「統合失調症患者はテレビの内容が理解できない、アニメや旅のドキュメンタリーを見るのが好き?」

記者 神出病院 報道

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「テレビがまともに見れないのは統合失調症?統合失調症の人は、内容を理解したり反応したりすることができず、絵を見たり音を聞いたりすることもできないので、テレビを見ることはほとんどありません。では、統合失調症の患者さんにとってはもっとわかりやすいのはアニメや旅のドキュメンタリーなのでしょうか?」

精神科の病気について何も知らない一般の人からすれば、ほとんどの方がそう思うだろうが、精神科医はそうではありません。なぜそうなるのか、以下ではこの問題について解説してみます。

まず、統合失調症は知的障害ではありません。統合失調症とは、主に思考障害を中心とした精神疾患群で、通常は知的障害はありません。では、このような患者さんは普通にテレビを見ることができるのでしょうか? 答えは大体イエスです。

全身性の正式な治療を受けて、統合失調症の寛解期の患者さんはテレビを見ることができるようになっただけでなく、回復した患者さんは家事や通常の仕事、勉強などもできるようになります。そのため、テレビを見て内容を理解する能力が十分に備わっているのです。

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発症期の統合失調症患者も、ほとんどの場合はテレビを理解することができますが、思考障害があるため、テレビの内容を自分自身に関連付けることがあります。例えば、ある統合失調症患者がテレビで行方不明者の発表を見ると、これは自分以外の誰かから与えられた特別な信号だと考え、自分の行動がすべて監視されていることを思い起こさせます。

一方、統合失調症の慢性衰退期では、慢性的な状態にあるため、単純作業や簡単な計算を間違えることさえ困難なほど社会的機能が著しく低下し、知的障害を呈することがあり、テレビを見たり、その内容を理解したりすることが困難になることがあります。

まとめて見ると、普通にテレビを見ることができないことを単純に統合失調症だと決めつけることはできません。その証拠には、精神科医の広範な臨床経験と、さまざまな付随的な検査があります。そのため、友人や大切な人が精神疾患を患っているかもしれないと思ったら、遅れないように速やかに診察を受けることが大切です。


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