シンガポールで大勝負!? 生活を賭けていざ決闘!#4 緑を愛し、緑に愛された男! ルーレットでまさかの一攫千金!?
前回のおさらい
ついに幕を開けたシンガポール。
相変わらずの図々しさで、ここまで使ったお金はまさかの0である。
そして、ついに一行は決戦の地マリーナベイサンズに降り立つ…!
マリーナベイサンズの前で降ろしてもらうことになった。
覇王「じゃあ5時30分にまた迎えにくるから」
御曹司「おっけー」
現在、13時30分だったので、カジノ時間は4時間ほどか。
十分だ。
星野が移動中の車内で考えていたことがある。それは、今日を勝負の日にするのはやめようと。勝負とは文字通り、派手にかけて持ち金を全て積極的に使っていくスタイルのことである。
それはなぜか。
今日大敗を喫すると、この後のシンガポール旅行全体のQOLがバカ下がるからだ。
これにはある一つの経験が大きく関係していた。
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去年の夏、マカオに行った時のこと。
3日間のうちの2日目の夜、ホテルをとって休息をとる高校同期をよそに、カジノ禁断症状から一人カジノに繰り出したおバカさんがいた。
今でも鮮明にあのシーンを覚えている。
あの時に戻れるなら、自分で自分を殴りたい。
そのカジノではアホほど勝てず賭け金もどんどん上がり、気付いた時には、衝撃の10万大敗。
笑えない。まじでこの世の終わりみたいな顔をしていた。
カジノを後にし、地べたに座る。力が出ない。
口をポカンとあけ、天を見上げる。
だが、空からお金は降ってこない。
夜風が身にしみる。うっすらと涙が浮かんできた。
その後、帰る飛行機の時間(早朝)までお金がないため、ホテルも取ることもできなかった。
虚しい。
行くところもないため、空港のベンチで寝ることにした。ベンチが冷たい。
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もうあのような思いはしたくないのだ。
そんなことから、この日は1万円勝ったら必ずやめると心に決めていた。
勝負は最終日に取っておこう。
カジノの中に入る。流石マリーナベイサンズ、圧巻の規模だった。
3階建てで、上にも下にも無限にテーブルが広がっている。チップの音がジャラジャラと響かせる。
なんと心地いい音なのだろう。
各テーブルに目を向けると、結果に一喜一憂する大陸系のおっちゃんとそんな大勝負を見守るギャラリー。
自分たちと同じ年頃の日本人学生もちらほら見られる。その顔は真剣そのものだ。
彼らは、ブラックジャックをやっていた。1枚ずつ必死に考えている。
おい少年。そこは、スタンドじゃないヒットだ。なぜディーラーアップカード9でプレーヤーカード13でスタンドなのだ。
こういう人を見ると自分はつくづく思うのだ。
なぜカジノに来る前に予習しないのだ。勝ちたくないのか?
ベーシックストラテジー(ブラックジャックの戦術)を完璧に暗記しないのか??
受験の時はどうだった?
きちんと志望校の過去問を研究し、相手の手の内を知った上で、勉強する。
そうじゃなかったか??
カジノも勉強と同じだろう???
ちなみに星野は浪人した。
そんなことを思いながら、まずはカジノを1周することにした。
軽くシンガポールカジノに行く人のために情報をまとめておきたいと思う。
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バカラ
1階と2階に100台はある。
最低ベットは2000円から。空いてる台から、こいつら仕事はどうした?って人達が群れてる台までたくさんあるので自分のプレースタイルに合わせて、台は選ぼう。
また、各フロアの中央には大きな画面上のタッチ操作で書けることのできるエリアが存在する。
まだ始めたばかりの人はここで肩慣らしするのを勧める。
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ルーレット
ルーレットも非常に台が多い。
しかし、ルーレットにもいろんな種類があるので注意である。
大きく分けると3つ
1. アメリカンルーレット(緑の0と00があるもの)
2. ヨーロピアンルーレット(緑の0オンリー)
3. サンズルーレット(緑の0と00の間にSという謎の番号がある)
期待値的には2>1>3である。
最低ベットは250円からできるので大変初心者に優しいギャンブルである。
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ブラックジャック
台自体は1階にも2階にもあるものの、最低ベットがフロアによって異なる。
1階は基本的に5000円からで2階は2500円なので断然2階をすすめる。
他にもスロットやタイサイ(サイコロ3つの出目を予想するゲーム)、3カードポーカー、テキサスホールデムとカジノゲームがたくさんあった。
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読者の要望があればここらへんの細かい話もしようかなって思う。
カジノを1周し、メンバーズカードを作成した。まずは肩慣らしにルーレットをやることにした。
席に座り、お金をチップに変えてもらう。1口250円から賭けられるのだが、6倍以上のところにしか賭けられないらしい。赤か黒など2倍の箇所は1000円かららしい。
韓国に比べ条件が厳しい。
自分らはルーレットの中でも、サンズルーレット(緑の0と00の間にsがあり、3連続になっている)のところに座った。期待値的には全く考えられないところに座ったのである。
席が空いてるから。なんとも偏差値の低い判断。
だが、この後奇跡がおきる。
正直23や8とかに賭けても、軽く老眼も入ってる星野はボールを目で追えない。ルーレットの楽しみ方は、ボールを最後まで目で追うことである。
目にも優しい緑に集中的にベットすることで、リアルタイムでボール動きを追いやすくしたのだ。
緑に250円を置く。あたれば12倍で3000円。
星野の高校時代のお小遣いである。
バイト2時間分である。
ちなみにカジノでこれを考え始めると日本で働くのがバカバカしくなるのでやめよう。
1回目、チップをかけ終わった後にディーラー(おばさん)が
「ノーモアベット」といいながらだるそうに球を弾く。
ディーラーはおそらく時給制で働いているのだろう。無気力おばさんすぎた。張り合いが欲しい。
ボールを目で追う。
星野「緑緑緑緑緑緑緑緑緑緑緑緑こいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
おばさんにうるさいと注意される。萎える。
コロンカタカタカタカタ…
15
250円が消えた。
まぁ当たらんかと思う隣で大量のチップを獲得している奴がいた。
御曹司である。
御曹司「なんか当たっちゃった。ハハハ」
4000円ぐらい増えてる。羨ましい。
ビギナーズラックが発動していた。
2回目。もう星野は緑しか賭けない。
おばさん「ノーモアベット〜」
もうちょっとでいいからやる気出してくれ。
星野「緑こいこいこいこいこい!」
コロコロかたかたかたかた
球の軌道は綺麗に緑エリアに入ったのだ!!!!!!!!
プラス3000円である。念力が通じた。
これで完全に味を占めた星野は、その後もなんとさらに2回緑を当て結局プラス7000円ぐらいになった。
ちなみに御曹司は調子に乗って500円ベットを始めたのだが、中々当たっていなかったようだ。
みるみるチップを減らす。
やっぱりやめ時は重要だと思う。
終わりの時間が近づいてきた。このまま帰ってもよかったのだが、
ブラックジャックの横を通り過ぎた時
「(1回勝てば2500円プラスで、1万勝ちになるんだよなぁ)」
悪魔のささやきだ😈
吸い寄せられるようにブラックジャックの台にすわる。
トシ「ブラックジャックやるんかい!」
星野「1回だけ!」
トシ「1回だけだよ」
お母さんみたいな優しさ。
今思えばよくこの1回で辞められたもんだ。止めてくれた2人には感謝である。
2500円相当のチップを置く
さっきのルーレットの10倍
ディーラー: 9
星野:5 9
は?めちゃくちゃ運悪いやんけ。
幕開けは最悪だ。
ブラックジャックにはベーシックストラテジーと言われるいわば定石みたいなものがある。この場合プレーヤーアクションはヒットである。
星野はベーシックストラテジーを完璧にインプットしていた。
その記憶力をもっと勉強に役立てておけば…
やめよう。虚しくなる。
星野「ヒット」
7こい7こい7こい6でもいい。でも7こいこいこいこい!!!!
ディーラー: 9
星野:5 9 7
7がきたのだ!!!!!!!
14と7で21!!!!!!
圧倒的勝利🏆
思わず「んおっ」っていう気持ち悪い発声をしてしまった。
ディーラー: 9 10
星野:5 9 7
2500円の勝利である。
最終的に
1万弱の勝利であった。
テンションマシマシである。
トシ「星野さん勝ってますやん」
星野「まぁ当然といえば当然」
完全に天狗になっていた。
当然なわけがない。7がくるのは13分の1。ブラックジャックの21にびっくりしてたのは当の本人である。
正直この後の記憶はそんなにない。多分、テンションが上がりすぎて、言葉が脳を経由せず、ポンポン出るモード(わかる人にはわかる)に突入していた。
ちなみにこのモードの時は大抵つまらない。
その後、夜ご飯へ向かう車内も常に上機嫌だった星野。
チャイナタウンに到着し、ご飯を食べることになった。
覇王は会食があると出かけてしまい、はじめての3人での食事だ。
自腹か・・・・
3人で協議した結果、餃子、ホイコウロウなどたくさん買ってシェアすることにした。
お金は一人当たり320円ぐらいか。ありえん安い。
ご飯を食べていると、向こうに綺麗なお姉さんが座っていた。
後ろ姿で前は見えなかった。
いいお尻してるなぁって思いながら、ご飯を食べていた。
トシ「向こうのお姉さんのお尻見ながら笑顔でご飯かきこまないで」
御曹司「キモいなぁ。ハハ」
星野「そうかなぁ?ハハハ!」
もうみんな上機嫌である。御曹司が買ってきたお酒の影響もあるのだろう。祝杯をあげる。最終日なみのテンション。
ご飯を食べた後は、星野の提案でマッサージエステに行くことにした。
値段は45分で1800円。手頃な値段である。
ちなみにカジノで負けていたら行かないのは確かだ。
ちなみに、このマッサージ、エロサービスは全くない。
どこかの国とは大違いだ。
最初、チャイナタウン到着後、ご飯を食べる前に覇王が交渉してくれて3人で45分5000円だったのだが食後、覇王抜きで行ったら5400円になってた。
おや?ってなったが、仕方ない。
彼らも悪気があってやってることではないのだろう。
ちなみに勝ったからこそのこの寛大な態度である。
肝心のマッサージは超気持ちよかった。
ただ1つ気になるところがあった。
星野のマッサージ担当が途中から片手で足をマッサージし始めたのだ!
年は20前後。鼻筋がしっかりしていてちょっとチャラそうなお兄さん。まだ垢抜けていない部分もある。
星野「(おいおいちゃんと仕事しろw)」
って思いながら、お兄さんの方をみるとなんと片手でスマホFXをやっていたのだ。
ちなみにトシのマッサージ役の人と星野のマッサージ役の人は2人でFXの画面をずっとみていた。
自分のバイト代で投資をしていたのである笑
効率的な時間の使い方をしていた。
大学行っても講義もろくに聞かず、スマホばっかいじってる日本の大学生より幾分マシである。
マッサージが終わり、心も身体もリフレッシュしたところで、お土産を買いにムスタファセンターに行くことにした。
日本でいうドンキの上位互換である。
本当になんでも揃っていた。
てか、さすが御曹司。抜けのない見事なプラン運びである。
店に入る前、万引き対策のためかリュックなどの口を店に入る時に塞がれるのだが、これらだけで万引き対策が十分かと言われると甚だ疑問しか残らない。
ここではお土産用のチョコとブラックジャック練習用にトランプを買ったり、お菓子を買ったりした。
そして店を出てナセルさんの車で、最寄駅まで向かい、そこで今夜シンガポールにやってくるネコのためにケーキを買うことにした。
これも勝っていたからこそだ。
だが、このケーキなかなか高かった思い出。
帰宅後、深夜0時を回るころ、ネコがシンガポールに着く時間。
ネコを迎えに行くことになった。
本来なら全員でお出迎えが筋であろう。
眠気>ネコ
御曹司一人で迎えに行くことになった。
地味にトシもお留守番を選んだ。
トシも眠気には敵わない。
そうして、御曹司が家を出た後、疲れからすぐに爆睡してしまった。
目が覚めた時には、ネコが目の前にいたのだ!
こうしてシンガポール1日目が終わる時にようやく4人揃ったのである。
つづく
第5話へ
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