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買物くん~プリンスオブカイズミ

「こうたろうこうたろう何でもこうたろう」これが僕の口癖だ。

「人生いろいろ」「抵抗勢力」で苦境を乗り越えた偉大な父。

 政治家になるべく期待を一身に受けたことが苦痛だった。

 昭和の大スターゆうじろうを目指したが流石に無理だった。

 父の力を借りたら何とかなったかもしれないが後悔はない。

 二枚目半といった役どころで自分なりに努力はした心算だ。

 父は関係ないと思っているが周囲の目はそうはいかない。

 その思いを断ち切る行為こそ冒頭の科白なのかもしれない。

 父とは異なる分野に飛び込んだので「親の七光り」ではない。

 自分で稼いだカネだから自由に大盤振舞いしても空しい。

「親ガチャだからカネに糸目なく遊んでも痛くも痒くもない」

 感謝して欲しいとは思わないが何となく悲しい気持ちだ。

 ケリーもバーキンもただの鞄だけども庶民には高嶺の花だ。

 実際に持っているだけで特別な扱いを受けるから不思議だ。

 どれだけ努力してもカイズミブランドは僕から離れない。

「しんじろうじんじろう俺をしんじろう」本当に凄い奴だ。

 僕は政治家になるのが嫌で逃げたが弟は素直に受け入れた。

 勉強は不得意だったけど父譲りの「言葉の力」は流石だ。

「クールでセクシー」只管「反省」を繰り返して煙に巻く。

 東京五輪を呼び込んだ「おもてなし」内助の功も欠かせない。

 東京五輪と大阪万博で「夢をもういちど」なんて無理筋だ。

 東西冷戦で「エコノミックアニマル」に徹すれば良かった。

 ソ連の崩壊を受けて潮目は変わったことを受け入れない。

 湾岸戦争以降は経済分野の貢献だけでは認められない。

 イラク、アフガニスタン、ウクライナ米国のATM扱い。

 既に先進国並みに成長した隣国の要求も過大になる一方だ。

 失われた三十年で国民は疲弊し続けるのに大盤振る舞い。

 深刻な少子高齢化対策の目玉は「移民受け入れ」だった。

「地民党をぶっ壊す」もぶっ壊したのは皮肉にも「日本」だ。

「郵政改革」も骨抜きにされて「限界集落」を続発させた。

ワーキングプアの存在も「既存政党」の受け皿ではない。

「同一労働同一賃金」も野党でなく亡きしんぞうだった。

 しんぞうの祖父のぶすけは「昭和の妖怪」と呼ばれた。

 安保闘争を知らない世代は「カルト教団」叩きに必死だ。

「あさま山荘事件」「よど号ハイジャック」震撼させた。

 太平洋戦争は「終戦記念日」で全て軍隊の所為にされた。

 贖罪は回避されて「官僚」「マスコミ」は生き残った。

「戦後騒擾」に警察は無力であり「愚連隊」が立ち向かった。

「風営法」「暴対法」で徹底的に「暴力団」を排除した。

 その結果、繁華街は「半グレ」「外国人」が牛耳った。

 暴力を肯定する訳ではないが「空白地帯」こそ悲惨だ。

 経済には疎いがヤベノミクス失敗の戦犯は財界だと思う。

 円安メリットを内部留保して信用創造の芽を摘んでしまった。

 文楽で言えば人形遣いが官僚で三味線はマスコミだろう。

 話が横道に逸れてしまったので、再び弟の話に戻ろう。

 総裁選挙も現制度で最高の9人立候補する混戦模様だ。

 四十代ではあるが衆院5期で俄に脚光を浴び始めた。

 打倒しんぞうに燃えた万年候補のしげるは食傷気味だ。

 マスコミが過去にゴリ押ししていたたろうも評判が悪い。

 消去法の結果、しんじろうに「白羽の矢」が立った。

 しんぞうの官房長官だったよしひでがキングメーカー。

「神輿は軽くてパーがいい」権勢を誇ったいちろうの名言だ。

 殿様と呼ばれたもりひろ、プリンスと呼ばれたとしき。

「総理にならない方がいいのにね」父も心配している。

 僕もマスコミに身を置いて少しだけ分かったことがある。

 良くも悪くもマスコミは世論を誘導したがる傾向がある。

 前回の「政権交代」はその典型例だったように思う。

「事業仕分け」で注目を集めたが財界と官僚に潰された。

 ウクライナ戦争では全面的にロシアが悪者の役割を担う。

 パレスチナ問題ではイスラエルを一方的に非難し続ける。

 米国大統領選挙ではトランプを叩き、ハリスをゴリ押し。

 対岸の火事には執着する一方で「オータニ」だけしかない。

「メガソーラー」「尖閣諸島問題」臭い物に蓋をする。

 しげはるはマスコミに無視されて推薦人が不足した。

 何とか集まったさなえは「裏金問題」で四面楚歌だ。

 女性の活躍とハリスを持ち上げる一方でさなえを叩く。

 本当に深刻な問題は「外国人パーティー券購入問題」だ。

 普通の国であれば「国益」に関しては一致団結する筈だ。

「国家」あっての「人権」は紛争地域を見れば一目瞭然だ。

「国民」よりも「市民」が優遇される現状は本末転倒だ。

「生活保護」「奨学金」「旅行代金」それだけではない。

「日本人の悪口は言い放題」「外国人の悪口はヘイト」

「同盟国の犯罪は許さない」「それ以外は無罪放免」

「米国追従」を改めるべきだが「虎視眈々」と狙われる。

「チベット」「ウイグル」「香港」見て見ぬふりをする。

「性善説」を信じる日本は「性悪説」が罷り通る世界のカモだ。

「グローバリズム」を「錦の御旗」に変革を迫られる。

「こうたろうこうたろう何でもこうたろう」嘲笑を買う。

 僕の存在と戦後日本の存在が重なるような気がする。

 政治の世界から逃げた僕が政治の話をすべきではない。

「家父長制」は戦後になって否定された、勿論問題はある。

「個人主義」は理解されず歪な「ミーイズム」を生んだ。

「自由」を振り翳すには他人の自由を尊重するのが大前提だ。

 生来の「freedom」勝ち取る「liberty」だ。

「平等」が叫ばれるが実際には能力、性差など色々存在する。

「機会」「結果」では大きく意味が異なるが曖昧な理解だ。

 僕ら兄弟が常に言われ続けてきた親ガチャが典型例だろう。

 苦境に立つと言い訳を思い付くのは父の遺伝かもしれない。

 盲導犬には無償の「母性」と厳格な「父性」が必要とされる。

 物心が付いた頃から僕らの母は不在で父は多忙だった。

 だからといって、それを言い訳にしては絶対にいけない。

「しんじろうしんじろうマスコミをしんじるな」弟に言いたい。

 僕よりも修羅場を潜ってきた弟に今更言う必要はない。

 けれども父の轍を踏んで欲しくないと心から願っている。

 父のブレーンだったへいぞうが色々と発言しているようだ。

 子供を叱るな来た道だ。

 老人を笑うな行く道だ。

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