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セントレジスホテル大阪宿泊記


1.概要

ホテル:セントレジスホテル大阪
宿泊日:2024年10月27日(日)より1泊
部屋:2316 高層階グランドデラックスプレミエツイン<ビューバス>(ツイン)
予約経路:一休.com
宿泊人数:2人

大阪のシャンゼリゼと呼ばれる美しい御堂筋沿いに位置するセント レジス ホテル 大阪は、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンや海遊館のほか、市内の最高級ショッピング街などの人気スポットにほど近い場所にあります。大阪本町にあるこのホテルは、市内中心部だけではなく、京都、奈良、神戸といった周辺観光地への外出にも便利な立地を誇ります。大阪の5つ星ホテルとして、極上の料理を堪能できる「ル ドール」や「ラ ベデュータ」、鉄板焼レストラン「和城」などのレストランや、贅沢なくつろぎのひとときを体験できる高級スパ「IRIDIUM featuring SOTHYS」も館内にございます。12階の静かなテラスからは、壮大な大阪の街並みの眺望をお楽しみください。全160室の客室とスイートは、大阪屈指の広さを誇り最新のアメニティを備えたひときわ優雅なしつらえの空間です。昼夜を問わずいつでも利用できるセントレジス バトラーサービスが、充実したご滞在となるようお手伝いいたします。

公式HP:https://www.marriott.com/ja/hotels/osaxr-the-st-regis-osaka/overview/

2.チェックイン

 チェックイン予定時刻は15時であり、タクシーにてほぼ予定通りに到着した(図1)。

図1 到着の様子

 到着するとすぐに荷物をポーターが受け取り、館内に促され、12階のレセプションに通された。荷物が客室まで届けられる経路と宿泊客が向かう経路は異なるようであり、荷物は荷物専用のバックヤードのエレベーターなどで運ばれていると考えられる。12階に到着するとレセプションではすでにカウンターでチェックイン手続きが行われており、特に声かけはなかったため、近くのソファーに座って待っていた(図2)。

図2 待ち時間

しばらくするとスタッフに声をかけられ、チェックインを行った。チェックイン担当スタッフに名前を自己紹介され、その後こちらのフルネームを求められた。特に通常のチェックインと異なることはなく、逆に、バトラーによるウェルカムドリンクサービスなどについては触れられなかったためここで知らせても良いような気がした。チェックイン時刻より早く向かったわけではないが、部屋の清掃チェックがあると言われ、レセプションのソファで10分程度待たされた。その後スタッフに誘導されて客室へ向かうエレベーターへ案内され、エレベーターに乗ったタイミングでスタッフは離れた。このためエレベーターから部屋に行くまではスタッフの誘導はなかった。部屋に入ってしばらくすると、バトラーが到着し、ウェルカムドリンクの提案や部屋の中の説明をされた(図3)。

図3 ウェルカムドリンク

この時、最初にポーターに荷物をしてからしばらく時間が経っていたはずであるが、部屋に入ったタイミングではまだ荷物は届いてなかった。スタッフに荷物を届けられた際に、冷蔵庫に入らないため持参の日本酒を冷やしておいてほしいということと、ターンダウンの時間について聞いたところ、ターンダウンについては戸惑ったような表情をして確認すると言って返答はなかった。ターンダウンという単語に対応されなかったのは、単に新人であるためなのか真相は不明である。その後少しすると、先ほど注文したウェルカムドリンクが届き、バトラーは名前だけ自己紹介した。そのため、バトラーは部屋に専属の同一人物が行うものかと考えていたが、実際には毎度別のバトラーが対応され、部屋に1人というわけではないようである。

3.ベッド周り

 ベッドはフットスローが掛かっていない状態であった(図4)。

図4 到着時の部屋の様子

ベッドサイドには、コンセントは1つだけであり、やや物足りない印象である(図5)。

図5 ベッドサイド

ベッドサイドから照明やカーテンの自動開閉などを操作するが、そのコントローラーは棚の中に収納できるようになっており、デザイン性に優れていた。ベッドサイドのランプのみならず、読書灯まであることは評価が高い。文机にはバトラーサービスの概要や、ルームサービスのメニューが置いてあった(図6)。

図6 文机

文机のコンセントにUSBはないものの、通常のコンセントは3つほどあった。電話には通常のホテルのダイヤルに加え、バトラー直通のボタンがあり、基本的に要望や相談があった場合はこのボタンから電話をかけることができる(図7)。

図7 内線電話

クローゼットは、ウォークインクローゼットになっており、十分な数のハンガーや棚が用意されていた(図8)。

図8 クローゼット

4.ミニバー

 ミニバーは大阪らしい派手な金色の棚の中に入っていた(図9)。

図9 ミニバー外観

紅茶や煎茶などはオリジナルまたは京都の有名ブランドが準備されていた(図10)。

図10 ミニバー内容(紅茶類)

その他有料のお酒やジュース、スナックなどミニバーとして不足するものはなかった。グラス類も種々の形が用意されていて、利用で困ることはない(図11)。

図11 ミニバー内容(ドリンク)

ティーカップはナルミであった(図12)。

図12 ティーカップ

紅茶に関しては、1つはミントティーであったが、かなり強いミントの香りのため、好みが分かれると考えられる。大阪らしくインパクト強めの選定である。

4.水回り

 今回は、ビューバスの部屋を選択したため、バスルームから大阪の街並みが一望できる空間であった(図13)。

図13 ビューバス

風呂にはテレビが備え付けられており、首元には枕も用意されていた。アメニティ関して、事前に調べたところでは持ち帰れるような個包装のREMEDEのバスアメニティが用意されているということであったが、実際には別ブランドの備えつけのものと手洗い石鹸などであり、以前とアメニティの提供方法が変更されていた(図14)。

図14 アメニティ

また、ボディタオルが1つしか置かれていなかった。その他のタオルに関しては、すべて予備を1つ用意してバスタオル、フェイスタオル、ハンドタオルが3枚ずつ、バスマットが2枚、バスラグが1枚、バスローブは2着用意されていた(図15)。

図15 タオル類

バスタオルは、セントレジスのロゴが描かれているものであったが、それと同程度の大きさでロゴの描かれていないタオルがクローゼットの中に2枚あり、予備と思われる。ドライヤーはRefaであった(図16)。

図16 ドライヤー

これも事前の情報ではレプロナイザーであるということだったので、変更があったのかもしれない。また、ドライヤーには袋がなくそのまま置かれていた。シャワーにレインシャワーはなかったが、代わりに水平方向に複数からシャワーを浴びることができる独特なものが設置されていた(図17)。

図17 シャワールーム

使用したタオルを入れる箱はあったものの、ハンドタオルが入る大きさ程度だったため、大きめのかごがあっても良いかも知れない。バスルームには、ハンガーラックが用意されており、服をかける場所に困らないよう配慮されていた(図18)。

図18 ハンガーラック

6.バトラーサービス

 セントレジスの目玉はバトラーサービスである。今回の宿泊では、不足していたアメニティや水、夕食の店候補やプレスサービスと靴磨きをお願いする際などに利用した。夕方ぐらいまでであれば、バトラーボタンを押せば直ちにバトラーにつながり、要望を伝えた後もそこまで時間がかからずに必要な対応をされた。ただ、バトラーも海外の方が複数おり、ボディタオルを1枚追加でお願いしたところバスタオルが追加されるなど、サービスの質というより言語の壁による意思疎通の難しさが感じられる場面が何度かあった。夕食について条件を伝え候補を相談すると、コンシェルジュに繋ぐ旨を伝えられたものの、コンシェルジュが現在対応中のため折り返し電話をするということであった。部屋に確実に居る時間を伝えたがその時間中には返信が来なかったため、最終的にレセプションで話を聞くことにしたが、要望通り、条件に合った店を紹介された。0時頃、預けておいた日本酒を部屋に持って来るようお願いし、同時に、プレサービスと靴磨きサービスを依頼するため電話をかけたが、しばらく電話に出ることはなく、深夜帯は利用者が少ないということもあるのか、対応が若干手薄になっているようであった(図19)。

図19 靴磨きサービス

翌朝、起床と同時にバトラーにドリンクの依頼をし、部屋まで飲み物を届けてもらった(図20)。

図20 朝のドリンク

その際、一言滞在に関する声掛けをされ、軽い会話をすることができた。

7.ターンダウン

 ターンダウンサービスは17時から22時の間で行われるということだったので17時過ぎから20時くらいまで外出をしていた。ところが、部屋にもどってみるとまだターンダウンがされていない状態であり、もう一度部屋を出て21時半ごろ改めて戻ってみるとターンダウンが完了していた。以下、確認した点を列挙する。

・ターンダウンマットが敷かれスリッパが置かれている(図21)

・風呂場の水気はすべてふき取られている(図22)

・使用済みのタオルはすべて新しいものと交換されている

・使用済みのグラスは撤去されている

・ベッドの上にパジャマが置かれている(図23)

・カーテンが閉じられている(図24)

・ゴミ袋のゴミは回収されている

・照明が暗くなっている

・ターンダウンチョコの代わりにピローミストが置かれている(図25)

・枕が横向きではなく縦向きのままである

・テレビからオリジナルのジャズが流されている

図21 ターンダウンマットとスリッパ
図22 ターンダウン後の浴槽
図23 ターンダウン後のベッド
図24 ターンダウン後のカーテン
図25 ピローミスト

ターンダウンには細やかな気配りを感じた。これを160室ある客室すべてで行っているというのは驚異的である。その代わり、ターンダウンが行われる時間が17時から22時と幅のある時間で設けられている。

8.イブニングリチュアル

 セントレジスのバトラーサービスと並ぶ独自のプログラムとして、イブニングリチュアルというものがある。これはシャンパンサーベラージュと言う、シャンパンの栓をサーベルで切り落とす演出である(図26)。

図26 シャンパンサーベラージュ

これによって夜の訪れを祝うという意味があるとのことである。シャンパンは2本用意されていて、1本目はスタッフが開けたが、2本目はその場にいた外国人の宿泊客が自らサーベルで切り落としたいという要望によって、予定されていたのか急遽であるのかは不明であるが、その宿泊客が行うことになった。無事サーベルで切り落とし、切り落とした栓は小さな箱に入れられ、その宿泊客に手渡されていた(図27)。

図27 切り落とした栓

シャンパンはその後、その場にいた宿泊客に振舞われた(図28)。

図28 シャンパン

少し時間が経ったのち、さらに2杯目が必要かどうか聞いて回っていたのは、無料のサービスでありながら素晴らしい心遣いである。

9.バー

 夕食のあと、セントレジスのバーに行くと、客はまばらで、バー本来の静かな空間が保たれていた(図29)。

図29 バー

スタッフは英語対応可であり、外国の人からの質問にも笑顔で応対していた。バーでは、スタッフから積極的に話しかけられるということはなく、宿泊客同士の会話が尊重された。お通しのスナックは、生チョコとカシューナッツにパルメザンチーズがまぶしてあるようなものであり、ガラスの入れ物に入れられ、美しく提供された(図30)。

図30 お通しの生チョコ
図31 お通しのナッツ

お通しの出し方としては、さまざまなバーの中でも指折りの演出であるといえる。

10.朝食

 朝食は提供時間内で自由に行くことができ、時間予約などは不要であった。簡単に提供スタイルの説明を受けた後、メニュー表を渡され、本来どちらか一つを選ぶというものであったはずであるが、どちらも同時に注文しても大丈夫であると言われ、そのように注文した(図32)。

図32 朝食

実際には本来一つだけ注文できるものだったとしても、宿泊客の様子を見て柔軟に対応できるのだとしたら素晴らしい対応である。一方で、海外の方のスタッフが多く働いており、注文していないものが届いたり、注文したのとは異なるものが届くなど、想定外の事態も発生した。提供方法はハーフビュッフェスタイルであり、メインとなるものは注文し、自分の好きな数だけ食べたいようなものはビュッフェスタイルにするという両者の長所を生かした提供方法であった。

11.チェックアウト

 今回はレイトチェックアウト13時の出発であったため、13時過ぎにバゲッジダウンを依頼した。レセプションに行くと、すでにチェックアウトを待つ宿泊客が数組待機しており、レイトチェックアウトでありながら意外にも混雑していた。しばらくソファーに座って待っていると、こちらに気付いたスタッフが近づいてきて、通常のチェックアウトではなく、後ほど領収書をメールで送信するエクスプレスチェックアウトを提案され、その形でお願いしたためその時点でチェックアウトが完了した。その後はエレベーターまで案内されるということはなく、1階まで降りていき、タクシーを手配した旨を伝え、案内されたソファーで待つこととなった(図33)。

図33 待機

待っている間、スタッフの方より何か冷たい飲み物はいかがかと提案されたが、間もなく到着だったためお断りした。タクシーが到着するとスタッフが荷物を運び、こちらは座席に誘導され、ホテルを後にした(図34)。

図34 ホテルを出発

12.総括

 セントレジスホテルは、マリオットのブランドカテゴリーの中でもリッツカールトンなどと同じラグジュアリーの位置づけであり、バトラーサービスといったホスピタリティを重視したブランドである。実際、通常のホテルではなされないようなサービスを存分に体験することができた。ただ、バトラーによって用意されているサービスの選択肢は素晴らしいものがあるのは間違いないが、それを実行するバトラーの方で日本人の方は少数派で、常に片言の日本語対応されるのは日本の旅行客にとってはやや負担が大きいかもしれない。また、若い海外のスタッフが多いため、熟練のホテルマンというよりは、ややカジュアルな雰囲気で対応されており、接しやすさ、親しみやすさを感じることができた一方で、注文の行き違いや要望の認識に対する齟齬が発生したことは、セントレジスが提供しようとする極めて高いホスピタリティの水準があるだけに、惜しいものがある。これは単にスタッフを日本人の熟練した人たちにすればよいという簡単な話ではなく、ホテル業界における雇用のあり方、またそのスタッフの教育など広範な範囲にわたる根本的な部分に起因するものがあるといえる。これを完璧なものにすることは簡単なことではないが、今後のホテル業界を考えていく上で避けては通れない問題であると思う。


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