安室透そこまで推しじゃないなあというコナンファンにこそ寧ろ読んでもらいたい「ゼロの日常」
名探偵コナンの安室透スピンオフ「名探偵コナン ゼロの日常」は当然の如く名探偵コナンの一登場人物である安室透の日常が描かれるわけだがー殺人こそ起こらないものの普通の人々にとっては”日常”とは言い難い出来事の連続なのだが超人安室にとってはそれもまた日常に過ぎないのだー本作の魅力は彼だけに留まらない。
寧ろ安室透という出来すぎた完璧超人によってたくさんの”濃い”人物が登場するコナン世界の脇の脇の人たちに焦点が当てられる
梓の兄、弁護士の助手、キャメル捜査官、勤め先で不幸が起こる家政婦・・・いずれも本編では被害者、容疑者もしくは職務を全うする仕事人でしかない
しかし彼らにも日常を生きる権利はあるのだ
そう、米花町でも普通の人のささやかな日常がある。
探偵でも警官でもない普通の人たちの犯罪都市No.1で生き抜くたくましさを強く感じる
いつ勤め先で殺人が起こってもおかしくないし、コンビニ強盗、銀行強盗に巻き込まれるかもしれない
自分の身も、家族友人も今日明日いなくなってもおかしくない
やられるかもしれないし場合によっては犯罪をおかす側になるかもしれない
そんな中で料理や買い物やサウナに入ったりする世界なのである
このようなことはもっとメタ的に「名探偵コナン 犯人の犯沢さん」で指摘されてるかもしれないがいい話系日常ストーリーだからこそ沁みるものがある
こんな狂った世界でも名もなき人々(名前はある!)が一生懸命生きているんだ・・・私もがんばろう!と純粋に思えるのだ