東京砂漠
昔、1980年代後半のバブルの頃に、東京砂漠という曲が流れるCMがありました。
大都会東京のビル群の中でタキシードを着た大人たちがバスケットボールをする映像。そのBGMとして流れる「東京砂漠」。
あなたのそばで、あぁ、暮らせるならば、ツラくはないわ。この東京砂漠。
あなたがいれば、あぁ、うつむかないで、あるいていける。この東京砂漠。
当時10代だったボクは、このCMを見るたびになんとも切ない気持ちになったのを覚えています。
岡山の田舎に生まれ育ったボクにとって、東京は華の都、大都会。
憧れがある反面、東京は砂漠みたいなところ、生きにくいところという
メッセージがとても印象的でした。
おとなになって、東京や色々な都市、都会に住んでみて、確かに無味乾燥の砂漠のような感じ、分かったような気がします。
世界規模での砂漠化
インダス文明やメソポタミア文明など、かつて繁栄した文明はどれも水辺で始まりました。
肥沃な土地でたくさんの農作物ができる水辺の環境。
やがてそこを耕作してどんどんと広がっていく農地。
食べ物ができるから、どんどん集まる人々。
大地のエネルギーをニンゲンという生命体が奪い取っていく。
その挙句、砂漠化した土地から人々は離れていき、文明が終焉する。
人類は、何度もそれを経験してきました。
現在、東京の食料自給率は0%です。
高度に発達した文明社会のいま、輸送技術の進歩により、東京には世界中の美味しい食が集まります。
東京には今ほとんど農地はないけど、見えないところで世界中の農地が砂漠化しています。
豊かな食の裏側で、大地のエネルギーの過剰な搾取が進み、毎年、岩手県と秋田県が消える勢いで地球は砂漠化しています。
東京砂漠のCMから何十年も経ちました。
相変わらず東京の開発は進み、地球の砂漠化は加速しています。
このCMの広告主であるダイア建設は、ダイアパレスという高層マンションで一世を風靡しましたが、その後経営破綻いたしました。
あれから、多くのマンションデベロッパーが生まれては、消えていきました。
そして、今もなお不動産デベロッパーは終わることのない、人工都市開発を続けています。
このまま地球文明が終焉しないことを祈るばかりです。
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