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不安激怒法螺話

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日常に潜む恐怖を3000字程度で描いています。 「夜、一人でトイレに行けなくなった」等の苦情は一切受け付けておりません。
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#小説

空虚確認~こめとわいわ⑦

「はたちになったらうめだのほら」  今はもうない関西ローカルのCMは「元気してる」と視聴…

糸田三工
2週間前
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黄金街法螺話~タソガレカワタレゴイサギカササギ

 戦後の青線や闇市の残滓である黄金街は片田舎で育った僕には危険な香りがした。  ハードボ…

糸田三工
3週間前
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買物くん~プリンスオブカイズミ

「こうたろうこうたろう何でもこうたろう」これが僕の口癖だ。 「人生いろいろ」「抵抗勢力」…

糸田三工
2か月前
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巌流島の遺恨~メンドウハタシアイ

 歌舞伎町に引っ越した頃なので、随分前の話だ。  それを蒸し返すのだから、僕も相当執念深…

糸田三工
2か月前
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人面梅干し~呪禰怨虞

 本人は真剣に悩んでいるのに、他人に相談すると冗談だと思われるのは本当に辛いことだ。  …

糸田三工
1年前
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覆面調査員~狂気、究極、至高、若しくは孤独

小生は今でこそ落剝しているが、華族の落胤である。幼少期より里子に出され、辛酸を飲め尽くし…

糸田三工
1年前
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キラールンバ~喰い尽くす悪魔

婚約者に逃げられた。  婚約者と言ってもキャバクラ嬢ではあるが、さんざんに通いつめ、部屋の合鍵も貰っていたのだから、単なる客ではない。 もっとも、ナンバーワンキャバ嬢の彼女であり、だんだんと使うカネが少なくなっていった僕を見透かしたのかもしれないし、カネの切れ目が縁の切れ目だったのかもしれない。  彼女と連絡がとれなくなり、合鍵でマンションの一室に入ると、当然彼女はいない。 以前一度来たときには積んであった、僕だけでなく、競合者からの戦利品であるハイブランド品の山も、