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森の国Republicを着想した理由


何故、超限界集落「目黒」なのか


安宅和人さんの「風の谷構想」の説明記事に、下記のような一節がありました。(ちなみにこの記事はコロナ前のものです)

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松野町の目黒集落は人口わずか270人、高齢化率は63.7%、70歳が若者と呼ばれるほどのエリアです。

カテゴリーとしては、「超限界集落」に値し、まさに消滅集落、廃村の一歩手前です。


安宅さんが記事中で懸念されている、古い集落ならではの「地縁血縁や慣習の強さ」もすっかりと弱体化しています。(これは当該地に移住した私がはっきりと感じるところなのです。)


もうちょっと具体的に書きましょう。

地方(田舎)にいると必ずいらっしゃるんです。いわゆる地元のドンという存在の方です。

(注:別にネガティブに批判する意図はありません。こういった方々の存在があったから、昭和ニッポンが高度経済成長を成し遂げられたことは深く理解しているつもりです。)

地元の土建屋の社長さん、観光地の協会・組合の理事長さん、商工会の会長さん、地方自治体の議会のベテラン議員や議長さん、そしてそのOBである重鎮の方々。


一方で、日本は長幼の序という儒教思想が根強く残っています。

「年長者は敬わなければならない」

それはそれで大切なことではあるのだけれども、その考え方が強くなりすぎて、

「年長者に進言することすらタブー」

な空気感になっていると思います。


だから、若者、よそ者が何か新しいことをしようとしても、その動きがドンと呼ばれる方の存在・空気感によって、かき消されてしまう。

こういう状況が昭和から平成に変わっても、不変的につづいたことは否めないと思います。


しかし時代が大きく転換し、Society 5.0という新しい社会へのパラダイムシフトが起こり始めています。

その変化がコロナによって更に加速する中で、私たちはそろそろ本気で立ち上がらなければならないのではないでしょうか?



千載一遇のチャンス


リープフロッグという言葉をご存知の方もいらっしゃると思います。

「カエル飛び」と訳されますが、その名の通り一足飛びに進歩する、発展するという意味合いで使われています。

例えば、東アフリカの小国において、固定電話すら普及していないエリアに、いきなりスマホが行き渡るといった現象もリープフロッグ型発展です。


日本の電子通信の歴史を遡ると、明治近代化の中、全国に電話網が張り巡らされるところから始まります。そして、戦後に電電公社が設立され、一家に一台、黒電話が普及していきました。

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やがて、ボタン式のプッシュホンに変わり、

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ポケベルの出現により、初めて移動先での通信が可能になりました。(なつかしー!)

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そして遂に!! 「しもしも〜!」の携帯電話登場!

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まるで、ショルダーバッグです ww


そういえば、ピッチなんてのもありましたね。

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PHS...デジタルネイティブ世代にピッチというと、スタートアップのプレゼンのイメージでしょうが、昭和世代は完全にPHSです w.


そしてガラケーを経て、ついにスマホの登場!

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ここまで振り返りながら書いていると、ついつい懐かしくなって、テキストと写真のボリュームが多くなってしまいました。(失礼しました、苦笑)

いやはや、しかしここまでの長〜い道のり、日本には実に150年以上の電気通信の歴史があります。


話を元に戻します。

リープフロッグ、、、つまりアフリカではこの150年の歴史を一瞬でカエル跳びしてしまうという発展現象が起こっています。

そして更に特筆すべきは、これからの未来への発展についても、アフリカのようなリープフロッグ型発展国のほうが、日本のような先進国より有利に働くということです。

何故なら、上記の歴史を通じて出来た遺産(電柱網、電話加入権、通信慣習、利権団体等)がないということは、これらの後処理に対処する必要がなく、スムーズに未来への変化に適応していけるからです。

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※先進国には未来へ変革していく上で障害となる物理的・法令的・心理的遺産がたくさん残っています。



このリープフロッグ型発展は、例えば日本で遅々として進まない「ハンコから電子決済への変化」や、「現金主義からキャッシュレスへの変化」など、多岐に渡ると言われています。



日本国内でリープフロッグを起こす!


さて、結論に入ります。

消滅寸前の超限界集落、ここはまさに都市化を進める日本の中で、すっかりと取り残されてしまった地域です。

チェーンスーパーやコンビニはなく、マンションはおろか3F以上の建物はありません。(ちなみに目黒集落には信号もありません)


だからこそ、新しいテクノロジーの融合などがもっとも実証導入しやすい空間だと思っています。

そう!これこそが国内版リープフロッグによる変容であり、超限界集落の持つ大きなアドバンテージなのだと思います。


ただし、豊かな自然との調和を前提にしていくことがとても重要です。

まちがっても、金太郎飴のような都市化の方向にすすめてはならない。

コンビニも高層マンションも必要ありません。


クリーンで持続可能でWell-Beingが実現した、Society5.0のモデル集落をここ「森の国Republic」で創造していきたいと考えています。


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(2022年1月18日追記) MEGURO VISION




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