳しさやビジネスの本質の理解にほんのすこーーーしだけ近づいた気がします。
リストラされた経験を振り返りながら、スタートアップの成功には様々な要素が関わるんだな〜ということを学びました。このプログラムは、スタートアップに興味のある方やスタートアップに新たに入社される方にとって貴重な情報源となると思います。
自分のスキルや知識を高め、成功への一歩を踏み出すためにも、積極的に学び続ける姿勢が今後も大切だと感じました。


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