「身体を眼差す方法」2023年4月21日
たま〜に、趣味でフィールドレコーディングを行っている。
イヤホン型のマイクを両耳に入れて、駅前に10分間立ち尽くしてみる。すると、その日その時に鳴っていた雑踏の音、誘導用の音サイン、カラスの鳴き声、サラリーマンが電話しながら足早に過ぎ去る音。いろんな「生」の情報が詰まったファイルが生成されていく。
雨の日に、晴れた日の同じ場所で録音された音を聴いてみるのも面白いかもしれない。傘を伝ってくる雨粒の振動を感じ取りながら曇りのない音を聴き取っている様は、まさに異化効果を感じて自分の生活に刺激を生み出す手立てになるやもしれないから…
今、この文章はYMOが生演奏する様子を聴きながら執筆されている。視聴覚メディアの発展から、視聴者に伝えられる音の時代と場所は問われないものとなった。だって考えてみてください、既に亡くなっている人の声と、遠い昔に演奏された楽器の音を聴きながら感動を得るなんて、とても不思議じゃないですか??
この意見に同意したそこのあなた、『音響メディア史』を手に取るため、いますぐ図書館へ自転車を走らせなさい。