見出し画像

帯短・襷長族の受験

本日は資格の試験の日。

天気予報は晴れ。
本当に久しぶりの朝から晴天。

前日に洗濯をタイマー予約し、朝起きてすぐに干す。

真人間の所業。
美しすぎるな。

晴れやかな気分で試験会場に向かう。
試験は朝イチの時間を指定。
めんどうなことは早めに片づけるに限る。

試験時間は120分だが、60分もあれば終わるだろうと思っていた。
ちなみに、通しで全問解いたことは一度もない。
所要時間の感覚なんてまるでなかったが、
まぁいけるっしょ!さっさと終わらせて帰ろ帰ろ!くらいに思っていた。

110分かかった。
あっぶね。

疲弊がすごい。
開始30分で完全に集中力が切れた。

好きなことですら2時間の集中がしんどくなってきたお年頃。
好きでもないのに2時間も集中できるわけがない。

あと試験会場がうるさい。
普通にうるさい。
会場の外から、ご年配の団体さんがキャッキャとはしゃぐ声が聞こえて来る。

団体で受験する人たちなんだろうか?
それとも全くの別件で訪れた人々??

机に用意されていた使い捨て耳栓の意味を理解。
この手の試験何回か受けてるけど、お前、このために居たのか。
初めて知ったよ。

こんな感じで集中できない言い訳を探し始めたらもう終わりだ。
試験中ずっと(なげぇ、なげぇな)と(早く終わんねぇかな)を繰り返していた。

早く終わるかどうかは自分次第だよ、がんばれおれ。

なんとか時間内に最後まで完走し、あとで見直そうと思っていた問題も当然のように見直さず「完了」ボタンを押下。

スコアが表示され、無事クリア。
合格ラインぎりぎり。

いや合格なのかよ。

確信を持って答えた問題がほとんどない。
(これじゃないかな~?)(これだといいな~??)の連続。

終盤の長文問題にいたっては本当に読むのがめんどうで、
(はいはいはいはいコレコレコレ!!)とテキパキ(?)処理をする始末。

ダメだろこんなヤツ。
落とせよ。

まったくもう!節穴かよ!ザルかよ!!と試験批判を始めたが、
おれが批判すべきは試験じゃなくて、適当な勉強しかしないまま試験に臨む自分自身だということは、おれ自身が一番わかっているよ。わかっているんだよ。

試験に対してプリプリと怒ったのも束の間、自腹を切って試験を受けたことを思い出す。無職の身でそれなりのお値段を支払ったのだ。

一転、怒りは喜びに変わる。

よかった~~~!!
心の底から落ちなくてよかった~~~!!

人は金が絡むと感情がジェットコースターになるね!!!

ギリギリだろうが合格は合格だ。
もらえるもんはありがたくもらっとけ。
無職の辞書に遠慮という言葉はない。


「本質は理解はしてないけど一応合格は合格」というのを繰り返す人生だったな、と振り返る。

デンマークの天文学者ティコ・ブラーエが発見した「アル・アラーフ」という超新星があるそうだ。
この星はイスラム教のコーランでは天国と地獄の間にあるとされていて、「地獄に落ちるには善良すぎるが、天国には適さない人々のための場所」とされているらしい。

この「帯に短し襷に長し」感がおれにピッタリ。
アル・アラーフにはおれみたいな「帯短・襷長族(おびたん・たすきながぞく)」が集結しているのだ。
半端者たちが寄ってたかって、自身の中途半端エピソードを披露している。

「やればできるってよく言われてたんだよ~」
「おれもおれも!」
「本気出せばすごいこと成し遂げたと思うんだよね~」
「おれもおれも!」
「でも結局やらないから何も成さないんだよね~」
「おれもおれも!」

『でも、そういうゆるさがおれたちのいいとこだよね~』

帯短・襷長族は自分に甘いから他人にも甘い。
みんなゆるくてみんないい。

傷を舐め合おうぞ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?