「ド」がつく田舎での生活の進捗ご報告
都市から人口270人の超限界集落に一家(妻と中1、小4の娘)で移住して、もうすぐ1年が経とうとしています。
その間、多くの友人や仲間、噂を聞きつけた知人、メディアの方々など、本当にたくさんの皆さんに訪れて頂きました。
そこでここを訪れた方に、最も多く訊かれる質問、No.1は、、、
「でも実際のとこ、不便じゃないの?」
たしかに、この集落にはコンビニはおろか、信号機一つありません。
最も近い小型スーパーでも車で20分かかります。
なので都市部に住んでいる方からすると、至極真っ当な疑問だというのもよく分かります。(ボクらも都市部に住んでいたから、気持ちはよく理解できます。)
そこでその質問を受けた時、ボクはその答えに少しでも客観性を持たせるために、そのまま妻にスルーパスを振ります。
ボク「なんか、不便に感じることある?」
妻「うーん、特にないかなぁ」
別に強がって言ってる風ではありませんし、妻は正直な人間なので嘘ではなくて、本音なのだと思います。
そして、ついでにボクも今の生活を特に不便とは思いません。
何を持って便利とするか?
さて、そこで冷静に質問された方の立場になって、何を想像して不便さを感じるのだろうと考えてみました。
例えば、先ほどのコンビニ。
確かに以前は歩いて3分の距離にコンビニがあって、子供たちも結構頻繁に立ち寄っていました。
文字通りコンビニエント(便利)なストア。
もちろん、24時間いつでも買える大型冷蔵庫、日用品タンスと思えばとても便利な存在だと思います。
でも、、、、
無くても全然平気なんです。ホントに。
あるから行くけど、なければ行かない。
ただそれだけなんだと、改めて気づかせてくれた限界集落の生活に感謝しているほどです。
同じように、スーパーや百貨店、洋服屋さんも特に無くてもなんとでもなってる。
そこで、ハタと気づいたんです。
Amazonとヤマトってすごい!
もちろん、限界集落の生活でも買い物はします。ほぼネットでです。
本当にAmazonとヤマトさんは重宝してます。
例えば、USBメモリーなんてポチっとして翌日には届きます。
(どんなにひと里離れた田舎でもスピード翌日配送を叶えるヤマトの物流網は本当にすごい!)
また、こんなマニアックな商品もMonotaroのサイトを使ってなんでも手に入る。
まさにネットさまさまです。
なので、モノを調達するという意味での不便さは殆どありません。
教育についての不便?
お母さんにとっては、子供の教育についても気になるトコロだと思います。
じっさい、この集落にはもちろん塾なんてありません。
ちなみにこの集落の小学校は4年前に廃校になったので、娘は隣の地区の学校へスクールバスで通ってます。(町営バスなので無料です)
隣町の小学校は、全校児童30人、娘の在籍する4年生は6人のクラスです。
実は、この少人数学校ってのが、いいなぁと改めて実感しています。
それは先生に、児童数が少ないが故に、全ての子どものことをじっくりと見てもらえるからです。
1クラス35人や40人の学級ではフォローできないところまで、きちんとケアしてもらえる(担任の先生のみならず、校長先生まで!)ので、少なくとも学習が遅れて学力が落ちこぼれることはないようです。
(逆に、進学塾のようにどんどん学力が伸びることもないですが、まぁそれはそれでいいかと。)
それでも、毎日のびのびと楽しく学校に通い、年長、年少の児童とも触れ合いながら家族のように学校で過ごす時間は、まるで、小説『二十四の瞳』の世界のような温かさを感じます。
学校から帰るなりランドセルを放り出して、愛犬と田んぼや川に駆け出していく娘。そんな都市部では体験できない日常が、彼女の情緒性を育んでいるようでほっこりさせられます。
勉強なんて、彼女が心から興味を持った分野をオンラインででも学べばいい。ボクら夫婦はそう割り切ってます。
と、ポジティブな事ばかり綴りましたが、実際には小さな不便はやっぱりあります。
・虫が多い・・・文字通り、五月蝿い(うるさい)という意味を体感するハエや虫との共存。
・冬が寒い・・・朝は氷点下もザラです。暖炉や焚き火の温かさが身に染みます。
・空港まで遠い・・・松山空港まで2h。遠くにいくにはやはり不便ですかね。
でも、虫や寒さの問題は四季を感じられる環境と思えば、それも愛おしく感じられますし、遠距離移動も慣れれば大した問題じゃないかと、、、
少なくともボクらはそう感じてます。
最後に、
コミュニティについて
これは不便とは少し論点がずれるかも知れませんが、田舎独特のご近所付き合いについてです。
まず、ひとつはっきり言えるのは、都市部のコミュニティと人口270人の集落のそれとは、まるっきり違うということです。
それは、ある意味近すぎるくらいのご近所の距離感、そして、濃いお付き合いです。
お隣のおばあちゃんからは、手作りの栗の甘露煮、さよりのお寿司など、地元ならではの郷土料理のお裾分けをよく頂きます。
ご近所さんと道ですれ違えば、挨拶だけで終わるのでなく、そこから会話が始まり、30分や1時間はザラに談笑します。
他の過疎地域はわかりませんが、少なくともここの集落の皆さんは、外部からきたボクらのような人間にも、とても温かく優しく接してくださいます。
ある意味、この居心地の良さが、虫や寒さや移動距離の不便さを帳消しにしてくれてるのかも知れません。
以上、少しでもこの集落のヒトの営みについて、温度感が伝われば幸いです。
また、機会をみてUPします。
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